6/74
6 初対面
「あ、あの えっと……」
可愛らしい声だった。一度も話したことがなく、面識もないはずだが、何故か優しく包み込まれるような。そんな声だった。
「えっと……家の近くで倒れてたから運んできて。変なことは何もしてないから安心して?」
起きたら見知らぬ男の家で安心しろなんて無理があるとわかっているがこれが精一杯のかける言葉だった。
しかし、奏人も奏人で明日からは鷹司家に命を狙われるかもしれないと怯え、安心などできていなかった。
「冷泉くんだよね?助けてくれてありがとね」
「なぜ、俺の名前を?」
「なんでだろうね……く、くしゅん」
いやくしゃみかわいいな。あれ?俺、今この子を可愛いと……!?
「お、おかゆでも作るからそこで待っていてくれ。」
どうしてしまったんだ、俺。俺は逃げるようにキッチンへ向かった。
一目惚れってやつ!?!?
感想、ブクマ、☆評価、誤字・脱字報告よろしくお願いします