5 だったら、こんなのは?
書き上げているうちに、一斉休校が緩和されましたが、一応この話は2月末の時点での話ですので、休校措置が緩和される見通しが立っていない中で、休校になって給食が取り止めになっているという問題について、2人に考察してもらいました。
他にも、自宅待機リストの作成など、好き放題、アイディアを出していますので、読んでいただければと思います。
天平「まとめると――宝くじ式支援をする場合は、詐欺が起きにくい仕組みを整えて、それから当選者が決まったら、当選したときにできることになっている内容を安全にかつ確実に遂行できるように体制を整える、ということで」
ユーリ「そういうことで」
天平「ただ、もしこれでお金が集まるようになって、なんでもかんでも宝くじやるようになったら、それはそれで怖いけどな?」
ユーリ「うん、まあ、ね? 宝くじってギャンブルのイメージないけど、これはこれでギャンブルだもんね? 当たらなかったらお金を損することになるわけだから」
天平「ハマりすぎて、散財する人出て来そうで、そこもちょっと怖いとこかな? お金ないのに買っちゃって買っちゃって、みたいな……?」
ユーリ「『支援になることだから。いっぱい買っても、世間のためになることだから』って思うと、ついつい買い過ぎちゃう、って人も出て来そうだね……?」
天平「コンサートとかライブとかだと、宝くじに外れても、ペーパーみたいなのだけでももらえたりするといいよな? アーティストがメッセージ書いたものをプリントしたヤツとか。そんで、CDショップとかで、外れくじを見せるともらえる、みたいな?」
ユーリ「その辺は、やれる範囲で、だね? あんまりやり過ぎると、そこにお金使っちゃって、アーティストさんや関係者の人たちへの支援が十分にできなくなってしまいかねないから」
天平「そだな。ライブとかは準備や会場にお金かかってるし、遊園地はアトラクションの点検とか購入費用とか? 美術館や博物館は、展示しているものや保管しているものの状態を保つために湿度とか管理するのに電気代かかったりすると思うんで、そういう維持費と……働いている人には休業中でもお給料は払ってあげなきゃ生活できないだろうから……」
ユーリ「そういった必要経費とか、人件費とかを集めることが大事なんだから、そこはキッチリ確保できるようにしないと――あ。ライブは、チケット買った人には代替ライブの映像を配信して、それプラス、チケットが宝くじになっている、ってすればいいのか」
天平「お! おお? おお! そっか。その場合、チケットの払い戻し期間を決めて、その期間が過ぎたら代替ライブ映像を配信するだろ? それプラス宝くじの抽選をして、チケットの払い戻しをしてもらわなかった人の中から抽選で、アーティストさんからステキな何かをしてもらえる、みたいな? いいやん! ソレ」
ユーリ「合わせ技だね」
天平「うんうん。よさそう! あ、なんだったら、代替ライブに抽選シーンを特典映像で入れて、そこで当選番号を発表してもいいかもな?」
ユーリ「と、やりようでなんとかなりそうな気がするんで、そんなカンジで、ライブの中止で損害が出ないようにできれば――」
天平「っつか、逆に、お金を集めすぎるのもよくないよな? ライブとかだとチケットが何枚売れていたか決まっているけど、遊園地や美術館みたいに、前売り券より当日券が出るところだと、もしも休業していなかったらどれくらい入場券が売れたかわからないわけで――宝くじをどれくらい売ればいいんだか?」
ユーリ「もしも休業していなかったらどれくらい儲けることができたか、じゃなくて、遊園地や美術館なんかを維持していくための維持費と人件費を、宝くじで集めることができればいいんじゃないかな?」
天平「あ。クラウドファンディングもそっか。クラウドファンディングは何かを作るためにこれくらいのお金がかかるっていうのがあって、そのお金を目標額に決めて集めるわけで。宝くじも、遊園地や美術館なんかを維持するために必要な額を目標額にして、宝くじを売ればいいのか……?」
ユーリ「イベントを中止したり、施設を休業することで、大きな損害が出てしまって、新型ウィルスの感染問題が落ち着いた後に、仕事を再開するのが難しい状態にならないように、仕事を再開できるだけのお金を集められればいいわけだから――」
天平「維持費……動物園は?」
ユーリ「動物園? どうぶつ……」
天平「動物園は、動物のエサ代かかるだろ? エサ代ってかなりヤバいだろ? 動物園ってエサ代だけでも確保できないと、大変なことになるよな?」
ユーリ「そういうとこって、万が一、経営を続けられないってなってしまったら、そこで飼っている動物をどうするか――引き取り先を探したり、引き取り先が見つかっても、そこへ連れていくのにお金がかかったりして大変だと思うし、動物たちも環境が変わるのしんどいだろうし……」
天平「かといって、できないだろ――殺処分は」
ユーリ「もちろん、できないよ! できるわけがない」
天平「大きくていつもお客さんがいっぱい来てる動物園は、しばらくお休みしても持ちこたえられるかもしれないけど、ギリギリカツカツでやってるとこは、厳しいかもな……? 小牟田の動物園も、せっかく土日に賑わうようになってきたのに、大丈夫かな……?」
ユーリ「動物……動物って、ふれあい牧場とかにもいるよね?」
天平「あ、いるいる。日本って、『動物園』もあるけど、個人経営の動物ランド的なとことか、牧場なとことか、意外とあるんだよな? テレビとかで紹介されて、こんなとこあるんだ? ってびっくりすることあるから」
ユーリ「そういうとこも、お客さん、減ってるよね……?」
天平「経営が厳しくなってるだろうな……?」
ユーリ「そういうとこには――食品ロス? 食品って言うか、野菜のロス?」
天平「野菜のロス?」
ユーリ「売り物にならない野菜とか、野菜くず、キャベツの外っ側の葉っぱとか、そういうの。ほら、テレビでも、ゼロ円の食材を集めてごはん作る企画やってたりするだろう?」
天平「あ、地方の道の駅とかで、そこで売ってる野菜を作っている農家さんのとこ訪ねて、廃棄する野菜とかを――あ、それがロスな野菜? なんか、テレビで見てると、意外と相当あったりするよな?」
ユーリ「うちも、売り物にならない野菜は人にあげたり、畑の肥料にしたりするけど、棄てちゃう分もあるから」
天平「そっか、そういうのをもらって回って、動物園の動物たちに食べてもらえばいいのかも……? 人間が食べられるものなんだから、動物にも安全だろうし……?」
ユーリ「お肉屋さんとかでも、廃棄するお肉の切れ端とかあるみたいだよね?」
天平「そういうのって、安定したエサの供給にはならないと思うけど、いくらかエサの足しになるかもな?」
ユーリ「あと、キリンの檻のとこには、キリンのエサにできる木の種類を書いてあるから、それに該当する木の枝は動物園に運んでもらってるってイタが言ってよね?」
天平「ああ、イタんとこが、庭の木の剪定をしてもらうときにだろ? イタがお父さんと植木屋さんに頼んで、庭にある木のうち、キリンのエサにできるヤツを持ってってもらってるって――ホントは自分で持って行きたいけど、自転車で積んでいくのは無理だったし、担いでいくのも無謀だって止められたとかぼやいてたもんな」
ユーリ「木の枝も、意外と重いからね」
天平「イタ、担いだら潰れるだろ。ちびっこだから」
ユーリ「そうやってからかうなよ? イタ、すぐムキになるから」
天平「ほいほい。っつか、そうやってエサ代、じゃなくて、エサの現物支給することで、支援することはできるかも? しかもそれって、今だけの話じゃなくて、新型ウィルスの問題が落ち着いてからもずっとできる支援かもよ?」
ユーリ「そうだね。動物園って、動物のエサが少しでも安く調達できれば、経営が楽になるだろうし、施設を整備したり、動物たちへの他のケアを手厚くしたりできるようになるよね?」
天平「そういうのも、テレビを通じて呼びかけて、体制を整えて行ければいいよな?」
ユーリ「そうだね」
天平「災害のときも、被災地に物資を送るのはいいけど、受け取る方が受け入れる余裕がなかったり、場所場所で、送られてくる支援物資に偏りがあったりして、ありがたいけど困る、みたくなってたとこもあるみたいだから。動物園側の都合を考えずに、むやみに持ちこむのもよくないだろうし」
