64 席替え
最近は……忙しいですが少しずつ頑張っていきます
少し遅れて学校に着いた奏人に続いて担任が入ってきた。
「冷泉が遅刻気味なんて珍しいな。」
とふいに担任が言った。
うちの学校の決まりとしては8:40分までには教室にいないと遅刻ということになっている。とはいえ8:40分というのは結構遅い方なのでほとんどの生徒が8:20くらいには教室か廊下にいる。
そして今の時刻は……8:50である。
「先生、僕は遅刻しましたよ?」
と思わず聞き返した。
「そうなのか?私の目には8:39に見えてしまってね。教師の目が絶対なのだよ、冷泉くん?間に合ってよかったね。」
担任は言葉の後ろに(棒)とついているのではないかと思うほど明らかに知っていながらも奏人の遅刻を目をつぶってくれた。
「じゃあ、席替えするぞー」
奏人の遅刻がなかったことになったということでクラスの雰囲気が若干落ち着いたところで突然言った。
もちろんクラスはどよめき、歓声があがる。
これは、奏人と栞の中々近い席を引き離すこことなる。
結果、奏人と栞の席は清々しいほどに離れてしまった。
「まさか……な。」
奏人がポツリと呟いた。
「そうですね……」
「「対角線の一番離れた席になるなんて……」」
「僕らは中々アンラッキーだね」
と奏人は自嘲気味につぶやく。
二人の帰り道は……静かだった。
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