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【第1章完結】公爵様、三年限定ではなかったのですか!?~契約結婚したらなぜか溺愛されていました~  作者: 山咲莉亜
第一章 白銀の龍と漆黒の剣 ──交わる二色の光──

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37 不作の噂

「旦那様はわたしに何が言いたいのですか? はっきり言ってくださらないと分かりませんよ」

「それもそうだな。今年は不作になるという噂があるが、そうなる前に対処法などがあれば広めておきたいと思ってな。国民の危機は国家の危機だ。領地について詳しいか聞いたのは、他領が何か対策を取っていてそれを知っているなら教えてもらおうと思ったのと、君自身が何か思い付く対策はないか聞きたかった」


 不作、ですか。たしかにそんな噂はありますけど……


「あくまでも噂ですけど、対策を取っておくに越したことはありませんからね。不作の原因にもよりますけど、今年は干ばつが原因でしたっけ?」

「ああ。水不足になるほどではないが、場所によっては少し干上がりそうな状態らしい。単純な解決策で言うなら水路を作れば良いが、そう簡単にできるものでもないからな」

「そうですね……特にフランクス領辺りが気になりますけど、他の領地は気にするほどではなかったはずです。フランクス領周辺の地図はありますか?」

「今はないな。屋敷に戻ればある」

「それなら続きは屋敷に帰ってから話しません?」

「そうしよう」


 一括りにフランクス領周辺と言っても、どの辺りまでかによっては解決策があるかもしれない。フランクスは自然豊かな領地。だから山も多い。フランクスだけならすぐに水路を作れるくらいには設備も整っています。今まで作らなかったのはそこまでの余裕がなかったからだけど、これからは必要になるかもしれないね。


 ◇


「やっぱり、フランクスとその周辺の領地は山で繋がっていますね。これなら簡単に水路が作れると思います。土も駄目になっていそうですよね」

「そうだな。フェルリア公爵領は自然が少ないわけではないが、基本的に安定しているからあまりこういう話には詳しくないんだ」

「旦那様にも知らないことがあるんですね?」

「基本的なことは知っている。ただ、君ほどは詳しくないというだけだ」


 まあそうでしょうね。公爵領と伯爵領が同じ状態のはずがありませんし。まあわたしに知識がある理由は特殊なんですけどね。普通は貴族女性が、それも爵位を持っていない小娘が領地運営なんてするはずがありませんけど、どこかの誰かが押し付けてきましたので。学ぶことは好きだし、そういう意味ではお父様に感謝しても良い………かもしれない。


 あんなクズ親に感謝なんてしたくないですけど。まあ持っていて困る知識はないし、あの人のことは忘れたら良いか。


「でも今のところは様子見するしかないですね。フランクス領の状況が分かれば他の領地のことも分かると思いますし、お姉様とお茶をするときに聞いてみます」

「そうか。助かる」

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