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悪役転生〜俺は魔王様の参謀です〜  作者: 渡琉兎


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55/55

第55話:ゆったりとした時間

 俺はまず、周りに誰もいないかを確認する。


「私一人よ。早く入れてくれないかしら?」

「あ、あぁ。分かった」


 俺が何を気にしているのか分かったのだろう、アリスディアがそう口にしたので、それは慌てて中へ促す。

 それにしても、俺がアリスディアの部屋を訪れることはあったが、アリスディアがこちらの部屋に来るのは初めてかも。

 ……なんだろう、ちょっと緊張するな。


「相変わらず、殺風景な部屋ね」

「わ、悪いか?」

「ううん。シャドウっぽい」


 そう口にしたアリスディアは微笑みながら、ベッドの端に腰掛ける。

 ……女性が男性の部屋にあるベッドに腰掛けるって、変な想像を掻き立ててしまうな。

 いかん、いかん! 俺は魔王様の参謀であり、部下なんだぞ!


「アリスディアから俺の部屋に来るなんて珍しいな。どうしたんだ?」


 黙っているとまた変な想像をしてしまいそうなので、俺は用件を聞いてみた。


「んー、特に何もないわよ?」

「……な、何もないのか?」

「そうよ、悪い?」

「いや、悪いわけじゃないけど……」


 休もうとしていたので、厳密に言うと悪いのだが、アリスディアと話をしているのも休憩になるし、まあいいか。


「朝から大変だったんでしょう?」

「ボルズとブラック、ルミナとのことか? まあ、大変ではあったけど、得るものも多かったよ」


 そこで俺はアスとラスとの出会いや、ルミナとの模擬戦のことを話して聞かせた。


「……ルミナと模擬戦までしたの?」

「あぁ。アスとラスの成長に繋がると思ってな」

「そういうことね。それなら許してあげるわ」

「いや、許すも何も、もうやっちゃってるしな」


 ここで許さない! って言われても、どうすることもできないんだよな。


「もう! そういう意味じゃないわよ!」

「なら、どういう意味だったんだ!」

「もういい! この話はおしまい!」


 ……えぇ~? なんだか、ものすごく理不尽じゃないか?

 しかし、そうなると次の話題は、今後のことになるか。


「そうそう。ルミナがこっちに来たことで、王国軍に動きがあると思うんだ。だから、近いうちにまた情報収集で王国に向かおうと思う」

「……また、シャドウが危ないことをしなきゃいけないの?」


 俺が王国へ向かいたいことを伝えると、アリスディアは辛そうな表情を浮かべる。


「別に危ないことをするつもりはないさ。ただ情報収集をしに行くだけだしな」

「だけど、危険がないわけじゃないんでしょう?」

「それはそうだけど、前回も問題はなかったし、大丈夫さ」


 レイディスとの情報交換も必要になる。

 これだけは絶対に譲れないので、俺は大丈夫だと強い言葉で口にした。


「……分かったわ。だけど、絶対に無事に帰ってくるのよ?」

「もちろんだよ」


 俺には、アリスディアの願いを叶えるという、勇ボコの世界に転生した目的があるからな。

 ……きっと、本物のシャドウの願いも俺と同じなはずだしね。


「どうしたの、シャドウ?」

「ん? いや、なんでもないよ」


 どうやら少しの間、考え込んでいたみたいだ。

 俺は笑顔を作りながらそう返し、アリスディアの向かいにある椅子に腰掛けた。


「アリスディアはさ、どうして俺にそんな良くしてくれるんだ?」


 そして、ずっと疑問に思っていたことを、転生したばかりの頃は聞けないと思っていたことを、思い切って聞いてみた。


「……どうしたのよ、突然?」

「いや、なんだか不思議だなと思ってさ」

「そんなの、私の勝手じゃない? だって私、魔王なのよ?」

「それはそうなんだが……いや、やっぱりいいや」


 思うところがなければ、アリスディアはきっとすぐに答えてくれただろう。

 それがこうして濁すということは、きっと彼女なりの考えがあるに決まっている。

 であるなら、俺がこれ以上追及するべきではない。


「もう! 本当になんなのよ!」

「怒るなって。ってかさ、アリスディア。お前、仕事とか大丈夫なのか?」


 アリスディアも口にしていたが、彼女は魔王だ。

 ただ威厳を保つだけが仕事ではなく、魔族領の経営なども仕事のうちに入っていたはず。


「……え? なんのこと?」

「……もしかしてお前、サボるためにこっちに来たのか?」

「ち、違うわよ! あなたが大変そうだったから、癒してあげようかな~、なんて?」

「はいはい。それじゃあ十分に癒されたから、仕事に戻ってくれて構いませんよ」

「ちょっと! なんでそんな冷たいことを言うのよ!」

「冷たいことって、やっぱりサボってたんじゃないか!」

「断じて違うわ!」


 それからギャーギャーと二人で言い合っていると、気づけば夕方近くまで時間が過ぎていた。


「そろそろ夕食ね。私の部屋で一緒に食べない?」

「あー……だったらこっちでそのまま食べた方が早くないか? 仕事はまあ、今度手伝ってやるよ」

「本当! さっすがシャドウ、分かってるわね~」

「もしかして、最初からそれが目的だったのか?」


 結局、夕食の時間も同じようにギャーギャーと騒がしくしながらも、楽しい時間を過ごした。

 夕食の後はアリスディアも部屋に戻っていき、俺は静かになった部屋を見渡す。


「……楽しい時間だったな、シャドウ」


 そして、俺はどこにあるのかも分からないシャドウの意志に向けてそう口にし、そのままベッドへと横になる。


「……俺は、やるぞ。お前の夢もまとめて叶えてやるからな」


 最後にそう決意を口にしたあと、そのまま深い眠りに落ちていった。

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