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119 仕返し

 少々余計なことを言っていたレイの背中に思いっきり体重をかけ、柔軟の手伝いをしながら問うと、フォルトの武器はまだ決まっていないらしい。

 フォルトはまだ体が成長途中でしょうし、今後扱いやすい武器が変わるかもしれないので今は様々な武器を触らせておいた方が良いかもしれませんね。


「ナイフなら軽いので力がなくても扱いが簡単ですし、しばらくはナイフで戦えるようにしましょうか」

「うん。今はナイフがメインで、他の武器も使い方は覚えておくことにするね」

「それがいいわ。レイはどうなの?」

「どっ……とりあえず死ぬから離して! 痛い! 痛すぎて死ぬ!」

「これくらいで死なないわよ。それだけ体が凝り固まっているのだから、レイは本当に柔軟を頑張った方がいいよ」

「分かったから! 毎回柔軟の時だけ逃げていたのは謝るから! お願いだから離れてください……っ!」


 あら、だからこんなに体が硬いんですね。フォルトはともかく、イアンよりも辛そうだったから元の体質だったりするのかと思ったけど、一人だけストレッチをサボっていたなら硬いのは当然だわ。今度から終わるまで見張っておくようルヴィに伝えておきましょ。


「あははっ!」

「……フォルト、笑いごとじゃないからね……?」

「真面目にやっていればこうはならなかっただろう。せっかく稽古をつけてもらっているのだからちゃんとやれ。……っふ」

「兄さんも笑ってるし!」


 楽しそうですね。彼ら、初めて会った日はすごく顔色が悪かったのですが、こうして笑い合えるくらいまで心身共に回復したようで安心しました。

 余計なことを言えるくらいですし、これで回復していないということはないでしょう。衣食住の保証もして、しっかりお給料も払っているのだから生活に関しての悩みはないはずです。


「それで、レイは武器決まったの?」

「うん。俺はリーシャ様と同じ短剣だよ。すごく手に馴染むんだ」

「あら、それなら細かく指導をしてあげられるわね。もう少し強くなったら短剣で戦う場合の立ち回り方なんかも教えようかな」

「ああ、リーシャ様。レイは、」


 イアンが何かを言いかけた時、遠くから風切り音が聞こえた。恐らくここから数百メートルは離れている。直後、木でできた的の中心に鈍い音を立てて矢が刺さった。

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