27 昨晩は……
朝起きると、とてもいい香りが漂っていた。家には一人しかいないはずだが、秘書や執事あたりには合鍵を渡してあるため、ありえなくはない。
「いくら鍵を渡したといえど、こんな時間からなんの用事だよ……」
渋々起きざるを得なくなり、リビングに向かう。奏人が学園から帰ったら……なんてことはあったが、こんな時間からなことは初めてだった。
しかし、いざリビングに行ってみるとそこにいたのは栞だった。寝ぼけながらも昨晩の記憶をたどる。
「あれ。昨日栞と人生ゲームをして……?」
人生ゲームのあとの記憶は殆ど残ってなかった。
「あ、奏人くん起きたんですね。おはようございます。」
「ん。おはよう。」
おそらく寝起き間もないであろう栞はがキッチンに立って朝食を作っていた。少し眠そうにしていて、それでも料理は慣れているように見えた。なんかものすごくいい香りがするし。
「あのっ奏人くん。昨日の夜のこと……」
「へ?」
奏人は昨晩のことをあまり覚えていない。突然昨晩の話をされると困ってしまう。栞は深刻な話をしているようでふざけているようには思えない。「もしかして……襲ったりしてないよな?」「一緒に寝た……のか?」などと考える。そうであったならまずい。
「俺、昨日ひどいことしちゃった……かな?」
どうであれ差し障りのないのない返事をする。
もし、未婚かつお互い未成年なのに手を出してしまっていたら……と考えるとゾッとする。
「いや。そんなことはないよ。あのまま雰囲気に流されてたら、越えちゃいけない一線を越えるところだったかもしれなかったから。止めてくれてありがとね。」
ないす!昨日の自分。どうやら手を出したということはないらしい。
「ところで栞。今日はどうする?どこか出かけない?」
「そうだね。奏人くんはどこに行きたい?」
「服買いに行くのはどう?」
奏人がは他の人と出かける事がないので私服がほぼない。スーツはたくさんあるのだが。
最近は鷹司家にお邪魔することも多かったりするのでずっと同じ服を着るわけにはいかない。それに将来的にはでーt……
「じゃあ、準備ができたら教えてね。」
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