プロローグ
――これを読んでいる貴方に一つ、質問がある。
いや、その……笑わないで聞いてほしい。
からかっている訳ではないし、別段深い意味もない。
ただ、ちょっとした好奇心というヤツで、けれど、真剣に質問させてほしいんだ。
なぞなぞでもないし、極東にあるらしい――とんち? などでもないから、深読みしないで思ったままを答えてくれ。
何? 言葉を選んでいないで、早く用件を言え──だって?
……仕方無いだろう。誰に聞いても鼻で笑われるか、ありがたい失笑を頂戴するだけなんだからな!
こっちは至って真面目なのに……。
酷い時なんて、酔っぱらいの戯言だとか、クスリでも決めてるんじゃあないかって──言われたい放題さ、僕は。
医者を紹介された事もあるんだぜ、もちろん頭の方のな。
……思い出したら腹立ってきた。なあ、貴方はどう思――え? 何? 愚痴なら余所で言ってくれ、だって?
……。
…………。
……………………………………。
あぁ、そうかいそうかい!
分かったよ。さっさと用件を言うよ!
一度しか言わないからな! 耳の穴かっぽじってよく聞けよ!!
白雪姫という名前に、聞き覚えはあるかな?