ユーリ「支援物資と言えば、東日本か熊本のとき? 炊いたごはんを避難所に送った人もいたらしいよね? そっちの方が被災者の手間が省けていいだろうって思いやりだったんだろうし、聞いたときはなるほど、って思っちゃったけど、衛生的な問題で廃棄せざるを得なかったって話で、それはそうだと思って。でもそういうのって、いろいろやってみて、人がやってるのを聞いて、これはいいとかこれはよくないとかわかってくることだから――。なんていうか、人の善意が上手に機能するようにしていきたいよね」
天平「だったら、こういうのがいいとか、こういうものはダメだとか、こういう風にしておいてくれると助かります、とか、動画で動物園の職員さんたちに、動物のエサになる木の枝とか廃棄野菜とかの用意の仕方を指導してもらったらいいかもな? そんで、テレビで、動画でエサになるもの紹介してます、って告知してもらうとかすっと」
ユーリ「その動画を見て支度した上で、動物園に持って行ったときに、よくないところがあって、職員さんに『こうしてください』って言われたら、それにちゃんと従う、ってやっていったら、なんとかなりそうだね?」
天平「あとはさ、給食が休校で取りやめになってるだろ? その食品ロスって、家畜のエサに回されるらしい、って聞いたことあるけど、動物園とかふれあい牧場とかにも回せたりしないのかな?」
ユーリ「そっか、給食のロスって、使い道をいろいろ考えてはあるだろうけど……どうなのかな?」
天平「っつか、給食はさ、使い捨て容器に詰めてお弁当にしてほしいんだけど。学校でお昼時に配ってくれれば、オレ、取りに行くのに」
ユーリ「給食をお弁当にして学校で配る?」
天平「給食センターで給食弁当、作ってもらえたらよくない? 給食で使うはずだった食材を使って料理作るだろ? 汁物まで用意するのは大変だから、そこんとこは他の料理にするとかして……」
ユーリ「お弁当にできるなら、動物園の動物のエサには回せなくなるけど、給食に関わっている業者さんたちには一番いい方法だよね? それに、家でお昼ごはん用意してもらえない子もいるかもしれないから、給食をお弁当にできるなら、それがいいと思うけど――」
天平「給食センターで作ってもらったお弁当を、子供の家、一軒一軒に配って回ってたら大変だと思うけど、子供たちがそれぞれ自分たちで取りに行くようにすれば、手間が省けるだろ?」
ユーリ「けどそれじゃ、休校にした意味がなくない?」
天平「人と人とが接触したり近づいたりしなきゃいいわけだろ? だから、校庭に会議用の折り畳みの長テーブルを置いて、そこで、マラソンの給水所みたいに、お弁当と牛乳を持って行けるようにしてあればさ? 校庭なら換気はいいし」
ユーリ「校庭か……。校庭なら換気はいいだろうけど、給食センターの人? とかに、テーブルにお弁当と牛乳を積んでおいてもらって、僕たちが学校まで取りに行って勝手に持っていく、っていうわけにはいかないよね? 誰かがいたずらして、おかしなものをお弁当の中に入れたりするといけないから」
天平「んーと、そだなー、じゃあ、お弁当チェック係を――先生たちにやってもらえないかな? それこそ、マラソンの吸水所の、飲み物を配ってる人みたいなカンジで?」
ユーリ「それじゃ、先生が子供たちから感染させられたり、先生から子供たちが感染させられたり、ってなってしまうんじゃないかな? 感染リスクを減らすには、接触しないような方法を考えなきゃいけないから――チェック係の人がいる場所と、お弁当を積んでおく場所を離しておく?」
天平「場所を離す――。あ、だったら、まず運動会の本部席とかに使うテントを校庭のどっかに立てるだろ? そんで、そこの天井部分のパイプとか使って、透明のビニールの幕を垂らすわけ。ほら、冷蔵庫の冷気を逃がさないようにする節約術で使うようなビニールの幕」
ユーリ「んん? それで?」
天平「そんで、その幕を挟んで、テーブルを二台、合わせるんだよ。そんで、その片方にお弁当を積んでおいて、その逆側に、先生が待機してて。そこで、誰が来て、お弁当を持って行ったか、チェックできるようにしておく」
ユーリ「先生とはビニールの幕越しにやり取りするカンジなんだ? それならまあ、感染しにくそうだね……?」
天平「だろ? そんで、お弁当のテーブルには箱を置いといて、そこに、引換券を入れられるようにしとくんだ。引換券には、自分の名前と、その日の日付が書いてあって、それを透明のビニール越しに、先生に見せて、ちゃんとそこの小学校の児童だってわかってもらったら、箱に引換券を入れて、お弁当と牛乳をもらって帰る」
ユーリ「その場合、引換券をまず、配らなきゃいけないよね?」
天平「引換券はオレが一軒一軒回って配ってもいいし、それか先生に配ってもらうか、郵送してもらうか――っつか、最初にお弁当を取りに行ったときに、引換券を束で何日分かまとめてもらうようにしとけばいっか。最初んときは、クラスごとに、お弁当をもらう場所を作って、担任の先生に待機しといてもらって、お弁当をもらいに来た自分のクラスの子に、担任の先生から引換券の束を渡してもらうようにしておくと。それ以外のときは、クラス別に作らなくてもいいし、誰先生が待機しててもいいし、なんとかなるんじゃ?」
ユーリ「それじゃあ、お弁当をもらいに来る子供の名簿を用意しておいて、待機している先生が、引換券でどのクラスの誰か確認して、誰が取りに来たか、名簿にチェックを入れていく?」
天平「あ、名簿は要るよな? っつか、名簿作って、一人ひとり、取りに来たかどうかチェック入れていくなら、そんとき、健康状態の確認もしとくといいよな? 引換券持ってきた子に、体調に異常がないかどうか、自己申告してもらったら――」
ユーリ「ん? けどそれ、体調に異常があるのに、お弁当をもらいに来てたらダメじゃない?」
天平「――あ。それもそっか」
ユーリ「お弁当取りに来る前に、家で体温を測って、熱がなかったらお弁当を取りに来ていい、ってことにしておかないと」
天平「確かに。先生でも、子供でも、体調の悪い人は絶対にお弁当の受け渡し場所には来ないようにしとかないとな」
ユーリ「それと、列に並んでいるときも、距離が近いと感染リスクが高くなるから、一人ひとりの距離をあけて並ぶようにしないと――」
天平「それなら、丸描こうぜ。校庭の地面に、木の枝とかで、間隔をあけて円を描いておくだろ? そんで、お弁当を取りに来た子は、その円の中に一人ずつ入って並ぶようにしとくんだ。そしたら、間隔をあけて並ぶことができるんじゃないか?」
ユーリ「そっか。まず、地面に円で列を作っておくと、一人ひとり距離を取れそうだね?」
天平「すんごい土砂降りで地面がぬかるんで円がわかんなくなった! みたいな状態にならない限り、それで大丈夫そうな気がする」
ユーリ「すんごい土砂降りの場合は、さすがにお弁当を配るのは中止しようか? 雨に濡れて風邪ひいちゃまずいし。屋内で渡すってなると大変……あ、テントじゃなくてもよくない?」
天平「ん? どゆコト?」
ユーリ「一階の教室の窓を開けて換気をよくしておいて、教室の中で先生に待機してもらって、校庭側に面した窓か、校庭側の出入り口のとこか。どこかを開けっ放しにしておいて、そこに透明のビニールで仕切りをしておけば――」
天平「校舎の外側、先生がいる教室の窓の下か、出入り口の前あたりにテーブルを置いて、そこにお弁当を積んでおけばいいのか――」
ユーリ「それで、やっぱり、校庭に円を一列に描いておいて、一人ひとりが距離を取って並べるようにしておけば、いいんじゃないかな?」
天平「それなら――いけそうな気がする」
ユーリ「ただ、僕たちなら、引き渡しは何時から何時まで、ってなってて、それぞれが都合のつく時間に取りに来て、もらって帰って食べる、っていうの、やれると思うけど。低学年の子だと、一人で来て、お弁当もらって帰るっていうだけでも、うまくやれなかったりするんじゃないかな? 僕はちょっと心配」
天平「んー。そこは……高学年の子が、近所の低学年の子の面倒をみるってわけにもいかないか。それじゃ、休校の意味がなくなるもんな?」
