友&愛~『俺とお前』~第7話
以前にもちょっとお話したかと思いますが、この作品は、今を遡ること26年前の1998年ぐらいに私、のがみつかさが生まれて初めて小説なるものを書いてみた、言わば処女作とも言うべきものでして今ほど弾けて(「ん?」)書いてはいませんが、作中にどことなく話の落とし所【オチ】を入れるやり方は今と大して変わって無いような気がします。別段如何にも嘘っぽい表現を書くつもりはありませんが、事実に即してと申しましょうか、必要に応じて真実をほんのちょっとだけ捻じ曲げたり脚色或いは誇張表現を随所随所にに散りばめています。今回もそんな感じかな?ま、もし気が向きましたら、ご一読いただけると幸いに存じます。それでは2年ほどの空白を経て“YOU&I”再スタートです!4649ーッ!
第7話『気になる出来事』の巻
薬屋に就職して早3ヶ月が過ぎ、レジ打ちや接客応対、品出しといった仕事のやり方や一日の流れも漸く呑み込めてきて、仕事にも十分余裕が持て楽しささえ感じられるようになった今日この頃、唯一気にかかる出来事があり、何かと申しますとそれは勿論俺より1年早くここに就職していた、メッチャカワイイ美少女店員の小田愛子ちゃんのことでして…こう書くとイチ読者の心理としては如何にもこの俺が彼女にお熱を上げているかのごとく思うでしょうが、ところがどっこい!そうはイカの塩辛トンボでして一回り近くも離れた年下の女の子に恋したところで所詮、分不相応、到底相手にされないどころか、却ってバカにされるのがオチなことぐらい幾ら鈍感な俺でも分かる。そう痛いくらいに!よっぽどルックスや外観に自信があるとか、『俺はお金持ちなんだぞ―ッ!』って人前で豪語できる輩なら話は別なんだけど…如何せん何の取り柄も権力も無い一般人の出る幕など無いんだな、これが!悲しいくらい現実はもっともっと厳しいのだよ、皆さん!それよりも何より彼女には週1回でお店にやって来る、れっきとした現役大学生の彼氏が居ることも店内では周知の話で言わば二人は公認の仲ってワケ!言わずもがな、二人はアツアツの関係として皆から熱い祝福を受けてる以上この俺が入るとか割り込むとかの隙は皆無で、例えそんなことが可能だとしてもそんな勇気があるなら最初から苦労はしない。ダメダメダメ、ダメなのよ~全く!
そんなことよりこの俺が今一番気にかけていることは、ズバリ彼女が仕事中にふとした弾みで見せる暗い表情そのものである。ま、簡単に言っちゃえば、なぜ日頃からあの優しい笑顔を絶やさない彼女が、月に一度だけ、それも1日だけ不機嫌になるのかってこと。しかも不機嫌だけならまだしも俺と殆ど毎日職場で顔を合わせているにも関わらず、この日に限っては、この俺と目線すら合わさず、挨拶だって交わさない酷さで顔つきは心なしか怒っているかのように見えるのだ。もしかして、もしかするとあの娘本当は、俺の事嫌っているんじゃないのかなぁ?“イヤな中年ジジイねぇ!”…なんて思われたりしてさ!“そっちがそうならこっちだって考えがあるんだぜ!誰が無理してお前なんかに構ってやるもんか!」なんてさ!そう思いつつも翌朝、噂の彼女はケロッとして笑顔で何事もなかったかのように話しかけて来るもんだから、ついこっちも怒る気がしなくてニコニコせざるを得ない!ま、1つはどんなに若くたって相手が間違いなく先輩であるから仕方ないにしても俺ってつくづく女の子には弱いんだよなぁ!だってカワイイんだもん、女の子ってサ!仕草、表情、笑顔のどれを取っても、とてもじゃないが俺たち男には、そんな素敵な芸当などできやしないよ!マジで!
