34 憎っくき旦那様の弱み
「ヴィオレッタ、入るぞ」
レタお姉様のお部屋でお茶をしていると、扉をノックする音が響き、レタお姉様が返事をすると皇太子殿下と皇太子妃殿下が入ってきた。
「皇太子殿下並びに皇太子妃殿下にご挨拶申し上げます」
「リーシャ。久しぶりだな」
「いつも言っているけれど、わたくし達にそうして頭を下げる必要はないわよ。私的な場だし」
「それなら遠慮なく。どうしたの?」
皇太子ジークハルト殿下はジーク様、皇太子妃メアリ殿下はメアリ様と呼ぶように言われている。メアリ様は皇太子妃になる前から友人だったからまだ良いんだけど、この国の皇族って気さくすぎない?
ほんの少しで良いから皇族らしく偉そうにしていてほしいと常々思う。わたし達ロードの前ではあまり威厳を感じられないんですよね。
「リーシャが皇城に来ていると聞いたから遊びに来たのよ。それはそうと、リーシャあなた……」
「な、なに?」
「すごく変わったわね。健康的になれば間違いなく絶世の美少女なのだろうと思っていたし、健康的じゃなくても醸し出す雰囲気は綺麗だったけれど!」
「あ、ありがとう……?」
「ああ。私も綺麗だろうとは思っていたが、これはすごいな」
「ですよね! あなた、本当にお母君似だわ。さすが傾国の美女と言われていた方のご息女ね」
お母様に似ていると言われるとやっぱり嬉しい。誰だって大好きな母に似ていると言われたら嬉しいと思う。でもお母様が美しかったのは知っているけど、わたしはそこまでじゃないと思う。そりゃあ健康的になって、以前と比べたら全然今の方が綺麗だとは思いますよ?
でもお母様ほどではないと思うんです。お母様は本当に、神の愛し子と言えるレベルでしたので。
「ありがとうございます。ところで皆様、一つお聞きしたいのですけど、わたしの旦那様の弱みを知りません?」
「…………」
「ちょっと色々あったので、弱みを握っておきたいと思いまして」
お三方は困った顔をしている。あの旦那様の弱みって言われても思いつかないのが普通でしょうが……朝が弱いということ以外に何かないんですか? もう少し隙があっても良いんじゃないですかね!
「弱みというより秘密だが……」
「秘密とも言えないかもしれないですけど」
「知ってる人は知っていますものね」
「何の話です? 何かあるなら教えていただきたいです」
もしかして弱み、あったりします? それだったらすごく嬉しいんですけど!
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