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13 自分の傍に置く人間には

 ◇


「おはようございます、リーシャ様。朝ですよ」

「……ロゼ?」

「はい。リジーさん達はユリウス公爵家に行っておられるので今日は私がお世話させていただきます」


 ……そういえば、ルヴィやレイと一緒にユリウスで訓練するって言ってたっけ。完全に忘れていた。リジー以外に起こされる朝は新鮮だね。


「リーシャ様のご予定は預かっております。本日は皇城に行かれるとのことですので、登城の準備を致しましょう」

「よろしく頼むわ。ドレスは龍の紋様が入ったものがあるはずだからそれを」

「かしこまりました」


 その『龍の紋様』はわたしの血筋の家紋……つまり、今日着て行くドレスは継承式の時に仕立てていただいたものということになりますね。一部の人を除き、あれがロードの正装だと知る人物はいないので堂々と着られるんです。貴族女性、特に上位貴族の場合一度来たドレスは二度と着ないという人も少なくないので使い回しだと思われることはあるかもしれませんが。

 今日は大切な行事や会議があるというわけではない。ただ、一応ロード関係の話らしいので正装しているまでです。


「申し訳ありません。今日はリジーさんではなく私がお世話係なのでやり辛いでしょう。リジーさんは使用人としてのスキルが完璧ですから……」

「そんなことないわよ? ロゼだって皇族の専属に就けるくらいの実力者だと聞いたし、実際丁寧な仕事をしてくれているじゃないの」


 そんなに自信を無くさないでほしい。ロゼだって十分すぎるほどに使用人としてのスキルが高いんだから。物として扱っているようだからあまり言いたくないけれど、ロゼのことはわたしも気に入ってる。そうじゃなきゃ、侍女長であろうと誰かを寝室に入れたりしない。


「わたしの寝室に入れる人間は、旦那様とわたしの側近を除けばロゼくらいですよ」


 百人以上いる使用人の中でね。誰だって信用していない、または特別気に入っている人間でもない限り自分の寝室に入らせようとは考えないのではありません? 何度も言っているじゃないですか。わたしは自分の傍に置く人間に妥協はしないと。つまりそういうことです。


「それは……光栄に思います。ありがとうございます」

「ええ。では朝食に行きましょうか」

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