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112 二色に輝く

「お話し中失礼します」

「リジー?」

「リーシャ様、報告致します。ルイス……前の夜会でリーシャ様が捕らえていた者が逃亡しました。先ほど食事の提供を兼ねて様子を見に行ったのですが、その時にはもう彼の姿はありませんでした。床が温かかったのでまだ遠くには行っていないと思います。今から追えば恐らく間に合うでしょう。ご命令を」


 ルイスさん……夜会の時にわたしが捕らえていた彼のことですね。今までわたしが捕らえた人の中で逃げ出せた人はたったの一人もいなかった。薄々感じてはいましたけど、彼の背後にいる人物はかなり厄介そうですね……誰かの手助けがあって逃げ出すことに成功したのは間違いないでしょうから。


「あの男か……」

「……気配は覚えてるからちょっと待って。視てみるわ」


 瞳の色が変わる。紫と黄金の二色に輝く瞳は、全てを見透かすようにどこか遠くを見ていた。そして数秒後、リーシャの瞳には二人の男の姿が映った。その内の一人は非常に見覚えのある人物。


「いた。やっぱり仲間が一緒ね。あれは……早馬かな?」

「距離は?」

「今はそんなに遠くない。わたしなら追い付くことのできるスピードだけどリジーは無理ね。わたしが動けないこのタイミングを狙われたみたい。……良いわ、今回は見逃しましょう。捕えているだけで何の情報も得られないなら、ある程度敵を泳がせて情報を掴んだ方が良いから」

「御意」


 それはそうと……このタイミングで能力を使ったからまた頭が痛くなってきた。たった数秒の間しか能力を使ってないのに……


「そろそろ体が限界なのかな。ここ二年くらい、結構な頻度で体調を崩している気がするのだけど」

「それはですね、能力と関係なく単純に働きすぎなのだと思います。旦那様にも言われてそうですが、今日くらい何もせずお休みください」

「報告に来たのはリジーだよ?」

「それは仕方なくです」


 みんなわたしに働きすぎだと言いますね。この程度でそう思うのなら、フランクス伯爵家にいた時のわたしのスケジュールを知れば絶句しますよ。


「まあこんな感じなので、この後もリーシャ様をよろしくお願い致します。私は仕事に戻りますので面倒を見て差し上げてください」

「ああ。良く見張っておこう」

「わたしはお二人に何だと思われているのでしょうか……」

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