クドイ話だけど俺ってつくづく情けない男だと思う。それにサ、昔から言うじゃない!“女心と秋の空はよく分からない“ってね!正しく女心は複雑怪奇で男には理解不能な存在だと思う。特に若い女の子となれば尚更理解しようにもジェネレーションギャップが邪魔をしてギブアップ、もろお手上げ状態なのだ。『君ら若者って一体何だい?何者なの?オジサンじぇーんじぇーん分かりません!え、え~い!分かりたくねぇよ、そんなもん!』って戦う前から白旗上げるの関の山でしょうか?もうこの時点がオジサンたちの完全なる負け、情けないね、全く…!
とどのつまり愛子ちゃん、例の彼氏君と喧嘩でもしたのか、はたまた女の子特有の身体の痛みがそうさせるのかはこれまた理解不能でごさんす!だからと言って直接本人に尋ねるのも野暮ったいっていうか、本人が気を悪くして突然怒り出すかも知れないとも限らないからそこは女性の心理に詳しい化粧員販売の重鎮ともいうべき森清子人生歴四十八段(←「よく分かりませんが…?」)やパートのオバちゃんらに助けを請うことに…。
「あのぉ森さん!ちょっとお聞きしたいんですけどぉ?小田さんって単刀直入に言う所の…も、もしかして“お天気屋さん”なんすかねぇ?たまにどっかすると機嫌が悪くなったりするとか、反対に訳も分からず妙に明るく振舞ってみたりとか…?」
すると恋愛師匠森四十八段曰く、
「アラ?愛ちゃんの事?そんな事無いわよ!彼女っていつもニコニコ、裏表の無い性格だから…急に不機嫌になっちゃうなんて私、見たこと無いけどね!それがどうしたの?」と一蹴され、しどろもどろの恋愛白帯永久名人の俺が慌てて弁明に窮する様子がコレ!
「え?イヤ…その…?で…ですよね、確かに…おっしゃる通り!そんな変な女性じゃないことぐらい、鈍感な僕にも理解出来るんですけど…な、何なんでしょう?つまり…その、ええと…本人、いつもニコニコしてて疲れないのかなぁ、気を使い過ぎてね…!なんちゃって!ハハハ!」
すると達人は、してやったり(←「今で言うところのドヤ顔ってやつです!」)召し取ったり!満面の笑顔でこのわたくしめに速射砲を炸裂しちゃうのでありんす!
「あ―ッ!アンタもしかしてあの愛ちゃんに“ホ”の字なの?ヤ、ヤダぁカワイイ!ね?きっとでしょ?そうなんでしょ?やっぱり、そうだと思ってたのよ、私…前々から(≧∇≦)これだから青春時代ってたまんないわぁ!あ~私にもそういう時代があったのに残念、無念!仕事一本捧し乙女の辛く悲しい高度成長期の真っ只中…!」(←「あのぉ…まだ続きますか、その下り?」)
呆気に取られて一言も喋れない俺とは対照的に師匠の演説は更に熱を帯び、挙句の果てには持ち前の正義感が彼女を更に震い立たせ、有難くも無い余計な一言が…⁈
「大丈夫、私に任せて!私これでも口は堅い方なのよ!絶対誰にも言わないわ!(←「因みに翌日店長除いてあの変な薬種商の狸オヤジにまで噂が広がってましたワ、ウソばっか!」)愛ちゃんってサ、ホラ美人だし、スタイル抜群で私の若い頃にそっくりなのよね!(←「出た、出た!よくある例えの定番ギャク!」)その上性格も良いからきっと競争倍率高いわよ!どう?アンタ勝てそう?何なら刺客の2人、3人そっちへ寄こそうか?みんなオバちゃんだけどね!井戸端会議の大好きな曲者揃いの刺客だけどね、エへへ!ねぇ、ちょっとアンタ!人の話ちゃんと聞いてる?アンタにとって一生の死活問題なのよ!もしかして寝てない?」
