26 女心って難しい
「じゃあヤるよ?覚悟はいい?」
「う、うん」
「お!宝くじで当たったみたい。」
「いいなぁ。私はお金が足りないよ。」
風呂から上がり、二人で人生ゲームをしている。栞はあまりこういうゲームが得意ではないらしい。そのため、今は数回目だが全て奏人が勝っている。
「また負けたー。悔しい……もう一回!もう一回!」
とこんな調子なのだ。
「栞さんそろそろ他のことしてもいいんだよ?」
「む。呼び方!『さん』はつけない!」
風呂で逃げたことは栞さ……栞にこれでもかというほど言われた。「根に持ってるよな?」と聞いても「違うし!」の一点張りで話が進まなさそうだったので「なにかするから許してくれ」といってしまったのだ。
栞はその言葉を待っていたかのような反応で、こんな呼び方になった。
「そろそろ日が変わるから寝ようか。」
今日は土曜日で明日の予定はお互いないにしても夜ふかししすぎると体に良くはない。それは実際奏人が実感しているわけであるし。
「そうだね。じゃあ私は窓の方で……」
「栞の分の布団は用意しておいたから安心してね。」
「……」
特に変なことを言ってしまったわけでもないだろうし……と考える奏人はなぜ栞が何も言わないのかがわからなかった。
「?」
「奏人くんのバカぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「もう少し話してから寝ようと思っていたんだが。」なんて思っていた奏人からすると予想外だった。いくら頭が良くても女心は微塵も理解できない奏人なのだ。
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