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25 お風呂
短く、遅く……申し訳ない限りです
「まずお風呂にする?」
「うん、お願い」
「平常心、平常心、南無阿弥陀仏……」なんて考えながら、かなとの心臓はバクバクであった。
夜の間はだいたい仕事関係の用事があることが多いので、癖で奏人はハイスペモードである。当然栞への気持ちは何なのか自分でもわかってしまうため、こんなことになっている。
ピロリン と風呂から呼び出し音がなった。
「栞さんどうしたの?」
「一緒に入ろ?」
破壊力抜群の上目遣いである。
理性が吹き飛んでしまいそうなところをギリギリで耐え、スマホを確認しに行った。
だいたいこういう場合には祐作さんに手回しされているのだ。しかし、スマホには何も送られていない。
「お父さんからなにか送られてると思ったんでしょ?」
「う、うん……」
「か、奏人くんならいいかなと思ってるから。い、いいよ?」
栞さんは少し頬を赤らめながら、謎めいた笑顔で見つめてくる。
「流石にそれは……」
奏人自身、自分の顔が真っ赤になっているのを自覚しながらなんとか返し、リビングへ逃げた。
「奏人くんの意気地なし///」
・・
今は、そのつぶやきが奏人に届くことはなかった。
(注)二人はまだ付き合ってません。付き合ってなくてこれです……