ユーリ「同居しているわけじゃないけど、親の仕事の都合でお互いの家に子供を預け合ったりしてるとか? 常に行き来があって、同居してなくても濃厚接触状態になっているような付き合いがある家の子供どうしだったら、一緒にお弁当をもらいに行ったり、あるいは、高学年の子が低学年の子の分もまとめてもらっていって、家まで届けてあげたりする、っていうのでもいいと思うけど……」
天平「オレは家族ぐるみ系の付き合い多いけど、よそはそんなにないよな? そういうの……。けど、濃厚接触せずに生活できない人たちまで引き離すことはしないけど、濃厚接触せずに生活できる人たちは極力、距離を取らせたい、っていうのが休校とかする意味なんだから。ユーリの言う通りだよな……」
ユーリ「それに、親が仕事でいないから、休校の間は、校区外に住んでるおじいちゃんたちや親戚の家に預けられる子供もいるかもしれないし。そうなると、お弁当だけもらいにわざわざ登校するって大変かもよ?」
天平「じゃあ、お弁当もらいたい人は、事前に申請しとく? そんで、もらいたい人だけ名簿にして、もらいに来たかどうかチェックしてもらう、とかすればいいんかな?」
ユーリ「そうだね。それで、小さくて一人でもらいに来られない子の分は、保護者の人が取りに来られるなら取りに来てもらえばいいし、子供が保護者と一緒に取りに来てもいいと思うし。――あ、その場合も、保護者の人が体調が悪いときは取りに行っちゃダメ、ってことで」
天平「体調悪い人は辞退が鉄則。――ってそれはそうだけど。ん? 保護者? あ、もしもさ、給食のお弁当をもらいたいっていう事前申請が少なかったら、材料が余るだろ?」
ユーリ「……それは、そうなるよね?」
天平「余り具合次第ではさ、給食弁当を食べる子供の数以上のお弁当ができることになるわけだからさ、それは、数量限定で、保護者に売ったらどう?」
ユーリ「……売るの?」
天平「親が無料でもらうのはちょっと違う気がする。――いや、そもそも給食費を払ってるのは親なんだけどな!」
ユーリ「まあ、言わんとするところはわからなくもないかな? お弁当を辞退した子供の親が、本来子供がもらうはずだった分をもらうのは、無料でいいと思うけど、子供がお弁当もらっている場合に、その子の親までお弁当を無料でもらうっていうのは――もらい過ぎ?」
天平「だろ? だから、無料にはしないけど、けど、かなりお安くお得にどうぞ、ってなったら、食べたい親、いると思うんだよな?」
ユーリ「それは……いるかも? 給食って、僕たちみたいに実際に食べてるときは、これ嫌い、とか、あれマズい、とか、給食ってイヤだってなってしまいがちけど、給食を卒業した大人って、自分たちが食べてた給食、懐かしくなるみたいだよね?」
天平「わかる。自分たちが食べてた給食だけじゃなくて、『給食』に興味あるっぽいっつーか? 今、オレらが給食でどんなん食ってるか、聞きたがる大人、いるよな? おでんが出るっつったら、びっくりしてたわ」
ユーリ「僕は、昔の給食の方が気になるけどな?」
天平「伝説クラスにおいしかったヤツとか、逆に、激マズだったヤツとか、なんか、いろいろ思い入れがあるっぽいよな? 給食って」
ユーリ「忘れられない、思い出の味?」
天平「中学でも給食出してるとこもあるけど、基本的には小学生のときだけだろ? 給食を食べられるのって。小学校卒業して食べられなくなると、給食、食べたくなるもんなんかもな?」
ユーリ「僕たちも、休校でいきなり給食食べられなくなるってなっちゃって。食べられないってなると、楽しみにしてた献立もあったのに、とか思っちゃうよね」
天平「だからさ、やっぱり、お弁当にしてくれるといいよなー」
ユーリ「そうだね。お弁当にしたら――保護者にもウケるかも? おじいちゃんたちも食べたがりそう」
天平「だろ? 売れる気がする」
ユーリ「といっても、子供たちの分を用意して、さらに余ったら、保護者の方もどうですか? ってことだから。まずは事前申請で子供用にいくつ用意するか決まったら、余分にできるお弁当があれば、保護者から事前予約を受け付けて、誰にお弁当を渡すか決めて。お弁当代は、子供が預かって来て、当番の先生に渡せばいい、かな?」
天平「親が仕事なくて家に居るんだったら、親が自分で買いに来ればいいと思うけど――あれ? ちっちゃい子で親も仕事で家にいない、とかだったら、そういう子こそ、お弁当要りそうだけどな? 家でどう過ごしてるかも気になるし?」
ユーリ「そういう子のとこには、先生たちが家庭訪問できるといいと思うけど……。子供に家から出て来てもらって、家の前のどこか、車とか通らないような安全な場所で、できるだけ接触しないように気をつけながら、お弁当の受け渡しするとかして? そのときに、その子がちゃんと過ごせてるか、確認したり……?」
天平「……そういうことができればいいけど、やれるとしても、そこが限界だろうなぁ? んー、もしも小さい子がいて、親が家に居られないんなら、いっそそういう子だけ集めて疎開させられればいいと思うけど――」
ユーリ「ソカイ? あ、疎開? 戦争のときに、空襲を避けるために田舎に避難したりしてたことのことだよね?」
天平「そう、ソレ。疎開っつーと怖いイメージになってしまうかもしれんけど。要は――合宿?」
ユーリ「合宿か……。問題はどこに逃げるかだよねぇ? 新型ウィルスの感染が確認されていない地域はあると思うけど、受け入れ先や、お世話してくれる人手があるか、わからないし。小さい子って、親から引き離して大丈夫かな……?」
天平「それ以前に、疎開させます、って集めた子の中に、すでに新型ウィルスに感染している子がいたとき、疎開先で集団感染が起きる危険性があるだろ? そんなことになったら最悪も最悪だし……」
ユーリ「――感染症って、本当に厄介だね。何をしようにも、すんなりいかない……」
天平「ホントにな。めんどくせぇ」
ユーリ「――とりあえず、お弁当にした給食は、もらいに行ける子はもらいに行く、ってことで。自宅待機中の子供の家での過ごし方とかは、小さい子がどうすればいいかとか含めて、また改めて考えよう」
天平「そだな」
ユーリ「えっと、お弁当、学校でもらったら、寄り道しないように帰って、家で――」
天平「――あのさ、休校になったって言っても、学校の校舎や設備が壊れたわけじゃないんだから、水とか使えなくなるわけじゃないよな? 水洗い場でうがいと手洗いをしっかりやって、学校の校庭で食べて行ってもいいかな? 持って帰って食べるのもめんどくさくない?」
ユーリ「え? 校庭のすみっことかでぽつんと一人で食べて帰るってこと? それとも、友達と一緒にどこかに集まって食べる?」
天平「んー。集まると、感染リスクを上げる? けど、教室の中で集まって食べてたら感染リスク高そうだけど、校庭だったら――?」
ユーリ「どうだろう? 人と人との距離が近いと、感染リスクは上がるだろうから。集まって食べるの、絶対にダメだとは思わないけど、やらないでいい人はやらない方がいいんじゃないかな? それに、そんなことしてると、どうせなら校庭で遊んで帰ろう、だったら警泥やろう、で子供たちが接触する機会が増えて、そこから感染が拡大するっていう危険もあるんじゃないかな?」
天平「ああ~。やっちゃうな~。家でじっとしている分、友達と転げ回って遊びそうだな~。警泥だと、警察が泥棒捕まえるときとかに接触するから……一人ずつ離れてくつ飛ばし競争とかする分にはいいのか?」
ユーリ「外で友達と遊んじゃいけないとは思わないけど。ホントに、どこでどうやって感染が広がっているか、わからないとこあるから。中学生や高校生の部活だって活動休止になってるって話だし。一人遊びして、家に帰ってからうがいと手洗いをしっかりする分にはいいと思うけど、数人でなんかして遊ぶっていうのは、極力、控えておいた方がいいんじゃないかな?」
天平「そだなー。しばらくは大人しくしとくかー。っつっても、学校まで行って帰るだけでも気晴らしの運動になるかな? とは思ったんだよな。それに、日光に当たる機会になるし」
ユーリ「日光? あ、紫外線ってウィルスに対して殺菌効果があるって言うよね?」
天平「あ、それもあるな?」
ユーリ「え? それじゃないわけ?」
天平「ずーっと家に引きこもって日光浴びずにいると、くる病っつー病気になるんだろ?」
ユーリ「くる病? あ、そっちか。――人の身体って基本的に、日光を浴びることで骨とかが正常に成長するようにできてるから、逆に、長く日光を浴びずにいると、骨とかに異常が起きてしまうとかで。その異常を、くる病って言うんだよね?」
