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1話 「白丘高校バスケットボール部」

ジリリリリリジリリリリリ

「煩い…」

耳元で騒いでる目覚まし時計にゆっくりと手を伸ばし、音を止める。

三神(みかみ) 奏人(かなと)は、止めたにもかかわらず布団の中に頭を突っ込み、目を閉じ、今でも眠りそうにしている。

「こらこら。かーなーとー」

何処かで聞いたことのある声が聞こえた。もう聞き飽きるぐらい聞いた声。

「起きろ。」

今度は違う声。でもこちらも耳にタコができるぐらい聞いた声だ。

「煩い。寝かせろ…」

奏人はまた深く布団をかぶる。

ここには居ないはずの二人がいる。あり得ない。もしだ、万が一あり得たとしてもどうやって家の中に入って来た。どう考えても不法侵入になるだろ。

奏人は、深くかぶった布団の中でブツブツと囁いていた。

「奏人。おきーろー!」

バサッ

布団を勢い良く誰かにはがされた。

「寒っ」

奏人は、体を丸め何処かに遠く投げられた布団に片手を伸ばす。

「こらっ」

ジン。と片手に痛みが走った。布団に手を伸ばした方が叩かれたのだ。

奏人はやっとあたりを見渡した。

「朱莉に…春貴。」

目をこすりながら、奏人は幼馴染みの榊原(さかきばら) 朱莉(あかり)西野(にしの) 春貴(はるき)を見上げた。

「奏人。さっさとベットからでろ。あっ、でなくていい。」

「どっちだよ。」

奏人が矛盾をしている春貴の発言に突っ込む。

「こら、春貴。朝練出たくないからってそんなこと言わない!」

朱莉が春貴に怒る。

「朝練?」

「うん。朝練。」

朱莉が、ベットにうずくまっている奏人を見て言い放った。

「…先に言えぇ!!」

奏人はさっきの目覚まし時計より大きな音を部屋中に響かせる。

「二人とも部屋から出ろ!」

「俺も?」

「春貴も!」

奏人は、朱莉と春貴を部屋から追い出し、急いで制服に着替えた。

「さっきの夢…」

奏人は階段を使って一階におり、ポツリと呟いた。

それから身支度をし、リビングへ向かう。そこには朱莉と春貴がいた。

「奏人。はい。」

朱莉から、弁当包とマーガリンでこんがりと焼かれた食パンを渡される。

「昼ごはんと朝ごはん。」

春貴が、携帯のアプリをいじりながら言った。

「ありがとう。」

奏人は、食パンを食わえ冷蔵庫の隣の壁にかけられている家の鍵を取り二人に言い放った。

「出るぞ」



外は、清々しかった。朝にしては珍しい綺麗な青色をしている。昨日降った梅雨の残りの水溜りが雲を映し出している。

「まるで、少女漫画のヒロイン見たいだね。奏人。」

朱莉が、ニヤニヤしながら言ってくる。

奏人は、食パンを食べながら朱莉と春貴と一緒に歩道の上を歩いていた。最後の一口をパクリとの飲み込み奏人が口を開く。

「俺、男だし。」

「うーん、じゃあ今日から女の子にする?」

「いいんじゃない?」

「だよね!髪とか伸ばせばモデルになれるかも!」

「オカマのな。」

奏人が二人にツッコミをいれる。春貴は、それおもろい。とか言いながら腹を抑えゲラゲラと笑っている。

「奏人って何で、そんな背高くてそんなに細いのさ。腹立つ。」

「しらねぇーよ。」

朱莉は、たまにこんなことを言う。けど、朱莉も背は女子では高い方だし、足も長くスタイルがいい方だと奏人は思っている。

「朝練遅れるけど、いいの?奏人」

春貴が、面倒くさそうに言ってくる。

奏人は、自分の腕時計をチラッと見る。

「やばっ!」

奏人が声を上げる。

「春貴いくぞっ!」

「えー」

また面倒くさそうに言う春貴の腕を奏人は掴み、走り出した。

「ちょっと!待ってよー!」

後ろから朱莉の声が聞こえた。

その後に朱莉がため息をついたのは聞くまでもない。





コンビニの後ろに大きな建物が見える。奏人達が通っている学校の校舎だ。

横断歩道を急いで渡り敷地内に入る。

「春貴。逃げるなよ。」

「分かったって。」

春貴は呆れたように顔をしたにやる。

奏人はまだ、春貴の腕を握っている。他から見たら違和感のある光景かもしれない。だが、これは春貴を部活に行かせるための対策なのだ。

体育館に着く。奏人と春貴はバスケシューズに履き替え、体育館の中に入る。

「間に合った…。」

奏人が、息を整えながら言った。

幸い、まだ誰も来ていなかった。

奏人と春貴はバスケットゴールを鎖で引き下げ用意をする。本当はリモンコンがあったらしいが、何年か前の先輩が無くした。と奏人達の一つ上の先輩が言っていた。

奏人達が通っている、白丘(しろおか)高校バスケットボール部はそこまで強豪と言える部活ではなかった。少なからず去年までは。

白丘高校は、陸上部が盛んだった。毎年全国へ様々な種目で出ている。そのせいか、あまり他の部活は層が厚くはなかった。

しかし、去年。何かの縁でバスケットボール部は新星の白丘と呼ばれるようになった。なぜなら今まで見たことのない高校が全国大会でベスト8になったからだ。

きっかけは些細なことだったという。

「おー、準備出来てんな。」

誰かが、体育館に挨拶してから入って来た。晴海(はるみ) 陽介(ようすけ)先輩。通称ハル先輩。ちなみにバスケットボール部を全国に導くきっかけになった1人だ。

三年生が引退した後、部長も任せられている。

「ハル先輩。おはようございます。」

奏人と春貴は声を揃え挨拶をする。

「おはよ。」

ハル先輩は片手をあげ、挨拶をする。二カッと笑うその姿は人良さそうな雰囲気を醸し出している。

「おー、偉いな。西野ー」

ハル先輩は、180は超えている春貴の頭をいとも簡単にくしゃくしゃと撫でる。

「やめて下さい。」

春貴は嫌そうに手を払おうとするが、ハル先輩は関係なしにまだ髪の毛をかき分けていた。

ハル先輩は、よくわからない人だ。普段はゆったりとしている感じがするが、バスケの試合になると人が変わるのか、真剣な表情でキビキビとプレーを、指示を出す。意外と春貴と似ているかもしれない。

春貴はいつも面倒くさい。と言って行動にうつそうとはしない。けど、バスケの試合では一生懸命にボールを追いかけて、自分と皆と、プレーをしてくれる。

「お願いしまーす。」

体育館に男組二人が入って来た。

1人は小柄で天パが印象的な成沢(なりざわ) 俊司(たかし)先輩。通称ナリ先輩。

もう1人は眼鏡をかけていて、頭が良さそうな(実際頭はいい)水戸(みと) 裕紀(ゆうき)先輩。通称とかはなく、普通に水戸先輩と呼んでいる。

「おはようございます。」

奏人と春貴が挨拶を二人にする。

「おはよー」

「おはようございます。」

ナリ先輩、水戸先輩と挨拶される。

「来たな。」

ハル先輩がナリ先輩、水戸先輩を見やってから体育館倉庫へ向かう。

「じゃあ始めんぞ!朝練!」

「「おう!」」

ハル先輩の合図に奏人達は声をあげた。

なぜ、春貴と朱莉が奏人の家にはいれ中は後ほど((

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