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【第1章完結】公爵様、三年限定ではなかったのですか!?~契約結婚したらなぜか溺愛されていました~  作者: 山咲莉亜
第一章 白銀の龍と漆黒の剣 ──交わる二色の光──

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67 存在しない

「それもそうですね……具体的に何人雇うことになりますか?」

「七人ほどが理想的だが前後しても構わない」

「一人は決まっているんですよ。公爵夫人なら世間体的に護衛がいるので雇いたいと言っていた人ですが、すでに了承を得ています。ただの話し相手になると思いますけどね。その方に二人くらいなら紹介していただけるかもしれません」


 その人は暗殺者のようだった、と旦那様には言ってない。本人が良いと言うなら話そうと思っているけど、許可なく話す必要もないと思いますから。


 裏社会の人間はお金と状況次第で敵味方がコロコロ変わる。建前でもフェルリアは公爵家だからお給料はかなり良いんですよね。つまり、大金を掴ませておけば信用できる味方になるということです。まあ雇い主のくせにお金を払うのはわたしじゃないんですけど、そこは旦那様が譲ってくれなかったので仕方ありません。


「君が信頼できる相手なら私は誰でも構わない」

「いつも思いますけど、旦那様って結構わたしのことを信用していますよね?」

「そうだな。それにロードは皇家を裏切らない。特に君の血筋はどんなことがあろうと皇家だけは裏切らないだろう? フェルリアが裏切られても最終的に皇室が守られるなら何でも良い」

「たしかにそうですね。皇帝陛下のお望みならフェルリアでも潰しますよ。信用していただけるのはありがたいですが、旦那様はもっとご自分の身を心配してください」


 わたしはわたしほど信用できない人もいないと思う。数秒前まで味方だった人も、親しくしていた人でも、陛下の命令一つでターゲットになるから。あまりわたしを信じすぎると身を滅ぼしますよ。


「君は私に負ける姿を想像できないのか? 私の方こそ、いつ君を裏切るか分からないぞ?」

「わたしは最初から旦那様を信用していませんので! それに旦那様がおっしゃる通り、わたしは自分が誰かに負ける姿なんて想像できません」


 どんなに醜く足掻いてでも最後は勝利してみせる。その過程で負けることはあっても、最終的に勝つのはこのわたしです。わたしが誰かに負ける時。それは国が亡びる時ですよ。可能性は低いけど、この目を奪われてしまったら負けるかもしれない。


 ロードは目が見えなくなったら能力が機能しなくなる。ロードの全ての力は目を中心に宿っているからね。でも能力を使わなくてもわたしは戦えるから勝率は十分にある。かなり不便になるとは思いますけど……


「だろうな。私は今日、新たな知識を得た」

「いきなり何ですか?」

「本当に強い人間は、気配も殺気もない。この世に存在していないのではないかと錯覚するほどに」


 存在していない? 気配も殺気もないというのは分かる。ただ消せば良いだけだから。でも存在していないというのは……?

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