64/74
57 念願の
遅れるっ
そしてスマホを手に取ると、着信音が鳴った。
着信
哲也さん
「え……?」
少しばかりタイミングが良すぎないか?
「もしもし奏人くん?今、大丈夫かい?」
「ええ。大丈夫ですけど。」
哲也さんは何か隠しているようなドッキリの仕掛け人のようなウキウキした感じだった。
いつもはこんな声色じゃないのでとても不思議に思って聞いてみた。
「哲也さん、どうしたんですか?」
「露天風呂の予約はできたかい?」と、今一番深刻な問題を突きつけられた。
「それが……一杯で。」
「そうだろうと思って、予め予約しておいたよ。」
「え……?」
チャンスは突然やってくるものなのだと身をもって感じた時であった。
「まあ、そういうことだから樂しんで。」
そういうと哲也さんはすぐに電話を切ってしまった。
「栞、露天風呂の予約、取れたよ!」
電話が終わった瞬間、すぐにそう伝えた。何よりも楽しみにしていた栞の為にが一番。あくまで告白はその次である。
「ほんとですか、奏人くん!やった!」
そういいながら栞は……栞は俺に抱きついてきた。




