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伊吹 ~雪どけ、そして春は来る~  作者: 春風 すみ
11/12

11.雪兎、圧に屈する

まだまだ寒いですねぇー・・・

皆さま、体調にはお気を付けください。



「・・・っていうか、何でそんなに食いついてんの?」


確かに僕ら四人は、成績的にも外見的にも、よく注目される。それにすみれも男子の間では、密かに注目されていた。どちらも、いい意味でも悪い意味でも。


「当り前だろ、俺らの()()と。」

「あの秀才、天才、薄幸の美少女、春野すみれが。」


『付き合ったんだぞ!!』


「やってらんない。 まったく・・・コロㇲ・・・」

「ちょっ、やめてよ。 わかった、わかったから。 全部話すから。 だから、手を離して・・・儚人。」

「ふんっ。」


儚人に掴まれていた胸倉を離され、けほっと小さく咳き込んだ。昨日あったことを話している途中、殴られかけたり、どつかれかけたり、共感されたりと、カオスな展開になりつつも話し終わった。


「・・・ってことだから。 うん。 言葉にすると恥ずかしいね。 というか・・・僕、何段階飛ばした?」


僕が思いっきり照れていると、


「雪兎。 お前、放課後ヒマだよなぁ? なぁ。」


地を這うような、でもそれを抑えるような声がした。 正直言って、恐怖。


「・・・うーんと。」


今日はサッカーの自主練があったような・・・


「来れないなんてことがあるのかい?」

「まさか、そんなことあるわけがないじゃないか! ねえ、我らが親友・()()()()()?」


圧がすごい。強い。


「はい行きますヒマです教室います。」

『よろしい。』


うぅ、何でこんなことに・・・


「ああ雪兎、もちろん愛しの()()()()()()付きでな。」

「ちょっと璃来? 何を言」

「いやぁ、僕ら話したことないし?」

「いや、でも・・・」

「幼なじみ、なのに? 俺らに会わせない? ハッ! 世も末だ!」

「ハイ分かりました連れてきます分かりました。 で、でも、すみれが嫌って言ったら?」

「バカなのか? 嫌がる女子を連れてくるなんて、言語道断! というか、あの心優しい天使なすみれさんは、残念なことにお前が言ったら来るよ。 残念なことにな!」

「はい、すいません。」


今日は本当に圧が強い。でも、よく考えるといつも四人でいるときは、いつもこんな感じだった気がする。最近集まらないから忘れていた。


『じゃあ、放課後に。』


僕は、どうやってすみれに声をかけようか、悩んでいた。



ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー



――放課後――


いつものように一人、帰り支度をしていた。今日はいつもよりも静かだから、教室に残って読書もいいかもしれない。


「すみれ、あのね、」

「ひゃあ!」

「・・・ひゃあ?」


ビックリした。雪兎が後ろにいたなんて。


「でね、すみれ。」

「な、なに?」


朝のことがあったせいか、まともに話せない。


「この後空いてるかな? ちょっと用事があるんだけど・・・」


とてもすまなさそうに言っている。


「だっ、大丈夫です!」


なぜに敬語!?自分でもどうなっているのかわからない。


「良かった~! じゃあ行こうか。」


パァッと笑顔になり、手を繋がれた。


「ひゃ。」


驚いて、小さく叫んでしまった。


「すみれ?」

「ごめん、何でもないよ。 行こう。」


朝のことをどうしても考えてしまう。でも、雪兎のお願いなら聞かなくては。



いつもありがとうございます!

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