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103 体調不良

 ◇


「おはようございます、リーシャ様。朝ですよ。お疲れかとは思いますが起きてください」

「…………」

「リーシャ様」


 リーシャ様が新たに三人を雇い入れて約一ヶ月ほど経過しました。あれから毎日彼らに使用人としての教育をしていた私とルヴィ様ですが、使用人としてのスキルは僅か一ヶ月ですでにほとんど身に付いているように思います。リーシャ様を襲おうとしたことを聞いた時にはどんな方かと思いましたが、良くないこととはいえ家族のために行動を起こしただけあって、ちゃんとした仕事を与えられてからは真面目に働いているようです。リーシャ様への忠誠心もしっかりあるようですし、感心ですね。


 公爵家で働くにはまだまだですが、もう少し低い立場の貴族家で働くなら完璧と言えるのではないでしょうか?

 戦闘力に関しては第一段階のルヴィ様からもまだ合格が出ていないようですね。彼もリーシャ様が推薦するだけあって相当な強さなのでそう簡単にいかないのは当然ですが。


「……リーシャ様?」


 昨日は丸一日任務で屋敷を空けておられました。お疲れだろうと思い、いつもよりは遅い時間に起こしに来たのですが目を覚ます様子がありません。敵視していない相手とはいえ、近くに人の気配があっても起きないのは珍しいですね……


「まさか……リーシャ様、失礼致します。少々触れさせていただきますがお許しくださいませ」


 嫌な予感がし、目が覚める様子のないリーシャ様の額に手を当てると明らかに熱がありました。それもかなりの高熱。


「……お願いですから、慣れないでください。体調を崩していても分からないじゃないですか……!」


 これだけ高熱を出していて呼吸が乱れていないのは異常ですよ。これでは気付けるものも気付けません。症状からして間違いなく特殊能力が関係しているのでしょう。ひとまず看病のために道具を取りに行かなければ。


「リーシャ、入るぞ。……リジー? リーシャはまだ眠っているのか?」

「はい。体調を崩しておられるようです」

「それは……大丈夫なのか?」

「分かりません。少々よろしくない感じがしますので、まずは水とタオルを取りに行ってもよろしいでしょうか?」


 焦りが表に出てしまっていたようで、異変を感じたのか旦那様は話を聞くと言って座り、代わりにシエル様が取りに行ってくださいました。


「───それで、どういう状況なんだ?」

「昨日一日、リーシャ様は任務で屋敷を空けておられたでしょう? 恐らく、体調を崩しておられるのは能力を使ったからだと思います。リーシャ様は基本的に高熱があって眠っていても、私が近付けばすぐに目を覚まされます。ですが今日はその様子がありませんでした。過去にも二、三度ですが同じようなことがあったのです」

「ああ」

「まだ分かりませんが、今回も数日は目を覚まされないと思います。前に倒れた時もそうでした」


 就寝中にそのまま意識を失った感じでしょうね。そこまでお話ししたところでシエル様がタオルと水を持ってきてくださったので断りを入れ、リーシャ様の私室と繋がる寝室に向かいました。

 旦那様にもお伝えした通り数日は目覚めないと思いますし、ついでにお体を拭いてお着替えも済ませておくことにしましょう。

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