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第48話 意外な関係!

「マドカどうした? 紫吹マナとなにかあったのか?」


「……ひとつおうかがいいたします。彼女を見てどう思いましたか?」


「どうってなにが? ただスゲーインパクトしてんなとしか、なぁ」


「ほかにはなにか言っておられませんでしたか?」


 不自然にソワソワし始めた。


「敵にたぎるは乙女のサガだとかいろいろ言ってたけど……」


「そうですか。やはり彼女はまだ流血と力を求めているのですね」


「やっぱ知り合いって感じだな」


「知り合いもなにも、ユニットを組んでいた仲でしたので」


「仲たがいか」


「方向性の違いによる解散。わかりますでしょう」


「確かに正反対だアンタらは」


「彼女には気を付けて。必要ならば同じダイバーを傷つけることもいとわぬ方となりました」


「まさにそんな感じだったな。俺のことも一瞬邪魔者みたいに思ってたみたいだし」


「ああいうスタンスを長く貫け、しかも大勢のファンを維持できるというのは、ある種の才能なのかもしれません。普通は拒絶され罵倒されても仕方がないものなのに」


 殺戮さつりく不殺ころさず

 

 長らく離れ合っていた相容れない同士が、ユウジによって引かれつつある。

 なぜかそんな気がしてならない。

 

 いや、きっと刻一刻と迫っているのだろう。 

 彼女は物憂げを増しているが、紫吹マナはどう見るのか。


 あの狂喜じみた表情がより恐ろしく見えた。


「す、すみません! わたしったら暗い話をしてしまって! 人様にこうして聞かせることでもないのに。あぁなんてこと」


「いや、別にいいんだけどさ。ユニット解散の話、ファンは皆知ってるんだろ? だったら今話してもあとから知っても同じだよ。……やっぱり怖いか?」


「彼女を恐れない日はありません。いつ鉢合わせしてしまうか。出会ったとき、なにを話せばよいか。……重ね重ねお恥ずかしい。平法を説いておきながらこの体たらく」


「誰にだって苦手はあるだろ。お嬢様だからって完璧じゃない」


「そうでしょうか?」


「それにさ。もしもそのことで悩んでるってんなら、不肖ながらこの津川ユウジがお助けいたします、ってな。ハハハハ」

 

「まぁ、頼もしい騎士様だこと。ふふふふ」


 少し和やかになったところで、完全にお開きとなる。

 いつもに増してすがすがしい帰り道だった


「姫島さん、出てくれるかな?」


 あの一件からのことを謝りたい。

 メッセージを送るとすぐに反応があった。


「……もしもし姫島さん」


『こんばんはユウジ君。どうしたの話したいことって?』


「俺、謝りたいんです。あのコラボの一件で気ぃつかわせちまって。きっと関わりづらかっただろうって」


『そうだったの。でも私のことはいいの。君がこうして立ち直ってくれたことが嬉しい。一応聞いておくけど、無理はしてないのよね?』


「もちろんっす。エミの言葉をひきずるようにしてここまで来たのは後悔ありありですけど。まぁそこらへんはまた皆で集まるときに直接話したい。通話とかメッセージじゃなくて、直接」


『うん、わかった。あ、でもキララにはちゃんと連絡してからのほうがいいかも。ほら、あの子意外と繊細でしょ? ずっと気にしてるのよ?』


「キララ……そうっすね。メッセ送ってみます!」


『うん、じゃあ私移動だから切るわね。ちゃんと慰めてあげなさいよぉ~』


 通話のあと、キララにメッセージを送った。

 速攻既読がついたのは言うまでもなく、すぐに通話へと入る。

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