32 隠し事
ほんとに遅くなってごめんなさい
俺は……正座をして、たいそうご立腹の栞の尋問……じゃなかったお説教を受けていた。
「この……この大量のお金は何?デートだからって誰にお金を借りたの?」
なんとか作りたての口座を見せて、騙すようなことをしてしまったけどなんとか凌ぐことができた……と思っていたら意外と学生が稼げない量が入っていたのだ。
「まさかだけど……怖いお兄さんから借りたとかじゃないよね?どうしてもお金に困っているなら貸すよ?」
とまあ色々と勘違いされていしまったものの、なんとか正体は隠すことができた。
「いや、別に借りていたわけではなく、株でたまたま儲けて使い所がなかったから栞とのデートで少しずつ使おうと思ってて…」
嘘はあまり言っていない。このお金も当然株で儲けたお金だ。たまたまというのは少し嘘をついたかも知れないがあながち間違ってはいない。
「そう……それなら、いいのかな?」
「うん。大丈夫だからひとまず今日のところは安心してほしいな。」
あくまで彼女は心配な様子で、金遣いが荒いなどと言われてもおかしくないとおもっていたので一安心した。
彼女は一度深呼吸すると少し笑みを浮かべながら口を開いた。
「私のためにいろいろ考えてくれるのはいいけど無理しないでね?」
「こりゃいつかバレちゃうなぁ……」と思いながら次の場所に向かっていた。
「奏人くん……隠し事してるなぁ」
奏人には聞こえないような小さい声で栞は呟いていた。
たしかにあの額は学生の中では相当なものだ。しかしあの程度の額なら栞も見慣れているし、なによりあの自称政治家の息子が驚くはずがない。
「私は彼のすべてを受け入れるから。彼には隠し事しないでほしいんだけどなぁ。」
栞のつぶやきは奏人には届かぬまま、静かに消えていった。
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