天平「医療系のドラマで、何度もあちこち骨折する赤ちゃんがいて、虐待とか、発達障害とか疑ってたらくる病だったっつーの、やってたけど。今は、子供のUVケアしている親が多いらしいから、母さんとこも赤ちゃんたちがくる病にならないように、新米ママさんたちに指導してるって」
ユーリ「UVケアはUVケアで大事なんだろうけどね? 日本でっていうか、オーストラリアで?」
天平「オーストラリア?」
ユーリ「オーストラリアって、大規模な森林火災が起きていただろう? ――というか、今も燃えてるんだっけ?」
天平「あ、どうだろ? 完全に鎮火してはいないのかも……? オーストラリアの場合、森林火災って度々起こってて、森林火災が起きることで土壌が豊かになるっていうプラス効果もあるらしいけど、こないだの森林火災は度を越してたよな?」
ユーリ「ああいう大規模な森林火災や山火事を消化するためにも、地球防災軍、早く作りたいよね」
天平「森林火災のせいで、コアラもたくさん死んでしまったらしいからな……」
ユーリ「うん。……それで、オーストラリアの森林火災って、自然発火することが多いって聞くんだけど」
天平「ああ、らしいな? もともとオーストラリアに植わってるユーカリの木。コアラが食う木。アレ、油分が多い木で燃えやすいらしくて、それも森林火災の原因らしいよな?」
ユーリ「それにしたって、自然発火するくらい日差しが強いんだろう?」
天平「オーストラリアの場合、自然発火自体は昔からあるっぽいけど、今は温暖化っつーか、CO2でオゾン層が薄れたりして、特に紫外線が強くなってきてるんじゃないか、って言われてるよな?」
ユーリ「それで、日光浴びすぎちゃうと皮膚がんになりやすいから、オーストラリアの人はUVケアしっかりめにしてるって話を聞いたことあって」
天平「確かに、日差しが強いとこだと気をつけた方がいいのかもしれないけど、オーストラリアに住んでいる人って、先住民の人は肌の色濃いめだと思うけど、過去にオーストラリアに移住した人は白人だろ? 白人の人って肌、弱いだろうから、UVケアしっかりめにしてるんなら、それもあるんじゃないか?」
ユーリ「それもそうだね? 日本人の場合は、肌が日焼けしないで赤くなるタイプの人と、日焼けして黒くなるタイプの人といるよね?」
天平「いるいる。赤くなるタイプの人はやっぱ、日焼けし過ぎるとよくないんだよな? あれって紫外線アレルギーとかいうのだったりして、その人の許容量越える紫外線を浴びると、じんましん出たりするんだってよ?」
ユーリ「じんましんとか出るようだと、大変だね。そういう人はホント気をつけないと……」
天平「だからまあ、UVケアって、人によっては大事だと思うけど。ただ、登下校するくらいの間、日光浴びるのは、それはそれで大事じゃないかな……?」
ユーリ「そうだね。数日、日光を浴びないくらいでくる病になったりはしないだろうけど、何日も何十日も続くようだったら、そういうことにも気をつけないとね? 感染リスクを減らすことばかりに気を遣って、他の病気になってたら意味ないもんね」
天平「そうだろ、そうだろ?」
ユーリ「だから、お散歩がてら学校に行って給食のお弁当をもらって帰ることができれば――ん? 給食をお弁当にして配ることができればいいけど、給食のごはんやおかずをお弁当の容器に詰めていく作業って、大変だよね?」
天平「そっか、そうだな、お弁当は、詰める作業をどうすっかが問題だな。給食を作るだけでも大変なのに、それを一人分ずつお弁当にしていくとなると……ロボットを導入して、オートメーション化するってわけにもいかないよな? そんなことしてたらお金かかる――」
ユーリ「かといって、寸胴に入れて各学校に持ちこむってのは違うよね? テーブルにお弁当が積まれているんじゃなくて、寸胴が置かれてて、セルフサービスで子供たちがそれぞれ自分の容器によそっていくってやってたら、それ、屋外でやったら砂ぼこりとか入るかもしれないし、みんなで同じお玉とか使ってたら、感染リスクありそうだし……?」
天平「よそう前にキッチリ石けんつけて手洗いするとか……あ。ハンカチとか、キレイじゃなかったらマズいのか……?」
ユーリ「感染リスクを減らすために休校になったのに、複数の子が同じものを触ったりしてたら、よくないんじゃないかな……?」
天平「じゃあ、給食センターに、給食をお弁当にするための人手を増やすっつーのは? お弁当、詰める係。そういう人手を増やすのも、感染リスクを上げることになる? けど、給食センターって、そもそも衛生管理しっかりしてるから、感染リスクって――?」
ユーリ「あ。――逆に、働く場所になるかも?」
天平「働く場所?」
ユーリ「新型ウィルスの影響で経営危機に陥っている会社とかが、倒産するのを回避するために、苦渋の決断で、働いている人をリストラしたり、ってこともあってるみたいだから。そういう、感染した疑いがないのに仕事を辞めさせられて、だけど、新しい仕事が見つかってない人とかに、お弁当にする作業をやってもらったり、とか――?」
天平「そういうのはアリなんかな? ただ、子供たちがそれぞれ自分で手洗いして寸胴からよそっていくより、大人の人が感染リスクを抑えるポイントを学ぶ研修を受けて、衛生的に、お弁当を詰める作業をしていく方が――」
ユーリ「その方が、安全度は高そうな気がするね?」
天平「本当は、オレたちが小一のころから、っつか、幼稚園とか保育園のころから、防疫訓練を受けて、ちゃんと自分で感染リスクを抑える行動をとれるようになっておくのが理想なんだけど。それができてれば、お弁当に詰めなくて配らなくても、寸胴からよそっていくやり方でいいかもよ? 寸胴だって、換気をよくした教室の中に置いておいて、先生は教室の出入り口の外のあたりに待機してもらって、一人ずつ教室に入って自分の分をよそって詰めていくっていうのでよかったかも?」
ユーリ「そうだね、それでよかったかも……? ちゃんと感染リスクを抑えるルートを考えて、出口と入り口を分けて、人と接触したり、人との距離が近くなりすぎたりしないようにして……」
天平「換気をよくするのに、扇風機って使えないんかな?」
ユーリ「どうなんだろうね? どこに扇風機を置いて、どういう方向に向けて動かすか、そういうところが考えどころかも?」
天平「扇風機をむやみやたらに回して、ヘンにウィルスをまき散らすようなことになってもマズいか……? こういうのは物理学とかいうので勉強するんかな? う~、わからん。勉強しなきゃいけないことが多いなぁ」
ユーリ「休校になって時間を自由に使える分、勉強できるんじゃない?」
天平「今回の休校の間はな~、とにかく、新型ウィルスの問題がどう変遷していくかを追っかけていくので手いっぱいだって。どんなことが起きていて、それに対して、何ができたか、何ができるか考えていけるように……毎日、テレビにかぶりつきだよ」
ユーリ「そうだね、毎日、状況が変わってて、新しい情報がじゃんじゃん入って来るから。とりあえず、年表っていうか、何日に何が起きて何日には何が起きている、ていうのを、年表みたいな表にしていこうと思ってるけど」
天平「そだな、日本だけじゃなくて、他の国も含めて表……日表? みたいなの作っていくと頭の中を整理しやすいかもな?」
ユーリ「とりあえず、給食は、何か方法を考えないと。じゃないと、これまで給食を作るために食材を提供してくれてたとことか、給食センタ―そのものとか、そこで働いていた人とかが、給食が中止になって仕事にならないからって、給食の仕事をやめてしまったりすると、今度は、いざ給食を再開しようとしたときに、再開できなくなってしまうかもしれないし」
天平「そうなんだよな。パン屋さんで、一般の人にもパンを売る店舗を持っているとこだと、給食用のパンをそこで安く売って、一般の人に喜ばれてる、ってとこもあるみたいだけど。牛乳なんかは――牛乳なんて、それこそ、学校で配れるんじゃないか?」
ユーリ「学校で配るって――給食をお弁当にできるなら、牛乳も一緒に配ればいいと思うけど、えっと、給食をお弁当にできなくても、牛乳だけでも、子供たちがそれぞれ学校に取りに行けばいいってこと?」
