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5 介抱
目が覚めると見知らぬ天井だった。
丁寧に布団がかけられていて家かと思ったが、違ったようだ。
私は学校で特別な扱いを受けている。
私の家は誰もが一度は聞いたことのある財閥だ。まだ一代目だというのに、経済効果は小国を遥かに上回る。そのため、多くの人が過度に優しくしてきたり、男子に至っては神聖扱いして話しかけることすらしてくれない。
今、良い待遇なのは両親の、家のおかげなのに、家にずっと守られている自分が嫌いだった。
俺は ベッドに寝かせた少女の顔をみてため息をついた。
今俺のベッドで寝ているのは鷹司 栞。中条学院の同級生にして学年で一番目立っているといっても過言ではないだろう。
そんな少女を勝手に家に入れて、ベッドに寝かせたのだ。明日からの自分の生活がどうなってしまうのか不安になり疲れてしまった。
もう考えるのはやめようと思っていたところ、少女が目を覚ました。
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