表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第1章完結】公爵様、三年限定ではなかったのですか!?~契約結婚したらなぜか溺愛されていました~  作者: 山咲莉亜
第一章 白銀の龍と漆黒の剣 ──交わる二色の光──

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/168

26 することもないので

 ◇


「良い? 何かあったらその場から動かず、わたしが来るのを待ってね」

「はい。ですが絶対にリーシャ様について行きます」

「やる気があるわね。本気でいくよ?」

「望むところです」

「うん。今日はリジーがメインでわたしは補佐だから。リジーが動けなくなったら置いていくけれど」

「はい」


 婚姻の儀の翌日、わたしは日が昇る前からリジーと一緒にフランクス領に来ていた。フランクス領のとある森には特別な仕掛けがある。森の奥の奥には山荘があるが、その山荘には巧妙に隠された地下があった。一度地下に入れば最後、全ての仕掛けを突破するまで帰ることができない特別な訓練場。入り口は山荘、出口はフランクス領の端。


 これは皇族の影であるフランクスのロードがあらゆる場面で任務を達成することができるように作られたもので、フランクス領内の地下がほぼ全て繋がっているため莫大な広さがある。


 地下だというのに、森や小さな街、川、本物に限りなく近い厳重な警備の城などがあり、フランクスのためにどれだけの金銭が動いているかがこれを見るだけで簡単に理解できる。それだけの価値がフランクスのロードにはあるのだ。当然だが毎回仕掛けも変わる。とは言っても、非常に危険であるため、自分の実力に合ったレベルに仕掛けを設定することができるようになっていた。


 わたしは侍女でありながら、わたしの影としての仕事もしているリジーと共に良くここを訪れる。わたしは最高ランクの仕掛けを十歳でクリアし、リジーも同じレベルでわたしを追うことくらいは何とかできるようになった。レベルによっては仕掛けを破壊する以前に、ただその場に立っているだけでも命懸けだ。何もしていなくても、わたしを追うことができるリジーは十分過ぎるほどの実力者と言える。


「リジー、左後ろから銃弾」

「はい」

「どこから攻撃があっても常に前を見る。死角からの攻撃は感覚で何とかしなさい」

「はい!」


 実戦では何を捨ててでも任務を優先しなければならない。背後からの攻撃にも注意を傾けなければならないが、怪我をしても死にかけても任務達成が最優先だ。どんなに怪我をしても敵は待ってくれない。だからやるべきことの優先順位を間違えるなとお母様には教えられた。ただ、それはどの場面においても同じというわけではない。臨機応変な対応が求められるので基本的には、ということになる。


「リジー、タイムリミットは一時間よ。一時間が経過したら屋敷に帰らないといけないわ。旦那様に無断で来たのだからね」

「分かりまし────リーシャ様、爆弾です!」

「落ち着いて。時限式でまだ一分あるわ。リジー、解除できるでしょう?」


 ここには狙撃も爆弾も当たり前にある。加えて他国から取り寄せられた魔道具の敵もいる。実際に動き、本物の鍛え抜かれた人間のように動く人形だ。この訓練場の仕掛けは絶対に同じものにならない。毎回僅かにでも変化する。常に全方位注意しながらのゴールは精神的にも消耗が激しい。何が起きてもおかしくないこの場から脱出するには、どれだけ冷静でいられるかが鍵となっていた。

ご覧頂きありがとうございます。よろしければブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価して頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