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砂糖と恋は甘すぎる  作者: あぶさん
第2章 奏人、地獄の修行編
41/74

41 お金稼ぎ

少々遅れ……

 「栞にはまだ紹介してなかったね。彼女はメアリ。同い年にしてメイド長をやっている、俺の大切な人だ。」


 そう言うとメリアは頬を赤らめて俯いた。そうしてなんとも気まずい雰囲気になってしまったところでこの家の主が現れた。


 「久しぶりだね奏人くん。随分と大きくなったね。」


 そう言いながら扉から出てきたのはこの家の主である岬 哲也だ。


 カジュアルな服装に身を包んでいるものの、とても気迫があって堂々としている。なので、スーツを着ているときの気迫というか覇気というかは計り知れない。


 「哲也さん、そんな触られると恥ずかしいです。」


 哲也は奏人の頭の上に手を置き、ワシャワシャと撫でていた。哲也は結構な大柄なので、高校生の奏人と比べると、くまと人形みたいな感じだ。人によってはいじめられていると勘違いしたり、襲われていると誤解されたことも少なくはない。


 しかし哲也は奏人にとっても父親のような存在である。




 奏人が本当の親──研究者ものとを離れた時、咄嗟の判断で脱出してきたため、何も持っていなかった。


 いくらお金が稼げるからと言っても元手がなければ始まらない。それに加えて、出生届がなされているのかすらわからないので、公的な機関も頼れなかった。そんな中、今いる街の隣の街に金持ちが住んでいると知った。


 金持ちなら少し暗いはお金を恵んでくれるかも知れない。そう思っていた。


 



 だがやはり、現実はそう甘くなかった。


 ようやく見つけた豪邸で、「必ず返せるからどうかお金を貸してほしい。」と頼み込んだが、「どこのどいつかもわからん学生に金なんかやれるかよ。」と言われ、断られた。


 まあ当然だろう。どこの馬の骨かもわからない、変な学生が「必ず返すから金を貸してくれ。」と訪ねてきたのだ。不気味でしかないだろう。しかし、奏人はそれでもやらないといけないほど追い詰められていた。


 そこにたまたま通りかかったのが哲也だった。


 その時の哲也の会社はまだ大企業といえるほどの大きさには至っていなかったので今ほどお金もなかった。ちょうど経営が行き詰まっていた哲也は本来ならお金を貸すべきではないのだが、結果的にお金を貸した。


 それが、奏人と哲也の最初の出会いだった。




 奏人は哲也の家に居候することになった。奏人は一台のパソコンとアカウントを用意してくれと頼み、3日間部屋に閉じこもった。


 流石にまずいと思った哲也が4日目の朝、部屋に入ると、ゲーミングチェアで寝ている奏人と、大量の株式レートが表示されたモニターがあった。


 そして、1578365887円。そう、表示されていた。









 奏人が起きてきたのは5日目の朝だった。


 「哲也さん、ごめんなさい。」


 俺は起きて早々、出迎えてくれた哲也さんに謝った。彼はとても心配してくれているようだった。


 「いや、それより……あれはなんだ?」


 哲也さんは、とても焦った様子で聞いてきた。今まで……といってもここ数日だけだが、ここまで焦っている哲也さんは初めて見た。なにかしてしまっただろうか。と必死に思い出そうとするが全く思い出せない。


 「あれ、というと?」


 「なんでパソコンに15億も入っているんだい!?」


 納得がいった。居候させてもらってから3日間、俺はひたすら株式の売買をしていた。


 本来株とは、上がったり下がったりする中で配当などにより長期的に見て儲けることが一般的である。しかし、居候させてもらい、更にはお金を借りている訳なのでなるべく早く返し、恩返ししたかった。


 そのため奏人は、あらゆる市場を調べ上げ、その日に株価が大きく変動するであろう株だけを買い、短期間で儲けようとした。


 普通はそんなことできない。長期的に見て「伸びそう」「伸びなさそう」と判断し、それを当てることが難しい為、稼げない人はずっと稼げないのだ。


 しかし、奏人は普通ではない。本気でやっている投資家の何倍もの情報を仕入れ、処理し、今買うべき株を考える。そうして奏人はどんどんお金を増やしていき、一回で増える額も大きくなっていた。そして3日目の夜、15億を突破した。


 その日から、哲也の会社の業績も良くなっていった。奏人に聞いても「俺は知らない。哲也さんの経営センスの賜物だ。」と言っていた。


 しかし、哲也は見ていた。奏人の買った株の中に哲也の会社があることを。

いつもみてくださりありがとうございます

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