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コスモス

作者: 尚文産商堂
掲載日:2012/03/31

私は、宇宙の果てと呼ばれるこの星の上で、コスモスを栽培している。

なんでこんな星の名前になったかというのは簡単だ。

あと少し離れた所には、ブラックホールの事象の地平線がある。

私が住んでいるところは、そこから数億キロメートル離れているだけの、極めて近いところだ。

コスモスは、調和を意味している。

私がここで育てているのも、宇宙全体を調和させることが目的だ。

とはいうものの、ここ何カ月も誰もここを訪れていない。

前来た人たちは、私がまえと何も変わっていないということに驚いていた。

そこで驚かれても、私はここで暮らし続けているのは決まっているし、まだ数カ月しか経っていないわけだから、そこまで劇的な変化が起こるはずもない。


私がここにいる目的は、ホーキング輻射を観測することにある。

宇宙の果ては、人工的に運ばれて、加工された小惑星だ。

何があっても防ぐことができるようになっているため、私が住んでいるのは小惑星の核の部分に当たるところで、あちこちに通路が張り巡らされている。

そのため、外に出ることだってできる。


ブラックホールを眺めていると、100パーセントの黒色と言った感じだ。

なにせ、近くに転がっていた砂をブラックホールに投げてみると、みるみる間に見えなくなってしまった。

この時の観測も、しっかりと行っている。

正のエネルギー体である砂を入れた直後、負のエネルギーが放出された。

負のエネルギーは数秒で消滅したが、おそらくは、正のエネルギーがブラックホールの蒸発を促したのだろう。


ホーキング輻射は、思ったよりも観測することが多く、それは日々計器に記録されている。

確率的には、常に観測されてもおかしくないそうだが、私がしているのは、それを電波に乗せて知らないところへ報告をするだけのことだ。

私は、これからもそれを続けるだろう。

誰か知らない相手が、コスモスを受け取ってくれるまで。

調和あるこの世界が破たんしない限り。

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