10.めんどくさい僕の親友たち
初めてかもしれない二日連続投稿・・・
「いいですよ。」
「ふぇ?」
驚き方、可愛い。
「だって、ちゃんと返ってきましたし、命令されたのでしょう? ならしょうがないですよ。」
手ずからお守りを渡された。別に責めたいわけではない。見る間に上木さんは目を輝かせた。
「あっ、あの、私、友達がいなくて・・・。 御守りを取ったら、グループに入れてくれるって言われて・・・。 だから、ごめんなさい。」
「いいの。だったら友達になりましょう。」
「ふぇ?」
本日二度目の『ふぇ?』である。可愛い。(本日二度目)
「だから、このままだと西寺さんたちから恨まれるでしょう? なら、それよりも、人を使うようなあんな人たちを裏切って、友達になりませんか? まあ、知ってると思うけれど、私は春野すみれ。 これからお願いしますね。」
「あっと、えっと、上木七葉です。 よろしくお願いします。 あっ、七葉って呼んでください。」
「あ、すみれでいいです。 七葉、よろしくね。」
「うん、す、すみれ。」
おばあちゃんのお守りは縁を繋いでくれる。お守りと共に、久しく見なかった『友達』の笑顔をが返ってきた。今日家に帰ったら、報告しよう。
【おばあちゃん、私、中学で初めて友達ができたよ。】
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今日は休み時間が静かだ。昼休みになって眠いし、眠ろうか、と考えていた時。
「なあ雪兎、朝の本当か?」
「ちょっと話聞かせろ。」
「裏切者め、リア充爆発しろ。」
と、幼なじみ三人に連行された。
「なあ、マジで付き合ってんのか?」
「本当だよ。 で? どこ連れて行く気?」
「屋上。」
「こってりしっかり絞ってやるよ。」
よく晴れた青空の下。絶好の昼寝日和にこんな話をさせられるとは・・・。まあ、僕のせいだ。仕方ない。
「で、きっかけは?」
「ちょっと落ち着こう、ね?」
一旦止めないと、質問攻めにされそうだ。
「落ち着けるか、これが。」
「呪われるべき。」
と、さっきから口々に話しているこの幼なじみたちが、僕的には『親友たち』である。
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まず、さっきから質問ばっかりしているのは、
温田璃来
茶髪で、長身。部活は同じサッカー部。成績も常に十位以内という、正にモテる人の要素を固めたような人だ。しかも、性格もいい。
次に、キレかけているのは、
尾谷泰輝
黒髪に、銀縁眼鏡。科学部の部長をやっている。成績は、数学と理科ではすみれと同率一位、もしくは一位で、いつも百点である。ザ・理系という感じの人で、クールなところに一定数のファンがいる。ただ、本人は邪魔だと言っている。
最後に、ずっと物騒なことばかり言っているのは、
矢橋儚人
もさっとした黒髪に、黒縁眼鏡。まあ、いかにもクラスに一人はいそうな根暗である。科学部の副部長だが、あまり来ておらず、気が付くとそこにいることから、科学部七不思議に数えられている。成績に関しては、古典・古代史・古文など、古いもの、他の生徒たちが苦手なものが良いらしい。ただし、髪を整えて眼鏡をはずせば、どこかの御曹司かというような綺麗な顔をしている。事実、彼の家は大企業の経営をしているのだが・・・。本人曰く、興味はないらしい。
そんな三人との出会いは四歳のとき。それから腐れ縁で、ずっと一緒だ。
まあこの話はまたいつか、別の時間、別の場所で・・・。
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