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砂糖と恋は甘すぎる  作者: あぶさん
第2章 奏人、地獄の修行編
38/74

38 バレてから…

少しばかり遅れました

 祐作さんにはある程度のことがバレた。 


 幸いなことに正確な正体とかはバレなかったものの、いろいろ隠し事がバレてしまった。


 今回バレてしまったのは、山岡と会ったことがあること。投資家として生計を立てていること。そして、山岡と知り合いであるほど巨額の投資を行っていること。他にも小さいことはいくつかあるがこれくらいだろう。


 これだけ大きな隠し事をしていたので相当怒られるかと思っていたが祐作さんの顔を見る限りそうではないらしい。祐作は謎が解けて納得したような表情をしており、少し満足げだった。


 さっきまでは「やってやった」といった表情をしていた山岡だったが、今見てみると「ついやっちまった……」といった少し後悔しているような感じだったが、今の状況を一人楽しんでいた。


 山岡は一応大企業の一代目であり、経営のセンスや人付き合い、戦略を考える頭脳は群を抜いている。


 奏人に個人的な仕返しをした上に自分有利な契約をタカツカグループと行ったわけだから、その利益は計り知れない。


 そのため、結局のところ山岡の一人勝ちなのである。


 「せっかくだから三人で食事でもしますか。お代は全部私が持つので。」


 山岡は上機嫌な様子で祐作さんにそういった。祐作さんも……何故か上機嫌で一つ返事だった。


 



 そういう奏人は……


 「もう帰りたい……」


 ボロボロだった。


 その日の夕食は某高級ホテルの最上階でいただくことになった。普通は半年以上予約で埋まっていて、超大人気なのだがこの人達の権力はどうなっているんだか……電話一本。それも「今日行くから。」の一言すべてを済ませた。


 

 権力者コワイ




 




 

 食事は比較的和やかな雰囲気で行われた。祐作さんには「高校生でそんなにテーブルマナーがしっかりしているのはどうかしている。」となんとも褒め言葉として受け取ってもいいのかわからないようなことを言われた。


 奏人は普通の高校生よりはこういう店に来ることは多い方なのでそういうものには慣れているが、大人二人のテーブルマナーに関しては奏人でさえも見とれてしまいそうになるほど滑らかな。そして洗練された動きだった。


 山岡の行きつけの店なだけあって料理の質は文句のつけようもないものだった。みたところによると今来ている席はこの店で一番グレードの高い席らしい。


 しかし、完全な顔パスで通っていることもこの二人の影響力がいかに大きいかも物語っている。


 緊張しているわけではないが、なんとも慣れない雰囲気であまり箸が進まない。もちろん美味しのだが、今日はいろいろとありすぎてもう疲れたのだ。





 そうしてなんやかんや会って九時頃には解散となった。山岡は専属の運転手をつけているのでそちらで帰るようで、祐作もそうするようだ。奏人にも執事やメイドなどはいるものの、運転手は雇っていないため、タクシーで帰ることになった。




 タクシーでアパートに帰ってくると、何故か家の電気が付いていた。


 「消し忘れたのかな?まさか泥棒じゃないよね……?」


 絶対とは言い切れないものの、家の電気は消してから出たはずだった。2階へ上がり、恐る恐る鍵を差し込むと、鍵はかかっていた。


 しかしその時、家の中から物音がした。家にはペットはいない。となると……


 覚悟を決め、ドアノブに手をかけると


「おかえりなさい。奏人くん。」


 エプロン姿の栞が出てきた。水色の比較的明るめなエプロンで、家の中からはとてもいい香りがする。


 「栞!?なぜここに?」


 栞はいたずらっぽい蠱惑な笑みを浮かべながら言った。


 「うちに来たときにこっそり合鍵作っちゃった」


 「それにしてもなんでこんな時間に?」


 栞が合鍵を作っていたのはいいとし……良くないけど、こんな時間に来ると大変だろう。外はもうとうに暗くなっており、風も冷たい。


 「あのえっと……今日から一週間よろしくお願いします。」


 栞は勇気を振り絞ったかのようにプルプルと震えながら言った。いややっぱかわいいなおい。というのは置いておいて……


 「どういうことか教えてもらっていい?」


 栞はキョトンとしか純粋な目でこっちを見てくる。そんな目をされるとなんか申し訳なくなってしまう。


 「言葉の通りですよ?一週間お邪魔させていただきます。」









 えっと……そんなの初耳ですけど??

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