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『友&愛~俺とお前~』  作者: のがみつかさ
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友&愛~『俺とお前』~第3話

 「俺って所詮は損な生き物なのかも…?(今で言うところの『残念な○○シリーズ』?)何事も最初が肝心で下手(したて)、下手に構えて接すれば接するほど案の定男女問わず、相手から舐められ続け最終的には、やりたくもない喧嘩へと発展してしまう!とは言え最初から自己主張できるほど威張れないし、精神的にも弱い生き物だと思ってるから、つくづく“損な役回りなのかなぁ?”と反省しきり!」なんて事思ってこの小説を書き始めたような気がします!せめて小説の中では強いヒーローでありたい!でもその一方で持って生まれたお笑いの血が騒ぐのも否めません!今回も事実を基に大幅に脚色して書いてみました!気に入って貰えたら幸いです!(お詫び)内容に関しまして企業名、団体名全て架空の話でくれぐれも職業イメージに誤解の無いよう、どうぞ宜しくお願い申上げます。

第3話『怪しいボウ(?)警備会社訪問』(前編)


 一日で工場を辞めてしまったことに対して両親は取り分け何の驚きも反応も示さなかった。それもその筈、この俺の性格そして過去2度に渡る“短期間退社事件”(?)なんて別段今更珍しくもないだろうし…“また息子の根性無しパフォーマンスが始まったか?”ぐらいの感じで呆れて物も言えない状態だったのかも…!今思うと実に申し訳ない気持ちでいっぱいである。ま、唯一救われる要素があるとするならば、生まれて此の方犯罪に関わるような悪さは一度もしたことがないことのみだ。因みに高校時分、夏の補習授業初日に担任の先生と大喧嘩して(もち口喧嘩ですけど…実話)丸1日で補習をクビになったことを含めると計4回の快挙…失礼!汚点となる。我乍ら不名誉な記録極まりない過去に笑いしか出ない。


 A型で神経質な割にこういった失態にはホント無頓着、能天気な俺は今日も爽やか元気一杯明るい気持ちで職安通いの日々が続く。“今日は東に…明日は西に!”とばかりに転んでもただでは起きない俺、30歳と5ヶ月は、それから約1か月して新聞の求人広告欄で見かけた横文字の警備会社、その名も『セーフティーガード』と書かれた会社を訪問することに!


 “警備員”と言えばその昔テレビで『ザ・ガードマン』というドラマが大ヒットしたことで一躍その名が知れ渡ることになった職業でイメージとしては施設や建物内で不審者侵入を防ぐ、門番というか、見張りみたいなものぐらいにしか浮かばなかった。そんな俺でも人一倍正義感が強いと自負する性格上これは最高に適した仕事じゃないかと思い込み激しく「しめしめ、これは良い仕事を見つけたぞ!」と思い、電話で面接を申し込み、翌日正装決め喜び勇んで現地入り。4階建てのビル2階にある、その会社は見た目も綺麗なオフィスってな感じで実に労働意欲をそそると感心も一入の俺!(ホント田舎モンの極みだ!)で、当日は時間に余裕を持って10分前には到着し、いつも以上に元気よくハイテンションで2階まで全速力で駆け上ること、5分!そして思いっきりドアをノックしようと思うが早いか、いきなりそのドアが開いて中から4、5人のメッチャ若い茶髪のお兄ちゃん、お姉ちゃんの集団と出くわす羽目に…。


 「げっ!ふ、不良っぽいヤンキーちゃん達!も、もしかして社員…?ま、まさかね…そんな?」


 俺は一気にテンションが急降下すると言うか、彼ら彼女らを見て、めぇいっぱい…て言うか、かなりビビってしまい、彼らが通り過ぎるまでなるべく、いや絶対目線を合わせないように無言で俯き、まるで何事もなかったかのように別人装って部屋へと入室することに…。すると中には受付らしい一人の若い女性が座ってて親切にも中を案内してくれて俺は社長室で1対1の面接を受けることになった。


 「う~ん!」内装も外観と同じファッショナブルというか、モダンな作りといい、さっきのプチ恐怖感はものの3秒で払拭されることにほっと安心感を覚えた俺。「相変らず俺って単純だよなぁ!」


                “コンコン!”


「ヤア、どーも!社長の沢垣(さわがき)です。今日はわざわざ遠い所をお越し頂き誠に有難う御座います。あ、そうそう!こちら秘書の鈴木です。鈴木君、突然で悪いんだけどさ、『客人』にお茶持ってきてくれる?悪いね、休憩のところ!」


『きゃ…きゃく…じん???』って…ど、どういう事?普通、“お客様に”…じゃないの?』


「どーもお茶有難う!サンキュー!あ、彼女ね!去年入社したばかりの新人さんなんだ!可愛いでしょう!でもってさ、うちの組事務所じゃ紅一点なのね!ありゃ間違えちゃったかな?女性警備員も居るわけだから紅一点とは言わないかぁ!こりゃ失敬、失敬!今の話、聞かなかったことにしてね!でへへ!あ、それとね、幾ら可愛いからって絶対、テ出しちゃだめだよ!去年それで一人消されちゃったからね!うん、そうそう!おはじきでバ~ン!てな具合ではじかれちゃったから…!今の洒落分かった?」


『ハ、ハジキって…あの弾きの事?中指で何をこんな具合に弾いて命中したらTHE ENDって言う?』


               “バタ―ン!”


