44 わたしの跡取り
「もう……大丈夫です。またお姉様とお話しする機会もあるでしょうし、その時に仲直りすれば良いだけですからね。あ、それと近い内に皇帝陛下からお聞きするかと思いますが、旦那様には先に伝えておきます」
「なんだ?」
「フランクス伯爵家が代替わりしたんですよ。新当主はソフィア・フランクス、わたしのお姉様です。お父様達には隠居していただくことにしました」
「次代は君が継ぐものだと思っていたが違ったのか」
一応跡取りはお姉様だと公表されていたはずなんだけど……? 旦那様だけ知らなかったということはないでしょうし。
「勘違いされないように言っておきますけど、先代当主はわたしですからね。わたしがお姉様に次代を担うよう命じたんです」
正確にはお願い……というか騙した感じですけどね! まあどちらも変わらないでしょう?
先代がわたしというのはどういう意味か分かったらしい旦那様は楽しそうなお顔になった。こういう話好きそうですよね、旦那様って。ただの偏見ではないですよ?
「ロードの力は偉大だな。だが君はどうするんだ? ロードでありながら爵位を持たないなんてことはないだろう。君の血筋にも跡取りが必要だと思うが」
「それが、何も考えていないんですよね」
「……リーシャらしくはあるか。だが君の血筋ではリーシャが最後だろう?」
「そうですよ。心配なさらずとも、血を途絶えさせることだけはしませんから。その辺りは旦那様と離婚した後に考えます」
そうなんだよねぇ……血を途絶えさせることは絶対にできないし、かと言って旦那様と離婚しないという選択肢はないんですよ。離婚した後で良い人を見つけるにしても、その時にはもう行き遅れですし。
まあこれも離婚するまでの三年間で考えれば良いよね。何があろうとわたしの子じゃないといけないんだから悩むけど。養子を取るにしても、わたしの血が入っていて能力が使えなければ駄目ですし……
「あの人にお願いすれば何とかなるかも……?」
「……あの人?」
「いえ、何でもないです。独り言ですので」
そう言うと怪訝そうにしながらもあまり追求しないでくれた。どうしても解決策がないなら陛下に相談してみようかな。何とかなるかもしれないですし。
何とかなる可能性は低いですし、なるとしても旦那様と結婚している内は無理ですから、これは頭の隅に置いておくくらいにしましょうか。
ご覧頂きありがとうございます。よろしければブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価して頂けると嬉しいです。




