48 お姉様と旦那様の関係
「……公爵様……じゃない、旦那様」
「ん?」
「さっきお姉様がこれからは良い関係が築けることを願っている、とおっしゃっていましたけど、お二人の間に何かあったのですか?」
あの言い方だと今までは良い関係ではなかったように聞こえるよね? わたしがフランクス伯爵家を出た日、お姉様と旦那様は密談をされていましたけど……
「ああ、あれは君の姉君が『リーシャを大切にしてくださいね。大事にしなかったら絶対に許しませんから』と脅してきたんだ。私は君を雑に扱うつもりはなかったが、あの時から不仲なように見えるだけでそんなことはなかったんだな、と思っていた」
「お姉様が『妹想いの姉』を演じているとは思わなかったのですか?」
「演技でする顔ではなかったからな。私は彼女に何をしたのかと思うほどに恨めしそうな目をしていた」
あー……そういう話でしたか。話というか、お姉様が一方的に脅していただけのようですね。
「てっきり旦那様の不倫相手がお姉様になるのかと」
「私は愛人を作るつもりも、君に対して不誠実なことをするつもりもないと言ってあったが?」
それはですね、たしかにそうなんですけどあなた信用ないので。そんな苦いお顔をしなくても良いじゃないですか。わたし、自分の恋愛に興味はないですけど他人の恋愛を傍で見ているのは結構好きだからね。巻き込まれるのは困るし嫌だけど。
さすがに、お姉様と恋仲になるなら離婚してからにしてほしいとは思いましたけどね? だって片方とはいえ、血の繋がった姉と一人の男性を取り合うのはちょっと嫌じゃないですか。
「でもお姉様は旦那様の次の結婚相手に良いと思いますよ。顔良し、スタイル良し、器量良しの才色兼備で社交界の華ですから。自慢の姉です」
「私と彼女は恐らく性格が似すぎているから相性が悪い。ゆえに結婚することはないが、爵位を継いだのだから彼女も早い内に結婚しなければならなくなったな」
「大丈夫です。今までの言葉は全て冗談で、お姉様には仲の良い婚約者がいらっしゃいますので。わたしとしても信頼できる大好きな義兄なので、お姉様に手を出したら許しませんよ」
「……出さないと言っているだろう」
一応の忠告ですよ。お義兄様はお姉様がわたしを虐げているように見せていた理由を知っていると思う。口数は少ないけれど、落ち着きがある素敵な人ですよ。何気にハイスペックですし。何よりお姉様を裏切ることは絶対にないだろうと言動だけで確信できる。自分で言うのも何ですが、わたしがここまで信頼している相手というのも珍しいと思うんですよね。あの方はそれだけのものを持っているのですよ。
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