1話
説明不足のところが多々あると思いますが「そっち(読者)が分かれ」くらいの気持ちで書いたので分からない、足りないと感じた部分はそちらが頑張って解釈なり考察なりして補完してください。
自分勝手ではありますが、反省はしてません。後悔もしてません。明らかなミス(意図的でない矛盾や誤字脱字など)以外は直す気もありません。つまりなにを言われても基本的に聞く耳を持ちません。どや。
以上のことを踏まえたうえで、軽〜い気持ちで読んでくれればと思います。
ちょっとでも良かったと思ったら、どれくらい良かったか↓の☆で表してくれると嬉しいです。それでは本編どうぞ。
初めましての方は初めまして。そうでない方はお久しぶりでございます。毎度お馴染みではありますが、自己紹介をさせてください。
わたしの名前はホワイト。旅する葬儀屋を営んでおります。その界隈では結構有名な美少女なんですよ? どや。
以後、お見知りおきを。
この世界には悪魔という悪い存在がいて、人々を恐怖に貶め、世界を蝕んでいます。この悪魔は人間の死体に宿ることによって魔界からこの世に這い上がり、魔人となって破壊と殺戮を撒き散らす、はた迷惑な存在となります。そうして新たなる魔人を増やそうとするわけです。
そんな事態にならないようにするためには、魔人になってしまう前に弔う必要があります。なので、わたしたち葬儀屋という存在は結構重要だったりします。わたしはそんな責任重大な仕事に努めているのですよ? どうです、凄いでしょう? どやどやのどや。
「ようやく着きましたか。ここがワフー国……」
魔力板という板に乗って魔力の波に乗り、美しい煌めきを尾に引いて滑り続けること早……どれくらいかは忘れました。
大きな川が国境になっていて、渡り船が出ているのでこれに乗ればその先はワフー国となります。
もう遠目に見えているのですが、とても美しい街並みが広がっています。これから楽しみですね。
「もちろん仕事が優先ですが。観光も旅の醍醐味です」
今まで訪れた国の中でも間違いなく一番と言って差し支えない色鮮やかな世界がそこには広がっていました。朱と黄に染まった木々と青い空のコントラストはここでしか味わえない絶景です。
そしてなにより、独特な建築様式と人々の恰好は、新鮮な気分をわたしに味わわせてくれます。
「着物というものはこれほどまでに鮮やかなものが多かったのですね。十人十色とはこのことでしょうか」
レッドを筆頭に、他にも着物を見る機会はありましたが、こんなにも沢山の色や柄があるものだとは知りませんでした。
そんなわたしの呟きを聞いて、船頭さんが声をかけてきました。
「お嬢さん、旅人かい? ワフー国は初めて?」
「はい。とても楽しみです」
「呉服屋で着物を借りられるから、興味があるなら寄ってみるといい」
「これはご丁寧に。どうもありがとうございます」
親切に教えてくれた船頭さんに頭を下げてお礼を言いつつ、船に乗り込みました。他にも複数名の乗客がいて、全員が腰を下ろすのを確認してから船頭さんは舟を漕ぎ出しました。
向こう岸に着くまで少し時間があるので、ついでとばかりに船頭さんに質問してみます。
「ちなみに、書物などを取り扱っている施設やお店などはありますか?」
「ん〜……デカい図書館なんかはねぇな。こじんまりとした怪しい古書店とかならどっかにあるだろうよ。本に興味があるのかい?」
「ええまぁ」
これでも本は好きで、時間があればよく読むのですよ? わたしの知的な雰囲気に拍車がかかってしまいますね。どや。
「広い知識を持った人でも構いませんが、まずは自力で調べようかと」
「若いのに頼もしいこったな! ま、頑張れよ!」
船頭さんは白い歯をキラリと光らせて親指を立てました。
さて、この地ではどんな出会いが待っているのでしょうか。今からとても楽しみです。