「ね、寝てませんて…ほんのちょっと目を瞑ってただけですよ、ハイ!(←「ま、寝てましたけど…実際!」)それよりも何も勘違いしないで下さいよ!違いますって、誤解ですよ、誤解!僕ちょっと気になっただけで…深い理由なんてありませんから…全く!第一彼女にはれっきとした彼氏、つまりボーイフレンドが居るのご存知ないんですか?ホラ、よくこのお店に来るでしょ?大学生で長身のイケメンさんが?」
との苦しい弁明にも一切耳を傾けようとしない我らが恋愛極道の御婆は、(←「だんだん口が悪くなってすみません!本音です!」)止めとばかりに話を総括して持論を展開!もはや誰も彼女を止められないのだ。(←「大失笑」)
「アラ、そうなの?ふ~ん、そんなもんかしらねぇ?そりゃ残念ね!でもね男っていうのはそんな簡単に諦めちゃダメなのよ!彼氏が居たって将来、必ずその男性と結婚れるってわけじゃないんだから…途中で破局して運よく自分の所へFall in Love♡ってことも無きにしも非ずじゃない?私、応援してるから頑張ってね!何ならいっそのこと、彼氏から奪っちゃえ、奪っちゃえ!ニクイゾ、この変態、やさぐれ中年小僧!アハハ!」
「…ったく、ダメだ、こりゃ!何がアハハ!だよ、勘違いしやがってもう、話になんねぇよ、これじゃ!ミスしちまったな!情けない!この女性に話すんじゃなかった!仕方ないからもう一人のパートのオバちゃんにでも相談してみるかと思って、この俺が話しかけようとするや否や、向こうから荒々しい声で怒鳴り声が店内に木霊した。
「ねぇちょっとアンタ!何そこで油売ってのよ!喋ってる暇が有ったらさっさとこの荷物運んで品出ししなさいよ!ホント気が利かないっていうか、全く近頃の若い人と来たらこれだから嫌になっちゃう!こっちが何か言わないと自分から進んで動き出そうとしないだから…。もう早くしてよ、グズグズしてたらお客さんから苦情来るじゃないの!トロイんだから…もう!」
うわ~ヤベぇ、ヤベぇ!冗談でもこの鬼婆に聞こうなんて考えた俺がバカだった。やっぱ相手を選んで話しかけないと何言われるか分かったもんじゃない!
“触らぬ山姥に祟りなし”
ホント昔の人は良いこと言うなぁ!と一人感心しきりの僕なのでした!(つづく)
今日は所謂White dayでしたね!1か月前の“バレンタインデーのお返し”にってことでその昔はクッキーを女性に差し上げる習わしと言うか風潮が流行っていたような気がしますが、現在はどんな状況なのでしょうね?「クッキーだけじゃ物足りないわ!いっそのこと、○ルメスや○ッチのバッグが欲しい!」なんて要求されたもんなら安月給の自分なんか瞬時に卒倒して気絶してしまいます!半分死んでるかな?「金額じゃないんだ、心なんだよ、そうハートが大事!」なんて言ったら今の時代きっと笑われますね、多分!「それならいっそのことバター風味のクッキーで作ったバックなんか如何でしょう?」って言おうものなら一気に女性陣から総スカンくらいそう!「ハイ皆さん、くれぐれもモノなど投げないようお願い申し上げます!“ダンベル、バーベル、鉄パイプ等”といった殺傷能力の高い凶器や刃物などは絶対厳禁ですぞ!せめて小説の中だけにして下さいね!「い、痛ぇ~!や、やられたぁ~!ホントに投げて来るとは敵乍らアッパレ~召し取ったりぃ~!」ってよく分かりませんが…!
PS:大谷翔平選手、またもやって下さいましたね、昨日大活躍!オープン戦3安打1HR(2号)!バンザーイ!そしておめでとうございま~す!このニュースを知ってまた創作意欲が倍増して来ましたよ!私も負けずに曲作りに励む象~!最高!