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小人の遊び
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「あっはは」
背中を二発。アーネストも揺れたけど、カトリーヌも揺れた。主に一部が。その一部は現在はアーネストとカトリーヌ、カトリの一粒種の専有物になっている。
「いやだよ、旦那しゃん」
相変わらず訛りの抜けないグアンテレーテ夫人だ。
「ダイが本気ならミカしゃん、おもしろないで」
「いや、であるが」
熟睡しているハズの我が子が、妻の乳房を必ずと断言できるほど触れているのは不思議でならないアーネスト。我が妻子のスキンシップは、さておいて即答で自分の疑問を全否定されるのは、正直嬉しくないのだけど。
「あれで、あのきょーーだいは仲いいでね。お手伝いもしゃんとしてるで、好きにさせるだね」
「しかし」
乗馬や剣術、文字書きを教えるべきなのだろうか。でも帰宅したら寛ぎたいのも本心だ。
「尻丸出しで隠れんぼうでもあるまい」
今日の愛妻の甲高い笑い声は、ちょっと耳障りだ。
「こども子供。小人の遊びだし」