天平「そうだよ、牛乳のパックなんて、家に持ち帰ってから流水で丸洗いすれば、感染のリスクってほとんどなくせるんじゃないか?」
ユーリ「丸洗いか。――牛乳は、パックだから、丸洗いできるね? え? 全然いいんじゃ? 学校に取りに行って、家に持ち帰って、うがいと手洗いするときに、牛乳のパックも洗って、それからゆっくり飲めばいいわけで……」
天平「なあ? っつか、それなら、学校に取りに来れない子がいたら、オレが保冷バッグに入れて自転車に積んで、一軒一軒、配って回ってもいいけど」
ユーリ「近所の子の分をもらってってあげる、ってこともできそうだね?」
天平「あ、それでいっか」
ユーリ「――牛乳って、給食用の牛乳すべてを廃棄するってなってしまったら、すごい量になるよね? 廃棄の仕方も問題だし。飲む以外の活用方法もあるかもしれないけど……廃棄の仕方とか、活用の仕方とか、難しいこと考えなくても、飲めばすむ話だよね……?」
天平「そうなんだよ、飲めばすむんだよ、っつか、くれ! 牛乳だけでもくれ!」
ユーリ「……動物園の動物って、牛乳って飲まないのかな?」
天平「牛乳? んー、どうだろ? とりあえず、ネコは、下手に牛乳飲ませると、お腹こわすから、ネコ用ミルク飲ませるぞ?」
ユーリ「え? そうなの?」
天平「お腹こわす子とこわさない子がいるみたいだ。なんか、成分的に?」
ユーリ「そうなんだ……意外」
天平「ただ、卵かなんか、何か牛乳に足せば大丈夫、みたいな裏技もあるみたいだけど」
ユーリ「ふーん? 牛乳って、考えてみれば、牛の子供用のミルクなんだよね? ネコの子供用じゃなくて。あ、ヤギのミルクの方が牛乳よりアレルギーになる人少ないって聞いたことある気もする……。ミルクの成分って、どれも同じような気がしてたけど、いろいろなんだね」
天平「そうだよな? だから、牛乳を動物園の動物にあげられるか、っていうと――どうだろ?」
ユーリ「どうだろうね……? まあ、でも、牛乳は僕たちが飲めばいいわけで」
天平「オレらが飲めばいいわけで。それ以外で、動物のエサを、無料とか、格安料金とかで、ちょっとでも確保できるようになると、動物園の支援になるかもな? というわけで」
ユーリ「そうだね。そうやってやっていければ……えっと、中国の動物園なんかはどうしてる――あ。中国の動物園って、新型ウィルスでしんどい思いをしてある人の心を癒そうってことで、園内の動物の動画を無料配信してる、ってテレビのニュースか何かで見たことあった気がする」
天平「動物園の動物動画……癒されるよなぁ、きっと。日本の動物園でも、動物たちの日々の様子を動画にアップしてるとこあるよな? ――けど、無料配信だと動物のエサ代にならないだろ?」
ユーリ「動物動画、有料でもよさそうだけどね?」
天平「日本の場合、休校になって家に閉じこもってないといけなくなった子供のために、っていうサービス心もあってさ、無料で見られるようにしてあったりするんだろうけどな?」
ユーリ「そういうの、ありがたいよね。でも、そうなると、動物園も、経営が厳しいところは宝くじ式支援かな……?」
天平「観光関係もだろ? 観光ツアーとか、体験モノとかも、お客さんが減ってるだろうから――いっそ休業して前売りチケット売る?」
ユーリ「前売りチケット? 売る?」
天平「観光客に何かを体験してもらう系の仕事は、観光客が少なくて商売にならない場合はいっそお休みにして、そういう仕事している人は、前売りチケットを売ったお金で当面、生活する?」
ユーリ「前売りチケットって、新型ウィルスの感染勢力が落ち着いてから、観光に来て体験してもらうときのチケットを売るってこと? 給料の前借り、みたいな?」
天平「っつか、それだと、後々、今度は収入が無くなることになるよな? 給料の前借りってことは、後の分の給料をどうするかが今度は問題になるわけだから、そこんとこをカバーするにはただのチケットじゃなくてさ? 付加価値をつけて高く売る」
ユーリ「あ。また天平の商売っ気の虫が。――それで、付加価値って?」
天平「観光業でお客さんが減っている地域があったら、そこの出身の人とか、その土地にゆかりのある人とかで、芸能人とかスポーツ選手とか実業家、料理人、お坊さんとか。どんなジャンルでもいいけど何かしらの有名人と一緒に、感染症の問題が落ち着いた時期に、何かを体験できる――っていう企画をやって、その前売りチケットを売る。それだと、有名人と一緒に何かを体験できるっていう付加価値がつくから、チケット代が多少高めでも、前売りチケット、売れそうじゃないか? んで、高めに売れば、前借の分だけでなく、後の分の給料も前売りチケットの売上金で確保できるだろ?」
ユーリ「有名人と一緒に何かする企画って、ファンミーティングとかディナーショーとかのノリかな? それは、人気のある有名人のなら、前売りチケット買いたい人、いると思うけど。――そもそも、協力してくれる有名人がいるかな?」
天平「いる! と思う。『いる』と仮定して、客寄せになってもらう有名人には、タダ働き――うぉっと、タダ働きじゃなくて……チャリティー! チャリティーで協力してもらうと、儲けを、新型ウィルスで仕事ができてない観光関係の人たちに丸っと渡せる」
ユーリ「それが成立すれば、今、観光客が来なくて不安を感じてある観光関係の人たちの不安を、少しは軽くしてあげられるかもしれないけど――どれくらいの人数でいつどんなことをやるか、どんな企画にするか決めないと、前売りチケットを販売できないだろう? 今から企画を考えて、前売りチケットを買ってくれる人を探す?」
天平「観光業への支援は早くやらないと、関係者は苦しいだろうから、企画の内容はとりあえず『シークレットツアー』とか『ミステリーツアー』とかで濁しとくっつーのじゃ……ダメやっか?」
ユーリ「それはちょっと、というか、結構、いい加減すぎない?」
天平「けどさ? 今って、自粛ムードで、実際に、不要不急の外出は控えた方がいい状態だろ? でも、ずーっと家にいるのってやっぱしんどいと思うんだ」
ユーリ「そうだね、自粛している人の多くは、健康に問題があるわけじゃなくて。むしろ元気だったりするわけだから、よけいに、家に閉じこもってるの、キツいかもね?」
天平「だから、『ここをしんぼうしたら、こういう楽しみがあるぞー!』っていう『先の喜び』みたいなのがあると、しんどい今を乗り切れる! ってなる人、いるんじゃないかなー? というのもあってさ? ご褒美的な?」
ユーリ「つまり、前売りチケットが、それを買う人にとっての『今をしんぼうするための活力源』になるかもしれないと考えてる、ってこと?」
天平「――ってこと。そういう意味でも、前売りチケットがあったら、買う方の人にとっても楽しみになっていいかなー? って」
ユーリ「うまくいけばそういうのもありなのかな……って。それ、うまく行く? 前売りでチケットを売るだけ売って、そのあと、実際にその有名人と一緒に何かするっていう企画をやるときに、それが実現しなかったら――詐欺だよ?」
天平「ああ……。そういうトラブル、起こりそうだな……」
ユーリ「それから、観光業って、神社だったら参道のお店とか、そういう、観光スポットの周辺への影響も心配だよね?」
天平「周辺っつーと……『参道セット』とかいって、神社の参道のいくつかのお店からおいしいものピックアップして、詰め合わせてセットにしてネット通販する? 『参道セット』より、行った気になれる『行った気セット』って名前の方がいっかな?」
ユーリ「詰め合わせセットはおもしろそうだね? ふるさと納税の返礼品にも野菜とかお肉とかいろいろ詰め合わせたセットがあって、そのセットが家に届くときって、家族で何が入ってるか確認したりして、楽しいって言うもんね?」
天平「けど、お届けサービス系は、配達する人を確保しないといけないから、そこが難しいかもな? 自粛ムードが続いてネット通販頼む人がどんどん増えていったら、配達する人が少ないと、配達するのが滞ってトラブル起きるよな……?」
ユーリ「配達って……自衛隊の人とか、やってくれないかな?」
天平「感染が今よりもっと拡大していったら、そういう事態になることもあり得るかもしれないけど……そうじゃない場合、配達に人員割いちゃって、もしも災害が起きて自衛隊がすぐに動けない、ってなったら大変じゃないか?」
