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『大盗賊ダイ』  作者: 提灯屋
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世の中厳しいよな



 ある意味。

 夜警隊を巻き込んでの大芝居の反省会とか、モロモロをしている。


 舞台上には、鷲と白鳥一座で無事だった面々にアーネストやカラスコ、グランなどの夜警隊員。そして我らが大盗賊ダイとペネ姉弟。

 そして『猫の足跡団』たち。


「しかし、判事卿。いくらオモチャとは言え」

 ダイがすり替えた舞台用の小道具の剣についてだ。


「少女を」

 マーサを一瞥。つまりチラ見するアーネスト。


幼気いたいけな少女を危険に晒すのは如何かと」

 アーちゃん、勝手決闘フェーデをしていたマーサに不似合いな言葉かなって顔だ。


「まあ、イザとなれば小官やお、そうそう。グランテレーテ中尉でしたら、愚弟の強靭さはご存知でしょう」

「まぁ、それはそうですけど」

「ねぇ」

 ペネの後方で渋い顔をしているカラスコのシャツの裾を引っ張るダイ。


「カラスコさんは、あのパウロ判事さんとかペネ判事と知り合いなの?」

「ああ」

「あれ、イヤな顔してる」

 どうしてだかしゃがむカラスコ。そうか、そのためか、小声でダイと会話する。


「なあ、パウロ判事が裁判官だって知ってるだろ?」

「そうだね」

「俺、司法試験五回も落ちているんだ」

「ええっ」

「だけど、アレなあの人が判事アレって、世の中厳しいよな」

「タイヘンなんだね、カラスコ隊員さんって」

「ああ。これでも大変なんだ。それにつけても」


 ダイとカラスコが事件の背景説明会から背を向けているのと同じように。


「隊長さん、ご苦労様でした」

「いいいいいいい、いえ」

 グラン人生最良の日だろう。

 憧れ恋焦がれていたリリュに声を掛けられるどころか、握手をして、額の汗まで拭いてもらって更に更に労いの言葉をもらう。


「ねぇテオ」

「だからガキがマセた口叩くんじゃないよ」

 団員を叩く猫の足跡団首領、テオ。



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