五話 Sクラスダンジョン
王都アグネシアを出た後、俺はすぐにダンジョンの方へ向かった。
「なるほどな…確かにAクラスの魔物はいるがバートンの奴…いや、調査団か…」
ダンジョンから少し離れた高台からダンジョン周辺を見回す、そしてダンジョンから少し離れた川沿いに王国軍のテントが見えたのでまずそっちに向かった。
「隊長少し休んではいかがですか?」
「いや、今もダンジョン内で命を懸けている者達がいる以上、のんきに休んではいられまい」
「その兵士の言う通りだバートン、少し休めそして俺に付き合え」
「レイ!!来てくれるとはな…」
「あんたの知り合いに頼まれたのと受付嬢にほぼ無理やりだがな」
「それでもありがたい、さっそく攻略に行ってくれるか?」
「そのことだがバートン、王都の調査団は節穴だらけなのか?それとも馬鹿の集まりなのか?」
「何を言っているんだ?」
「あのダンジョンはSクラスだ」
「なに!?そ、そんな、馬鹿な…」
「確かに見分けることは難しいが、あれは確実にSクラスのダンジョンだ」
確かにAクラスとSクラスのダンジョンはぱっと見て見分けるのが難しい、入ってみないと分からないし、入ったら入ったで一階層から敵の強さは格段に違う、挙句の果てにSクラスダンジョンは一度入ると攻略しない限り二度と日の光を拝む事は無い、それほど面倒なダンジョンである、
「調査団は入口にすら近づかずにAランクと決めたんだろうな、雑な仕事をしてくれたもんだな」
「くっ、調査団への問い詰めは後にするとしてまずい事になってしまったな…」
「中に入った冒険者と合流しながら攻略をする、そのためにはお前が必要になる」
「理解した、合流した冒険者達をまとめ上げる奴がいる、そう言う事だろ」
「それもだが俺の邪魔をさせない様に見張る役も兼ねてもらうんだよ」
「わかった、ならすぐに行こう一人でも多く救いたいのでな」
バートンはすぐに荷物を持ちテントから出た、
「バートン、しっかりついて来いよ」
「これでも王国軍第一部隊長なのだがな」
俺達はダンジョンの入り口に向かった。