ユーリ「そうだねぇ、それも危険かも。――っていうか、そもそも、人の動きが制限されても、物流がさかんだったら、感染って、拡大するリスク増えたりするかな? そんなことないのかな? って――こういう不安を吐露することで、それがデマになって広がったりするのかもね……」
天平「怖い。怖い、怖いよ。マジで。――誰かがネットにそういうの書きこんだら、ちょっとした疑問なのに、まるで真実みたいに思いこむ人、いそう。そんで、その人が、物流ヤバいよ、とか真実みたいに書きこんでデマが広まって。そのうち、輸送されてるものなんでもかんでもバイキンがついてるんじゃないかって疑心暗鬼になって頭おかしくなる人、出て来かねなくない?」
ユーリ「ああ、出て来そう。――うかつに疑問を口にできないね……」
天平「ちょっと待って――」
ユーリ「ん? あ、調べてる?」
天平「うん。――えっとな? 厚労省のQ&Aによると、一般的にはコロナウィルスは手紙や荷物なんかに付着した場合、長時間、生き残ることはできないって世界保健機関が言ってるってことらしいよ?」
ユーリ「そうなんだ? ――けどそれ、長時間っていうのがどれくらいの時間なのかがあいまいだね? ほら、新型ウィルスは意外としぶといって話あるし。しぶといけど長時間ではないってことだとすると、一瞬で消えてしまうほどじゃないけど、そこそこで消えてしまうってこと? どういうこと……?」
天平「具体的な生存期間は新型ウィルスの研究が進まないと、厚労省にしろどこにしろ、わからないところだろ? だからこそ、ハッキリこれくらいの時間、って明言しないっつーか、できないんじゃないか?」
ユーリ「ハッキリこれくらい、はわからなくても、最低でもこれくらいの時間は生存し続ける、っていうのが、早くわかるといいね。『長時間』ってどれくらいの時間なのか、個人個人の感覚で違ってくるから、四、五時間くらいって思う人もいれば、数百時間、って思う人もいるだろう?」
天平「これくらいっていうの、言ってる人はいそうだけどな?」
ユーリ「いたかな……? いたかも……? けど、人によって言うことが違ってたりしない……?」
天平「こればっかりは、専門家がハッキリこれっていう時間を見つけるまで待つしかないんで。短めに予想して、後で、実はもっと長かった! ってなるより、長めに考えて備えておいて、実はこんなに長く生存できないヤツだったよ! ってなる方がいいからさ? 長めに考えておこうぜ」
ユーリ「大は小をかねる――っていうとちょっと違うか。最悪のパターンを想定しておけば、最悪な場合にも、軽くすむ場合にも、どっちにも対応できるわけだよね」
天平「それは他のことでも同じで。厚労省のQ&Aでは、食品そのものから新型ウィルスが人に感染した事例は、今んとこ報告はない、ってことらしいから。物流に関してはあんまり神経質になり過ぎることはないと思うけど――やっぱ、百パーセント安全、とは思わずに、もしも何かそれまでとは違う新しい事実が見つかったら、即座に対応できるように、心構えしておかなきゃいけないよな」
ユーリ「けど、だとしたら――どうすればいいんだろう? 食品からの感染はないとか手紙からはないとかいうのと、ウィルスは長時間生き残ることはできない、っていうのとを合わせて考えると、長時間は生き残れないけど短時間は生き残っている可能性がある、ってなるよね? ということは、不特定多数の人の手に触れてるかもしれない『物』は、どこか人がいない場所に置いておいてしばらく経って、ウィルスの感染力がゼロになったはず、ってなってから回収する、とかした方がいいってこと? ――とか、こういう細かいことを専門家に聞きたくなるんだよね……」
天平「難しいよな。そういうの……ん? 潔癖っぽい? そういうのって潔癖っぽいよな? ってことは、潔癖症の人にどういうことに気をつけて生活してるのか聞いたら、参考になるかな?」
ユーリ「潔癖症の人って――新型ウィルスとか関係なく、ふだんから潔癖症な人のこと?」
天平「そうだよ。だって、潔癖症の人って、『菌』への警戒力が強い人ってことだろ? 新型ウィルスも『菌』に入るだろうから、潔癖症の人の潔癖術って、参考になりそうじゃないか?」
ユーリ「潔癖術……。けど、潔癖症の人が、正しくウィルス対策を勉強してあるとは限らないよね? 独自の潔癖ルールでやってる人もいるだろうから。まあ、中には独学で、予防疫学の専門家以上に除菌関係に詳しくなってる人もいるかもしれないけど……どうだろう?」
天平「けどさ、オレは雑だから、そもそも、何に気をつければいいのかわかってない気ィするわ。だって、駅の階段の手すりが汚いとか、気持ち悪いとか、思ったことねーもん。けど、潔癖症の人ってそういうのダメだったりするって言うだろ?」
ユーリ「そっか。手すりとか、あと電車のつり革とかは、不特定多数の人の手に触れてるからイヤだ、って人はいるらしいよね? けど僕も――汚いとか触れないとか、思ったことないな」
天平「やり慣れてない人には、どこが除菌ポイントか、わかんないと思うんだよな?」
ユーリ「けど、ホントに潔癖症な人だと、気をつけるポイントがいろいろ細かくありそうで、大変そうじゃない? マネできるかな?」
天平「その辺は、全部が全部まねるんじゃなくて、自分のできる範囲でやればいいんじゃないか? ソフト潔癖術、みたいな?」
ユーリ「ソフト潔癖術……。えっと、選択制にするってこと? いろんな除菌ポイントの中から、自分がやってもいい範囲で参考にする、っていうカンジかな?」
天平「自分でおかず取っていく食堂みたいなカンジ? 小鉢とかメイン料理とかいろいろ作り置きのおかずがあって、自分の食べたいものを選んでお盆に乗せていくみたいに、潔癖症の人が教えてくれる項目から、自分はどれをやろうかなー、って、やりやすそうなのとか、自分の体質や生活上、これはやっといた方がよさそうだな、っていうのを選んでやっていくカンジ」
ユーリ「なるほど。けど、食堂のおかずってところが天平の発想だよね」
天平「いや、パッと浮かんだのがソレだったんだよ。おかず選びじゃなくて……ゲームの、キャラに身につけさせる装備って言った方が、通じるかな?」
ユーリ「ん? 僕は食堂のおかずっていうのですごく納得。あれって調子に乗ってあれもこれも取っちゃうと、食べきれなくなっちゃうんだよね」
天平「ああ、あるある。食べ放題もそうだけど、調子に乗らずに、自分の許容量を考えないとな?」
ユーリ「だから、潔癖術も、なんでもかんでもやるんじゃなくて、そうだな……『外から帰って来たときはうがいと手洗いをする』――これはみんな、お盆に乗せましょう、ってことで。それ以外に、菌を排除したり菌を避けたりする工夫とかあったら、それぞれのやれる範囲で、参考にしてやっていけたらいいね」
天平「だろ?」
ユーリ「潔癖症も活かし方次第では、衛生対策の力になるかもしれない。――そんな風に考えたことなかったな。不潔な人も困るけど、キレイ好き過ぎるのも、キツそうだな、って思ってた。本人にとっても周囲の人にとっても、気を遣うことだな、って」
天平「あ、オレも。正直、オレ、潔癖症が何かの役に立つなんて、これまで思ったことなかったんだよな。――ひいばあは潔癖症にはアレはアレで意味があるって言ってたけど」
ユーリ「そうなんだ?」
天平「どういう意味があるかは、またそのうちってはぐらかされたんでわからないんだけど――」
ユーリ「けど、潔癖術が明らかになっていくと、ここも菌がいるんじゃないか、ここにも菌がいるんじゃないか、ってなってしまって。過剰にやり過ぎると、人そのものをバイキンのカタマリ、みたく思うようになってしまいかねないんじゃないかな? そこだけは注意しないと」
天平「ああ、あり得るよな。っつか、すでに起こってるよな? どこか外国で、アジア人っていうだけで新型ウィルスに感染している、ウィルスの巣窟、みたいに思って、アジア人を見かけたら急いで逃げていく人がいたとかなんとか……? ホント? って耳を疑うようなホントの話があっただろ?」
ユーリ「あ、僕もそれ、聞いたことあるよ? ホントに、ホント? って耳を疑ったけど、ホントなんだよね? あり得ないって思うけど」
天平「そうやってバイキン扱いするの、差別的な行為や差別的な発言だ、とか言ってなかった? けど別に、差別でやってたわけじゃないだろ?」
