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砂糖と恋は甘すぎる  作者: あぶさん
第2章 奏人、地獄の修行編
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44 流行りのレストラン

お詫びが遅れるというなんとも謝罪案件……ごめんなさい。

長めです

 「午後からはゆっくり場所を見ようか。とはいえお腹が空いた頃だし食べに行こうか。」


 三人は長話をしたので少し疲れていた。いつもはあまり弱いところを見せたがらない哲也ですらため息をついていた。今日は休日なので、折角の休みなのに負担をかけすぎたのだろう。


 


 後でこっそり家の内装にマッサージ用品などを増やしておくとしよう。そして、哲也さんを呼ぼう……






 「さあ、乗って。少し遠いけどなかなかいい店があるんだ。」


 そう、哲也さんは至ってフレンドリーに言うが、俺も栞も正直困惑していた。


 哲也さんは突然「今日は若いお二人さんを乗せるんだしたまには目立つ車を出す。」と言い始めたのだ。さすがは岬家の使用人。特に驚いたような表情は見えなかった。


 


 しかし、哲也さんが運転手になにか伝えると、運転手はとても驚いているようだった。


 少しして、地下の駐車場に案内された。そこは奏人も来たことがない場所で、いつもは外に出る時は予め玄関の前に運転手が待機していたのだ。


 


 駐車場に降りると、そこには10台ほどの見るからに高そうな車が止まっていた。


 殆どは黒を基調とした車で、あまり派手な車はなかったが、一台だけ、一際目立っている車があった。白のリムジンだった。


 あまりお目にかかることのないものなので、歩きながら眺めていると、哲也さんはそちらの方に向かっていった。


 「哲也さん……?そっちはリムジンですよ?」


 さっき疲れているようだったし、哲也さんは本当に大丈夫なのかと心配になった俺は声をかけた。



 「そりゃあそうだよ。なんたっていまからこれに乗るんだから。」


 「「え?」」


 



 金持ちはやはり怖いです。哲也さんに急かされて早速リムジンの中に入ると、車とは思えないほどの開放感だった。ワイングラスなども置かれており、ホコリ一つないきれいな状態だった。


 栞も入った時、同じような反応で驚いていた。まあ、こんなものを見せられたら驚くよなと想いつつ、車は発進した。



 「昼ごはん食べに行くだけですよ。ここまでやらなくてもいいですよ、流石に。」


 そう言ってため息をついた。別に疲れていたわけではなかったのだが、規格外過ぎてどっと疲れてしまった。



 「少し疲れたから寝る。」


 そういって出発早々フカフカのシートに身を任せることにした。



 

 結論から言おう。リムジン最高。


 車のなかというとなんとなく寝心地は良くない印象だった。しかし、今回は全くそうではなかった。フカフカのシートは無駄な力をかけず、力を抜いて寝ることができた。また、専属の運転手なだけあって運転の腕は超一流。不快に感じる揺れが一切なかった。


 そう考えながら深い眠りから脳を叩き起こし、目を開けると、哲也さんと栞が少し静かな声で談笑していた。


 小さな声で話しているのは寝ていた俺に対しての配慮なのだろうが、お互いギリギリ相手に聞き取りやすい音量で話していて、一瞬で会話慣れしているんだな。とわかる。



 奏人とって色々な人と話してきてはいるものの、あまり初対面のひとと話すのは得意でないし、やはり一人のほうが落ち着く。


 そんな自分にはない才能を持つ二人をしばらく眺めた後、あたかも今起きたかのように振る舞って体をおこした。


 「おはよう。今はどのあたり?」


 そういって目を擦りながら体をあげると、二人は会話をピタリと止め、こっちを振り返った。


 「言いにくいんですが今……」





  



 「本当にごめんなさい。」


 俺は二人に全力で謝っていた。二人は「いいよいいよ。」と言ってくれるが、こっそり寝ているふりをしていた身としては、とても申し訳なかった。



 まさか、こっそり起きてたときにはもう既に着いていて、俺が起きるのをずっと待ってくれてたなんて思わなかった。





 車から降り、エントランスへ向かうと、見覚えのある風景だった。そう。この前山岡といったところだ。


 哲也さんも当たり前のように顔パスで入店し、早速エレベーターに乗り込んだ。嫌な予感がしていた。哲也さんが押したのは最上階のボタン。


 「まさかまた来るとはなぁ。」


 前も来た特別席だった。今回は前回のところの隣なので性格に同じではないものの、奇跡的なことに変わりはなかった。


 

 3人共一通り注文を済ませ、少し雑談でもしていて料理を待っていようかと思っていたその時。エレベーターのドアが開いた。



 「「あ……」」










 エレベーターから出てきたのは、山岡とその秘書だった。

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