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おまけというか、そのあと

 古書店を後にしたわたしは適当に宿を見繕って荷物を置き、身軽にしてからとある場所へと一直線に向かいました。

 着物のレンタルショップです。確か船頭さんは「呉服屋」と言っていましたか。

 せっかくなので、着物姿で観光しようと思ったのです。この街を。

 後のお楽しみに取っておこうと思っていましたが、我慢できませんでした。


「ここが呉服屋……なかなか盛況のようですね」


 家族連れであったり恋人同士であったり、皆それぞれが美しい着物を見て盛り上がっています。

 わたしも邪魔にならない程度にこっそりと仲間に入れてもらって鑑賞しますが、豪華絢爛なだけあってレンタルでもお値段が結構張る物ばかり。これではわたしのお財布にも大打撃です。

 見るだけはタダですから、充分に堪能したら一番安い着物を一日レンタルして風光明媚(ふうこうめいび)と名高いこの街を観光するとしましょう。


「これいいですね……高いですけど。値段が」


 わたしに似合いそうな白を基調とした着物が飾られていたのですが、よくよく見てみればこの店の一番の目玉商品なのか、お値段も一級品でした。当然お財布への攻撃力も一番ということ。


「これは諦めるしかありませんね。仕方ありません」


 これを着てレッドと並んだら紅白で縁起が良さそうです。二人とも魔法使いなので縁起とは無縁かもしれませんが。呪いがあるので。

 まあ、美しいのはわたしのほうですけどね。どや。


「──お客様。少々よろしいでしょうかぁ↑」

「……はい。なんでしょう」


 語尾に癖のある女性の店員さんが話しかけてきました。こういう場ではゆっくりのんびりと見たいのであまり話しかけてこないでほしいのですが、向こうもお仕事ということで無下にはできません。

 適当にあしらうとしましょう。


「こちらの着物のモデルになってみませんかぁ↑ お客様とってもお奇麗ですのでお似合いになるかと思いますぅ↓ いかがでしょうかぁ↑」

「引き受けましょう」


 この人混みの中で真っ先にわたしに声をかけてくるなんて、この女性店員、見る目があります。まず、このわたしをモデルに抜擢するセンスが素晴らしい。彼女の期待には応えねばなりません。

 とってもお綺麗でお美しくお優雅なんて言われてしまったら、誰だって引き受けてしまうでしょう。お上手ですね。


「ありがとうございますぅ↑ では早速あちらで着付けいたしますぅ──」


 そうしてお店の奥に案内され、店員さんの手を借りて店一番の着物を着付けてもらいました。

 ……着物って着るの大変過ぎません? レッドは毎日これを一人で行っていたということですか? やはりあの女は侮れませんね。


「うんうん、やっぱりお客様最高にお似合いですぅ↑ お客様にお願いして大正解でしたぁ↑↑↑」


 明らかにテンションが上がっている店員さん。限界突破した笑顔と共に手を合わせて勝利を確信しています。

 わたしも着付け終わった自分を姿見で確認してみましたが、まるで別人のように見違えるようでした。着付けだけではなくてメイクまでしてもらったのでそれも当然と言えるでしょう。

 わたしは普段お化粧はしませんからね。旅には不向きですし、しなくても美人ですから。どや。

 ……どうしても歩幅が小さくなってしまうので歩きづらいですねこの格好。この格好であれだけ動けるレッドはやはりただ者ではありません。

 それにしても──


「……なんだか騒がしくありませんか? 周りが」

「お客様がお奇麗だからだと思いますよぉ↑ いえ絶対そうですよぉ↑」


 強い確信と共に店員さんが言います。当然です。どや。


「いや、ちょ、でも、これはさすがに……」


 わたしの美しさによる集客力があまりにも凄すぎて、お客さんがどんどん集まってきます。店内がぎゅうぎゅうです。


「がっぽがっぽですぅぅ↑↑↑↑↑」

「これじゃ観光どころではないのですが?!」


 今日一番のハイテンションを騒然とした店内に響かせて、てんやわんやな時間を過ごすことになりました。




 ──おかげさまで、モデル料としてわたしのお財布もホクホクになりました。美しいって罪ですね。どや。

 はい、というわけで毎度おなじみとなっておりますクソ長あとがきのお時間がやってまいりました。地味にここを書くのが一番楽しいまである。ここを読むのが一番楽しいって人もいてくれたらちょっぴり嬉しい。あとがきに興味が無い人は評価だけしてさっさと日常にお帰りください。ここから先は魔境だ。


