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砂糖と恋は甘すぎる  作者: あぶさん
第2章 奏人、地獄の修行編
47/74

47 戦略

やばい……

 「お客様にそんな態度をするやつに接客はできんぞ。これ以上恥を晒す前に帰れ!」


 父親が激怒したことで、その場の雰囲気はいくらか落ち着いた。


 息子のほうは誰の言うことも聞かず、終始自分勝手極まりなかったので、父親がまともじゃなかったら。と危惧していたのだ。しかし、その心配は必要なかったようで、一件落着。とはいかない。


 今、問題のバイトの男──秀樹と呼ばれていた男はバイトは解雇だろうし、結局謝罪は行われていない。この場に残っているのは被害者である奏人と問題の店員の父親、店主含む店員だ。


 静かになったのはいいものの、これからどうしようかと皆様子を伺っている。誰も口を開く様子がないので、上にいる2人……いや3人を心配させないためにも口を開いた。


 「ここにいてももうどうしようもないので戻りましょう。私はもういいです。」


 そういうと、少し腑に落ちないといった人が多そうだったが、散らばっていった。その中で二人、近づいてくる者がいた。一人はバイトの男の父親。もう一人は周りで見ていた客の一人だ。ただ、他の客と違うのは奏人と面識があることである。


 彼は如月さんといい、つい5年前程まで大きな影響力を持っていた人物だ。しかし、結構な高齢の為、会社は自分の息子に譲り今は隠居しているそうだ。


 昔は相当な鬼だったらしいが、歳を重ねるとともに丸くなり、最後の方には優しいおじいちゃんのような存在だったよう。しかし、判断力っは鈍っていなかったこともあって長い間トップにあり続けた。


 そのため、社員からも界隈からもレジェンド扱いされていた。




 「あ、あの」


 「久しいな、奏人。」


 父親のほうが話しかけようとしていたが、それを見かねて半ば強引に如月さんが話しかけてくれた。


 バイトの男の父親は悪い人物ではないようなのだが、状況が状況であって至って冷静でないように見える。彼には悪いが、一旦落ち着いてからにしてほしいのだ。その意図に気づいた如月さんは少し早足で話し掛けに来てくれたのである。


 「お久しぶりです。如月さん。」


 そう話し掛けながら、さっき話しかけようとしていた父親の方を見ると、とても驚いた顔をしていた。それもそのはず、国民だれもがしっていると言っても過言ではないほどの有名人だ。


 おそらくさっきまでは息子の過ちを謝罪しないといけないというプレッシャーと年下に謝らないといけないというメンツの問題で焦っていたと思うが、自分より前に話し掛けた人物が大物だったのだ。彼は心の中で息子を思いっきり殴った。



 「どんな大物相手に厄介ごとを持ってきたんだ?無理だぞ……こんな相手。」


 

 そう。俺も如月さんもなんにもしない。ただ、話を盗み聞きしてもらうだけでいい。

 

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