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プロローグ・ゼロ

『 イ キ ワ カ レ ビ ト 。 』 



 コレハ、コノセカイニイル、ツヨクテヨワイカミサマノオハナシ。








 “イキワカレビト”




 また、この言葉に出会うなんて。


 なんということだろうか。あんな話、年老いた祖父の妄言に過ぎないと思っていたのに。どうして?なぜこのぼろぼろの本にも同じ言葉が記されている?それじゃあこの本は、祖父が書いたものなのか?

 なによりも、ここから感じ取れる祖父の気迫と諦念のようなものはいったいなんだ?


『・・・・・・。』


 僕は薄暗い書斎で、9年前の祖父が息を引き取る間際に言ったことばを思い出していた。



 この世界には、おまえと一人の人間だった“イキワカレビト”が存在しているのだよ・・・男か女かなんてわからない、もちろんどんな顔で、年齢はいくつでどこに住んでいるかなんてことは何一つわからない・・・。


 おまえは、まさにそのイキワカレビトを見つけ出す・・・それが使命なのだ。

直幸。ふたりがひとりになったときに、おまえは運命を・・・




 そこで、目を閉じたままの祖父は言葉を話さなくなってしまったのだった。

 


『・・・運命を、』


 あの言葉が、また僕の目の前に現れるなんて思ってもみなかった。幼いころの祖父との最期の記憶として頭の隅にいつもあったけれど。




 日記の最期にはこう記されていた・・・




 “わたしの人生を、親愛なる夏野と儚にささげる。”




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