6.雪兎の回想3
今回は超超超短めです!
みんなが良い先生だと思っていたのと同じく、僕もそう思っていた。あの事実に気付くまでは。
「この問いの答えを・・・じゃあ・・・春野さん。」
まただ。あの先生は、すみれにばかり答えを求める。みんなも最初の頃は、『何で?』と思っていた。しかし、一学期の期末考査が終わって、成績が発表されたころから変わってきた。『まあ、春野さんは頭良いから。』とか、『答えなくて楽w』とかいうような空気が流れ始めたのだった。その上すみれは、全ての問いに対してほぼパーフェクトに答えるから、一部の生徒からは嫌われていた。
最近では、雪兎も友達からすみれに対する陰口を聞いていた。曰く、『成績が良いからっていい気になってる。』曰く、『出しゃばりで、目障りな女。』など。すみれはその状況を特に気にしてなかったけれど、この先生の授業によって、すみれの孤立は高まった。それに加え、すみれの一人暮らしを知って、『イキってる。』とか言うクラスメイトも出てきた。すみれは耐えていた。ずっと一人で、ずっと独りで。みんなから嫌われるようになったのは、あの四月の日から。
ーこれが雪兎とすみれの行き違いを呼んだ、二年前の四月の日であった。ー
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