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第12話 貯金箱からこんにちは

「さて、どうしたらいいか………」

部屋に戻り、学校へ行く支度をしながら考えた。


勝手口も玄関も使えない、でもなんとかノマドさんと連絡をとらなければ母の事だ、今日は思い止まってくれたみたいだが、週間天気予報で週末の天気が悪いとか、来週は天気が崩れるとか、そんな予報を見たら明日にでも祖父の家に行きかねない。


学校を休むわけにもいかないし………

学校で昼休みとかに鍵のかかっている部屋から隠れ家に行くと言う手あるけど、誰かに見られるリスクもある。


隠れ家には電話も繋がらないし、連絡手段がないことに気づいた。


僕からも連絡出来ないし、ノマドさんからも僕に連絡をすることができないはずだ。


この辺は改善の余地があるな。

以前はノマドさんは祖父の家に通じる扉を繋ぎっ放しにしていたそうだ。


影について解決したら、また繋ぎっ放しの扉を作らなきゃだな…


そんな事を考えていたのだけど、ふと机の上の貯金箱に目が行った。


「この貯金箱つかえないかな!?」

僕の机の上には鍵の付いた貯金箱があった。

鍵がついているんだから、もしかしたら鍵束が使えるかもしれない!


僕は貯金箱の鍵穴に白い星の付いた鍵を差し込んだ。

「どんな効果がでるかわからないけど、やってみる価値はあるな…」


僕は祈る気持ちで貯金箱の蓋を開けた。


そこにはあのレンガの通路が繋がっていた。

もちろん貯金箱の蓋は小さいから入ることは出来ないけど、声なら聞こえるはずだ!


「ノマドさーん!!」

僕は貯金箱に向かって叫んだ。


「おや、今日は珍しい訪問の仕方ですな」

ノマドさんが貯金箱の向こう側に現れた。


────成功だ。


僕は母が祖父の家の掃除をしに、祖父の住んでいた家に向かう危険があることを伝えた。


「それはマズイですな………」

「どうしよう!?今日はなんとか誤魔化せたけど、時間の問題だよ!」

「影の対処を急がなければなりませんな………」


「僕はこれから学校に行かなきゃだから、長話はできないけど、この貯金箱学校に持っていくから、また昼休みにこうやって話ができるかな?」

「こちらは全く問題ありません。何かしら私も手を考えておきます」

「それじゃ、またお昼頃!」


僕は貯金箱の蓋を閉め、リュックに貯金箱を仕舞おうとした。


貯金箱の缶の中で小銭が大きな音をたてる。

「流石にこれはまずいな…」

僕が貯金箱を再び開けると、さっきあったレンガの通路ではなく、大量の小銭が見えた。

「不思議な感じたな………」

中に入っている小銭を全て机の上に出して、僕はリュックに貯金箱を入れた。

「これなら音もしないし、大丈夫だな」

僕はリュックを背負って学校に向かったのだった。


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