山から盆地へ!
そんなこんなで歩いていたら、いつの間にか森の木が疎らになって来ました。
あと、こっちの方が大事なんだけど、ずっと辿ってきた湖の岸辺が川に変わりました。川に変わったってなんか駄洒落みたいだけど、そこは放置。
岸に生えてる草木の中を突っ切ってたら、水が流れ出してるところ足が嵌ったから、そのままそっちの流れを辿ってきたって感じ。
因みに、靴はそのまま履いてます。
いやー、サンダルっぽいのでホント助かったよ。革靴とかブーツとかじゃなくてよかった。
濡れてぐっしょりなんて嫌だし。見た目女な男性が濡れ鼠状態とか誰得なのさ。
とはいえ、この服装についても考えなきゃなんないのも事実なんだよね。
そこそこの厚みはあるから、ワンピースっつーか貫頭衣みたいなこの服だけでも寒くはないんだけど、それはそれ。
あの場でナーシャ様が強力そうな力をあっさりくれたってことは、そこそこの危険はあるはずな訳で、魔物なり盗賊なりがここら辺に潜んでてもおかしくないし。
装備が初期装備のナイフだけとかいう状態は卒業したいかなーって。
うわ、あれこれ考えてる間に草原っぽいとこ入ってた。
なんか角ついたウサギが矢鱈とぴょんぴょんしてる。角自体は精々5センチ程度だけど、ぴょんぴょんしてるウサギがめっさぴょんぴょんしてるから当たったら痛そう。
あっ、その辺ボーッと眺めてたら穴とか何にもない地面から新しいのが飛び出してきた。出てきた跡も残ってないし、無限湧きっぽい? ぽいぽい?
まあそういう変なのは置いといて、スキル上げじゃーい!!
せいっ!
右手に持った短いナイフで攻撃するも、飛び回る角ウサギには当たる筈もなく、空を切った。
まあ、そりゃそうなるよね。僕こういう分野だと完っ全に初心者な訳だし。
という訳で。
第一作戦、 蔦括り罠!
森の方の木に這ってた蔦をナイフで千切ってアレをアレする作戦です!
材料、蔦と小枝を数本。腐れば土に還るので、自然に優しい罠です。
小枝は使う予定じゃなかったけど、使わないと設置さえ出来なかったので使いました。
蔦が全くいうこと聞いてくれなかったから仕方ない。
よーし、運用開始!
……。
アレ? アレレ?
ちょっと角ウサギの頭脳チョロすぎない?
えっと、明らかに罠見えてたよね?
警戒してたよね?
なんで輪っかの真ん中に飛び込んだんだろ。
けど、結局獲れたしまあいっか。
生け捕り角ウサギ3羽、どうしようねー。
さっき遠くに見えた街にでも持ってこっか。お腹空いてるし、ウサギ売れたら御飯食べられるかもだし。
そんなこんなで捕獲した角ウサギを街に持ち込んだ結果、商業ギルドとかいうところで2羽売れて、僕の手元にはちょっとした小金が転がり込んだ。
何でもペットとして売れるかも知れないとかで、素材としての相場の数倍らしい。まあ言ってもしっかりした宿一泊分しかないけど。
それでもって、あとの1羽は弱ってたからお肉として売られることになった。うん、解体だね。
宵越しの銭は持たないって訳じゃないけど、そのお金はビーフジャーキーっぽいのと今晩の宿代に変わりました。ビーフかわかんないけど、燻製みたいな見た目で結構美味しい。
主食にするのは頼りないけど、おやつとして確保したいくらいには美味しかったから、お金ほぼ全部使って購入した。
干し肉沢山だよ、やったーね。