   ***


 ということでここからが魔境(あとがき)です。

 皆様どうもお久しぶりでございます作者の無限ユウキです。真の名をアンリミテッドインフィニティエターナルユウキです。

 やっとの思いで投稿できた第6章はいかがだったでしょうか。ホワイトさんの過去が垣間見える一幕となっていましたね。本当はもっと詰め込む予定だったのですが(ホワイトさんが葬儀屋を志すようになった経緯とか、とかとかとか)思いのほか上手く収まりませんでした。

 第2章でホワイトさんの過去を見てゲロっちゃった悪魔がいましたよね。アイツのせいでハードル爆上がりになって苦労したんで、やっぱり悪魔は害悪だった。現実世界(作者)にも迷惑かけるとかどんだけー。


 ホワイトさんの母上が殺されてしまった理由ですが、あのホワイトさんの母上なので当然お美しい人です。ホワイトさんは母上に似ているというわけですね。で、父上が酒を呑むときはほとんど外呑みで、正義感の強い人がその様子を見て家庭の事情を知ったのです。どうにかして助けてあげようとして、それを知った父上は母上を取られると勘違い。独占欲が強く、酒の勢いもあってあの悲惨な光景が生み出されました。ということにしておきました。

 こういった物語の補足をあとがきに書いている時点で本編をちゃんと書けていない証拠なのですが、許したってください。プロではないのでな。あと文字数と話数の制限が災いした。


 ぶっちゃけ思い描いていたことの半分くらいしか書けなかったように思います。もっと家族仲とか深めたかったし、割と底辺な生活感とか、他にも色々。まだ発現してない魔法もあるしね?

 DV的な描写もしっかり書いて、上げたり落としたりしてホワイトさんと読者を揺さぶる、というのが理想だったんですけど自分には難しかったようです。いい経験になりましたと前向きに捉えておいて、次の機会があればそのときにこの経験を生かしましょう。


 で、前回投稿したのが2021年の12月25日──クリスマスということでばっちりしっかり1年間も空いてしまいました。いやー申し訳ない。

 前回のあとがきで間が空くだろうということは書いておいたけど、まさかこんなにも間が空いてしまうだなんて思っていませんでした。ホントに。

 どうしてこんなに間が空いてしまったのかという言い訳をさせてもらうと、前回のあとがきに書いてある通りちょっと新作に浮気をしている時間がありました。結局その新作は上手く纏まらなかったのでネタとしてストックしておいて(さらに別の新作を書いていたりいなかったり)葬儀屋さんの執筆に戻ってきたわけですが、間が空いてしまったせいでなに書こうとしていたのか思い出せなくて、それでまたエンジンがかかるまで時間がかかってしまいました。自分スロースターターなもんでげへへ。僕が新作を書くときはいま書いている作品がエタったときか完結したときかもしれません。

 とりあえず今ここで言えることは──


 もう過去編は書きとうない!!!!!!(次回に生かす気が無い)


 事前に過去編を書くことは難しいであろうことは想像できていたのですが、いざ書いてみたら想像以上に苦戦と苦悩と難儀のオンパレード。今後はホワイトさんの過去を描写するときは現在の時間軸から過去を語るようにしますわ(硬い意志)。それが簡単にホワイトさんの過去を描写できる方法だ!(ドンッ


 自分は家族なり友人なりリスナーなり仕事仲間なり、ありがたいことに人間関係には恵まれた人生を歩んでいるという自負があるのですが、ホワイトさんは自分とはある意味真逆の人生を歩んでいるようです。他人を不幸にする歩く呪いですからね彼女は。こんなにも迷惑なことはないし、早々にそのことに気づくことができたホワイトさん(幼女)は他人との関わりを極力断つようになりました。

 ホワイトさんは名前を覚えられないのではなく、覚えないようにしてきた。他人を巻き込まないようにするために。それが骨身に染みてしまったので、前回ではお墓に名前を刻むことができなかったわけです。(そんな描写があったんですよ。覚えてます? 自分は忘れてました)

 もしかしたら自分の名前だって忘れているかもしれませんね。(まだ正式に決まってないだけ)


 次章の話になりますが……まあ、また間が空いちゃうんじゃないかな、と思います。多分。恐らく。メイビー。

 いちおうこういうのを書きたいな、という草案はあるので、それをちょっとずつ形にしていこうと思います。もうちょっとワフー国でのお話が続くかな? せっかくだしね。




   ──それでは皆様に良き小説ライフがありますように。

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