ユーリ「そうだね、差別っていうより、デマのせいじゃないかな? デマっていうか、正しくない情報? 中国とか日本で、感染者が確認されていたのは確かだけど、みんながみんな感染しているわけでもないのに、中国人や日本人ひっくるめてアジア人はみんな感染者だ、ってなってしまったってことかと思うけど――?」
天平「昔はさ、全然、汚くもなんともない人をバイキン呼ばわりして追っ払っていじめるの、よくあったみたいで。バイキン扱いがいじめるときの定番? みたいなカンジだったらしいけどな? ――っつか、そういういじめって、今もやってるヤツいるのかもしれないけど」
ユーリ「今は、新型ウィルスのせいで、本当に本物のバイキンだと思って、人間をバイキン扱いする人がいるわけだろう? 怖いよね?」
天平「っつか、バイキン扱いじゃなくて、ゾンビっぽく感じてそうじゃないか? なんか、ゾンビに近寄っただけで自分もゾンビにされそう、みたいな嫌がり方っつーか。そういう感覚でいるから、ゾンビからは逃げなきゃいけないとか、相手はゾンビだから攻撃してもいいんだ、とかになっちゃってそうな気もする」
ユーリ「えええ? だとしたら、ちょっと……目が悪すぎるんじゃない? その、本当の目っていうのじゃなくて、頭の中にある、物事を見極める目、みたいなものが」
天平「まあ、悪いよな? 実際は、バイキンはバイキン、人は人、ゾンビはゾンビなんだけどな? そんなん、ちょっと考えればわかることなんだけど――」
ユーリ「ウィルスって目に見えないから、目に見えるものをバイキンだと思った方が楽なのかもねぇ? それで、目に見える人間そのものをバイキンだのゾンビだのに思っちゃったりして……」
天平「なんつーか、新型ウィルスって、感染するってところを除けば、盲腸みたいなカンジだろ?」
ユーリ「盲腸……?」
天平「盲腸って、早期だったら薬で散らせて、手術しなくてもいいらしい――っつっても、再発のこととか考えると、手術しとく方がいいかもしれないとかもあるし、一概に言えないけど」
ユーリ「要するに、盲腸って、早い段階で手を打てば、命に関わるような危険な病気ではない、ってことだよね?」
天平「そゆコト。だからさ、ふつうは盲腸で死ぬの生きるのって大騒ぎはしないだろ? 今回の新型ウィルスも、ふつうはこれに感染したところで死ぬの生きるのって騒ぐ必要はないんだと思う」
ユーリ「まあ、今のところは、そう言われてるよね。そこもブレてない」
天平「そ。今のところは、そうらしいから。けど、中には重症化する人もいるってことで、それは盲腸も同じでさ? 盲腸ほっといて悪化すると腹膜炎とか起こして、けっこう治すの大変っぽさそうなんだけど、そこからさらに腹膜炎が悪化すると、下手したら命にかかわることになる、ってことらしいから――」
ユーリ「新型ウィルスも、重症化すると、治すのが大変だし、さらに悪化すると命にかかわることになる――」
天平「盲腸にしろ、新型ウィルスにしろ、まず重症化しないだろうってことを前提にしてってことではあるんだけど。基本的には、盲腸になったからって死ぬことが決まったって思う人はそうそういないだろ? 身体が弱い人とかだと盲腸なんかでも厳しいと受け止めるかもしれないけど。えっと、だから――」
ユーリ「僕たちとしては、新型ウィルスに感染することは、盲腸になる、くらいの感覚でいればいいんじゃないか? ってことだよね? 重症化しないって決まっているわけじゃないから、油断はできないし、重症化しやすいと考えられる人にとっては、腹膜炎かそれ以上の危険性があるものになるわけだけど」
天平「はい」
ユーリ「盲腸っていうのは、なんかわかるかも。新型ウィルスに感染することを、風邪を引くのと同じ、って考えちゃうと、軽く見過ぎてしまうけど、盲腸だと、軽くはないけど、すぐにそれで命の危険を感じるってふうには思わないし。だけど、用心はしないといけないわけで。新型ウィルスに感じるとよさそうな感覚としては、それくらいでいるのって悪くないのかも?」
天平「それをさ、それこそ、宇宙から送られてきた人類滅亡のための殺人ウイルス、みたいなものに対峙しているような感覚で新型ウィルスのことを捉えちゃうと、パニック起こしてしまうと思うんだよな?」
ユーリ「新型ウィルスに感染した人がゾンビに見えてしまう、みたいな?」
天平「――みたいな?」
ユーリ「重症化しやすい人もいるから、高齢者や持病のある人にはゾンビに見えやすいかもしれないけど。そこでパニック起こしてたら、そっちの方が危険だよね」
天平「パニクってとった行動で、逆に感染してしまう、なんてことになっても怖いしな?」
ユーリ「それに、もし感染したとしても――それこそ、『盲腸はお腹温めちゃダメなのに冷やさないで温めて重症化させることがある』、んだよね?」
天平「そうなんだよー。盲腸は炎症系だから冷やさなきゃなんだよ」
ユーリ「そういうこともあるわけだから、新型ウィルスに感染した場合も、重症化させないためにやっていいこととよくないことがあるだろうから、パニクってやっちゃいけないことやって悪化させたりしないように、冷静に対処できるようにしておかないと……」
天平「結局、人をバイキンやゾンビ扱いしたりしちゃうのも、正しく状況を把握しないで、やみくもに不安がるせいだろうからさ? やっぱり、不安を解消するためには、頼りどころがほしいよな?」
ユーリ「今はとりあえず、テレビ局の対策会議を作ってもらって、随時、みんなで一緒に問題を考えていければ――」
天平「それさ、一般の視聴者がテレビ局に質問を寄せるだけじゃなくて、現場のお医者さんとかが、うちの病院に来てるのはこういう症状の人ですとか、うちの病院ではこういう対応をしていますとか、こういう症状の人が来院することがあるけど、こういう状態の人は自宅待機してほしいとか、現場の情報を出してくれたら――それをまとめて番組で放送したら、地元の人が、自分たちが行動するときの参考にできるかもしれないし。地元の病院が連携を取るのに役立てられるかもしれなくない?」
ユーリ「あ。それいいかも? それぞれの地域で、ローカルのテレビ局で情報をまとめることで、自分たちの地元の生活に寄り添った情報を得られるかもしれないよね? 国全体とか、東京のこととか、よその県の話だと、参考にしにくいっていうか」
天平「地元ではどういう取り組みをしていて、どういうことを利用できるのか、みんなどんな感じで過ごしてるのかとかがわかってくると、それこそ、頭ん中で無駄が省けるっつーか。いろんな情報があると、自分が何をしていいかわかんなくなるけど、情報を絞って、これをやればいい、っていうのが見えてくると、やることがスッキリしそうだよな?」
ユーリ「できれば、地球防災防疫軍の司令官に、一軒一軒、どうしたらいいか指示してほしいとこだけどね。そういうわけにいかないから、地域ごとに自分たちの身近な情報とかを確認しながら、感染したりさせたりしないように気をつけていけるようになれば、乗り切っていけそうかも?」
天平「子供とかお年寄りとか持病のある人とか、免疫力弱そうっつーか、重症化しやすそうな人は、感染の疑いがあっても、保護しながら治療とかしていけないとマズいと思うんで、感染の疑いのある子供はこの病院で対応しましょうとか、どこかの公民館とかを開放して、そこで、少数人数ずつ、感染の疑いのある人をお医者さんが診断していく、とかしていけば、感染者と感染していない人が混ざりにくいような受診体制を作っていけないか……? そういうの、地元で、地元の状況に応じて、地元の人たちで取り組んでいければ……」
ユーリ「新型ウィルスに感染していると思われる人でも、症状が軽い人は自宅待機しておいた方がいいんだよね? その場合、地域のどこかに、自宅待機しているって連絡を入れるようにしておくと、感染の可能性のある人がどこにいるか把握しておけていいんじゃないかな? 保健所とか市立病院とか、どこか一か所を連絡所に指定しておくか、連絡所をどこか別に用意して、連絡を受け付ける係は、バイトの人雇ったり、ボランティアの人に手伝ってもらったりして」
天平「地域ごとに自宅待機リストを作って、それに登録するってカンジ? そうしておくと、会社に仕事休みます、も言いやすいかもな? サボりじゃないです、ちゃんと自宅待機リストにも登録しましたよ、みたいな?」
