34 5人の処分
「奏人様、あんな意地悪してよかったんですか?」
座っている奏人にお茶を出しなから執事が聞く。
一見するただの執事なのだがそうではない。そのことは一旦置いておいて……
「ここまでしないとまた来るだろう?好き好んで尾行されたくはないよ。」
というのが建前であり、正体がバレたくない、栞はとの時間を邪魔されたくないというのが本音だ。
第一、諦めずにつけられて、大々的に報道されたらたまったものではない。栞が秘密裏に俺を探ろうとしたり、闇を抱えているように、俺も同じだ。
いくら優れていようが所詮は人間だ。隠し事がなくなるのはまだ先でいいと思っている。
問題は……あのメモ帳を読んだ奴らがどうするか。だよなぁ。
「これ……どうします?」
・・
私達5人はテーブルを囲んで話し合っていた。
完璧だと思っていた尾行は対象にバレ、人数や顔も見られた。そして、私達の作戦を先読みし、完璧に躱した。
既に私達の考えは固まっていた。
「祐作様、失礼いたします。」
祐作は、夕方奏人と会った後、自宅で仕事を済ませ、考え事をしていた。いつも執務室に入ってくるのはメイドや秘書あたりしかいないため、珍しい人物に少し驚いた表情をしていた。
「珍しいな。君が私に会いに来るなど。いや、君たち5人と言ったほうがいいかな?」
祐作はなにも知らないので柔和な笑みを浮かべていたが、5人の顔はそうではなかった。
「ごめんなさい。退職させていただきます。」
「っ!?それは……どうしたんだい?」
祐作はとても驚いた顔をしていた。まあそれも仕方がない。
この5人はずっと栞のそばにいた5人であり、仕事にも熱心だった。それなのにこんなにも突然辞職を申し出るのは不自然でしかない。
「私達はこの家で、いや仕事であってはならないことをしてしまいました。そんな私達にここにいる権利はありません。なのでどうか辞職を受け入れて頂きたいです。」
「……」
祐作は頭を抱え、考え込んだ。まさかここまで責任感が強いとは思っていなかったのだ。
別に大したミスでなければ何も咎めるつもりはなかった。しかし、責任感が強いとはいっても辞職を申し出てくるほどだから相当なものなのだろう。もしかするとこれまで積み上げてきたものがすべてなくなるかもしれない。
祐作は一息ついてから口を開いた。
「なにがあったのか話してくれるかな?」
5人は少し言いづらそうに話し始めた。
「それは……なんとも予想外だね。」
5人は「え?」といった表情でポカンとしていた。
自分たちの存在は表に出てはいけない存在であり、失敗は許されないため、激怒されてもおかしくあh内と思っていたのだ。
祐作ととしても下手すると会社存続に関わると思っていたので、少し気が楽になった。
「まさか君たちの尾行を返り討ちにしてしまうほどの人物だったとはね……」
祐作としては娘の彼氏が有能であるのはありがたい。しかし、優秀すぎて腹の中が読めないとなるとそれも困る。自分の地位を全力で奪いに来るかも知れないし、強引に乗っ取りに来るかもしれない。
だからこそいい。丁度いい奏人くん。私の娘を渡すにふさわしいか試させてもらおう。
「5人とも辞職は認めない。引き続き奏人くんを監視してくれ。バレていても構わない。接触はせず、あくまで監視のみだ。引き受けてくれるかね?」
「「「「「は、はいっ」」」」」
かくして奏人への試練が始まる
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