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115 陛下との対談

「体調不良とはいえ、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

「気にすることはない。少しは体を休めることができたか?」

「はい。まだ少し気怠さが残っていますがここ最近で一番体の調子が良いように思います。代償として、かなり体が鈍ってそうですが……」


 他の人が気付けるほどではないと思います。それでも、自分でそう感じる程度には体が重いんですよ。合計で四日間体を動かしていないのですから当然ではありますが。継続というのは本当に大事だなぁと、身を持って実感しましたね。


「ですが任務に支障は出しませんのでご安心を」

「それ以上にまた倒れることの方が心配だが?」

「私も同感だな」

「今回倒れたのは無理をしたからではなく、能力関係で元々体が弱いことが原因ですから大丈夫ですよ。それより本題に入りましょう」


 もし『しばらくの間訓練禁止令』とか『能力使用禁止』とか言われたら心の中で大号泣してしまう。自分にとって不都合な状況になる前に話題を逸らすことにした。


 現在旦那様とわたし、リーシャがいるのは皇城にある陛下の執務室。お呼ばれした理由は先日陛下から届いた手紙の内容と深く関わっていて、わたしから話があって時間をいただいたというより、陛下から話しておかなければならないことがあると呼び出された、といった表現の方が正しいと思う。わたしも詳しくは知らないのだけど。


「私はリーシャの元に届いた手紙の内容を知らないのですが、本日はどのような話になるのでしょうか?」

「ユリウス公爵家の邸宅と領地についてだ。リーシャの代から『フランクスのロード』は『ユリウスのロード』へ名を変えたが、フランクスの領地や屋敷は彼女の血筋が代々受け継いできたもの……つまり、所有権は直系で当主であるリーシャにある」

「そうですね。彼女が新たに爵位を賜った時……正確には私と結婚した時から気がかりではありました。領地には歴史ある建造物や人目からは隠されたものもあるでしょうし、その一つである領主一家の屋敷はとても歴史的価値の高いものです」


 最初にフェルリア公爵家に来た時、わたしはこう言いました。『フランクスとは規模が違いますね』と。それを聞いた旦那様はフランクス伯爵邸の歴史的価値について言及してくださったんですよね。あの時そのことを口にしたのは屋敷や領地のことが気がかりだったからかもしれない。あの頃はわたしもまだ深く考えていなかった。まあ成るようになるでしょうと、一人で考えてどうにかなる問題ではないと思っていたので。


 だから今こうしてわたしにとっては面倒であるお話をされることが分かっていても大人しく聞いているんです。すぐに対応しなかったのはわたしの責ですからね。


「ああ。そのためフランクス伯爵となったソフィアと相談し、フランクスの屋敷と領地はノア侯爵家に嫁入りと同時にリーシャに返すことになった。新しく領地や屋敷を与えるよりこちらの方が都合が良く、これが最善でもある。つまり今までフランクス伯爵領だった場所がユリウス公爵領となるわけだな」

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