ユーリ「連絡を入れるっていっても、連絡所で連絡を受け取る人が、電話が殺到して対応に追われるようだと大変だろうから、留守電に吹きこめるようにしておいたら? それで、その日の終わりに、連絡所の人が留守電をチェックして、新しく自宅待機した人をリストに追加するようにするとかしたらどうかな?」
天平「だったら、今日は熱が何度ですとか、熱はないけどお腹の調子が悪いですとか、自分の症状を毎日、簡単に報告入れていくとか――っていったら、ネットに書きこむとかがいいか。あ、自宅待機リストに登録するとスマホとかパソコンとかに番号が送られてくるとか? 連絡所のホームページとかにアクセスして、自分が振り当てられた番号を入力して、自分のその日の症状とかを簡単に書き込めるようにする? そういうのができたら、自分でも自分の状態を把握しやすいし、病気のデータの整理とかがしやすいかも?」
ユーリ「それに、症状が重くても、まだ大丈夫だろうって遠慮して病院に行かない人とかいても、その書き込みで経過観察できてると、この人、自宅待機じゃなくて、病院で治療した方がいいかも? って人がいたら、往診して症状を確認したり、あるいは、病院に呼んで診察したりできるかもね?」
天平「自己申告だけじゃなくて、お医者さんたちが手分けして自宅待機者の状態をチェックしてくれると安心かもな? そんで重症の人から優先的に治療して、自宅で自己回復力で回復していける人は自宅で養生してもらう、っていうのでやっていくと、重症の人の治療を手厚くできるし。地域ごとに情報をまとめられたら、感染の拡大の仕方を追跡したりするのにも役立つだろうし」
ユーリ「申告するのって、病状とかだけじゃなくて、例えば、額に貼る冷シップみたいな医薬品とか、薬とか、食料とか。買い置きがなくなったけど買い物にいけない人とか、お金を銀行とかにおろしに行けなかったり、収入がなくてお金がなかったりしてる人とか、支援が必要な人は、そういうことも申告できるといいんじゃないかな? そうしたら、満足にごはんが食べられなくて十分な栄養が摂れずに病状が悪化する、とかならずにすむかもしれないし」
天平「自宅待機してる人って、基本的に自己回復だから、食べるものとか、支援が必要な人のとこは支援ができるようにしていけたらいいよな? 自己回復するためには、できるだけしっかり栄養を摂らないと、治るものも治らないだろうから」
ユーリ「待機中の人の持病に関する薬なんかは、足りない分は、郵便受けにお届けサービスとかあるといいよね? 近所の人とか町内会とかボランティアの人とかで、自宅待機中の人の家のドアのとことかに、ドアノブとかに極力触らないように、薬を入れた袋を置いておくとかしてあげると、助けになるんじゃないかな?」
天平「支援が必要な人のご近所さんに、自分の買い物のついでにこういうの買って、この人の家の玄関前に置いて、チャイム押して帰ってくれませんか? とか、支援体制作れるかも?」
ユーリ「すぐにそういう体制を整えるのは難しいだろうけど――そういう体制を作るのって、別に国がやらなくても、地方自治体がやらなくても、民間で地元の人たちが作っていけるよね」
天平「『民間政府』にできる仕事だよな。政府じゃなくて、民間の人たちがやろうと思って協力すればできると思う」
ユーリ「『民間政府』体制も、まだできてないけどね。……もし民間政府の体制ができてたら、武漢から帰国する人の支援とか、もっと早くにできてたと思うけど」
天平「とりあえず、自宅待機者リスト作るのに、企業が協力してくれるといいよな? 会社が、自宅待機する社員や、その社員さんの家族とか、感染の疑いのある人に、リストに登録するように言ってくれると、普及しそうだけど……どうかなぁ?」
ユーリ「国が法律を作らないうちは、リストに登録するのを義務にすることはできないだろうけど、どのみち、病院の利用の仕方とかは地元の人たちで確認し合って、病院で診察を受けたり、自宅待機したりしなきゃいけないわけだから、地域 地域で協力体制が作れればいいよね」
天平「そのためには『裏主義』だよな。地域でまとまろうとすると、狭い地域だからこそ、『ここんちの人、感染してるらしいぞ、近寄るな!』って、感染している人や、感染の疑いのある人をつまはじきにするようなことが起こりかねないから。感染の疑いのない人たちが、感染している人や感染の疑いのある人を、同じ地域の人として受け入れていくことが必要だよな」
ユーリ「自宅待機している人たちが、ゆっくり自宅で休めるようにしてあげるには、周囲の協力が必要だよね。それこそ、遠くの親戚より、近くの他人の方が、自宅待機している人の様子をみたりするのって、やってあげやすいしね」
天平「協力体制が整っていたら、もしも感染してしまっても、不安になることが少なくてすむよな?」
ユーリ「あとは情報があれば。やっぱり、自宅待機する人にとっても、感染していない人にとっても、テレビとかで情報が知れるのって大事だよね」
天平「それまで知られていなかった事実が判明したり、状況が変化してたりしてるもんな?」
ユーリ「一日、テレビ見なかったら、世の中がすごく動いていた、ってなっちゃうようなことが頻発してるよね」
天平「逆に、情報があり過ぎて、あふれ過ぎて、状況を整理すんのが追っつかねー、とも思うけど」
ユーリ「確かに。あれ? 前にこういうことなかったっけ? とか、こういうこと言ってたよね? 違った? とか、いつ聞いた話か、なんのときに聞いた話か、あれこれごっちゃになっちゃって」
天平「こんがらがるよな? 頭ん中」
ユーリ「――ちょっと思いついたんだけど、今回の新型ウィルスってすぐに終息するってことはなさそうだから、新型ウィルスの感染が終息するまで、期間限定で特別番組とか作ってくれないかな?」
天平「特番?」
ユーリ「毎日この時間にこの日一日でわかったこととかをまとめて、情報を紹介するっていうのやってくれるといいな、って。ニュースとか情報番組とか報道番組とか――ちょっと区別があいまいだけど――いろんな番組があって、それぞれでいろんなこと言われてるの、それはそれで大事だけど、ちょっとイヤにならない?」
天平「連日、いろんな情報が飛び交ってて、段々、感覚がマヒして来てる気ィするよな。テレビで新型ウィルスに関する情報が流れても、あ、またか、ってなっちゃってるっつーか? こうやって慣れちゃうの、よくないよな」
ユーリ「緊張感が無くなるよね? そのせいで気が緩んで、予防するのがおろそかになっちゃうのはよくないと思うし」
天平「情報に振り回されたり、アレもコレも気をつけなきゃ! って神経質になるのもどうかと思うしな?」
ユーリ「テレビの番組で、出演者の人たちがしっかり話し合ったり、専門家に質問して答えてもらったりして、見てる人にわかりやすく伝えてくれたり、一緒になって考えたりする番組も必要だと思うけど、それだけじゃなくて――なんて言えばいいか……?」
天平「情報の少ない情報番組、みたいなのもほしいよな? シンプルなスッキリしたヤツ」
ユーリ「そう!」
天平「外科医の人が手術の勉強するとき、身体の中の様子、臓器とか血管とかそういうの、写真じゃなくてイラストを使うことがあるって言ってたけど。それも、写真だと情報が多すぎて逆にわかりづらいって説明されてて。わかる、って思った。なんか、そういうカンジ?」
ユーリ「外科手術……? って……うん。まあ、そうだね。とにかく、情報が多すぎると、『結局これ、どうなってんの?』ってなってしまって、見極めるのを放棄しちゃいそうになるかもしれないって思うから、適度な情報をササっと毎日やってくれる短い番組とか、あるといいな」
天平「毎日か。みんなが見やすい時間帯がいいよな?」
ユーリ「どうせなら、毎朝のはとりんのスマパラの前か後に、チャチャっとやってくれると、その日一日をどういうことに気をつけて過ごせばいいか、わかってよくないかな?」
天平「そだな。朝の番組の占いコーナー見る感覚で、チャチャっと」
ユーリ「チャチャっと」
読んでいただいてありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。
次回は、アパレル関係への支援や、生活の補償などについて書きたいと思っていますが、2人の話が脱線していくので、予定通りに話が進むかどうか……。