「オ、オヤブ―――――ン!た、大変だぁ―!また例の○○組の奴らが…?!」


「て、てめぇ、銀次!あれほど社長室に入るときゃノックぐらいしろ!って教えたじゃねーか、バカ野郎!見ろ、堅気の客人も驚いて固まってんじゃねぇかよ?その話なら後回しにしろぃ!」


 するとまた1人ヤバそうな人相の下っ端が飛び込んで来て…。


「オ、オヤブ―ン!お願ぇします!後生だから奴らにも例のブツを分けておくんなせい!」


「だ、だから今来客中って言ってんじゃねぇか、サブ!(シャ〇じゃないですよ!)“そんなに欲しけりゃ腕づくでも取り来な!”ってんだ!こっちだって命がけでやってんだからよ!チキショウ!」


「あわわわわ…!」俺はもう少しで椅子から転げ落ちそうになるのを寸での所で留まった。


「客人!大丈夫ですかい?ホントうちの組員と来たら礼儀知らずが多くてすんまへんなぁ!…で、一体どこまで話しましたかいな?そうそう、志望動機がどうたらこうたらでしたよね?」(全然違いますけど…)


 『死亡?鈍器?もう、だ、ダメだ!何聞いてもそっち系のイメージしか沸かない!』


「あ、そうだ!履歴書預かってたんですよね!ふ~ん、ナニナ二?へぇ―!貴方、予備校の先生してたの?すっげぇ!頭イイんだ?(事務員ですけど、怖くて言えません!)あ、それに北山手高校の出身なんだって?奇遇だね!実はさ、うちのカミさんの親戚の友達の連れの娘の知り合いがさ、そこの近所に住んでんだよね!知ってた?(“知るわけねーだろ?”って誰が言えるでしょう?)あそこはいいよね!広々としてさ、見るから田んぼと畑が広がってて北海道みたいなんだよなぁ!開拓地でもあるわけだからさ…全然行ったことないけどね!うん、うん!大したもんだぁ!そこで農業一筋で働いていたなんて…!」(話全然違ってますけど…。)


 “一人で喋って一人で頷いている変な社長”、今思えばそれしか全く覚えてないんだけど、その社長が本題となると急に眼つき、顔つきが妙に険しくなって低い声でぼそぼそっと呟き始める。とうとう本性現したか、超ヤッバーい仕事内容の説明が…?


 「実はうちの会社ね、施設警備は年配者の方々にやって貰ってて若い衆には路上で交通誘導をやらせてるんですよ!えぇ、そう。なるべく体力使う仕事はちょっと年配の方々にはキツイだろうから…!スポーツは何かやってました?へぇ、サッカー部だったんだ!そりゃスタミナありそうで結構だ!何せうちは“出入り”の多い会社だからね!“いてまえ、やっちまえ、稼いじゃえ!みたいな…!えへ!」


俺「………・」


『はっきり言って何言われても何聞かされても全部そっち系統に想像が働いてしまい、話半分どっかへ飛んじゃってる感じで今思えば何一つ覚えてないと言

った方が正解かな?だってさ、体格と言い、顔つきと言い、髪型、グラサン、右腕に腕時計みたいに嵌めた数珠…!どう見たってどれ採ったって間違いないよ、絶対!こりゃきっと“はっきゅうさん”?(一休さんじゃないです!)ど、どうしよう?!』


 俺はさっきから何一つ喋れず、社長の質問には「はい」か「いいえ」の2文字のみ!それよっかさっきからずっと頭の中で『客人、若い衆、組員、出入りにブツ、ハジキ等々』の言葉が頭の中で無暗にやたらに何度も浮かんで来て、正にメリーゴーランド状態!そいで以て果てしない妄想を掻き立てては消え、掻き立てては消えるもんだから始終冷や汗たらたら。遂には受け答えする言葉すらしどろもどろになっちゃって一体自分でも何喋ってんのかすら分からず仕舞いだった。


 俺もよくテレビの見過ぎか、得てしてそういう関係者の人達の特徴として最初は妙に優しい言葉遣いでヤバくなると突然口調が荒くなるって知ってたもんだからもう疑い出したら(きり)が無く部屋内のありとあらゆる装飾品までが、そっち系統に見えてしまって…社長室の造りだって入室した時から全てのものが気になってしょうがない。『何なんだ、あの額縁は』?とか『あの机の配置、何かおかしくねぇか?』とか。もしこの部屋に“提灯”とか“日本〇”とか飾ってあったら間違いなく俺は失神若しくはショック死していただろう!そんな恐怖一杯の俺の心中を知ってか、知らずか尚もまた社長の話は以前にも増して熱を帯びて遠慮どころか相当気に入られちゃったみたいで…。


『だ、誰か助けてくれぇーーー!』                 (つづく)




 とうと1月も今日で最終回となりましたね!ほんと月日の経つのは早いもんだと思います!年取ると余計にそう感じますからお若い方々、どうぞ今を存分楽しんで下さいね!心配しなくてもじわじわと迫ってきますから…ハイ!“目尻のしわ、たるみ、腰の痛み?”…って「そっちかい?」って誰か突っ込んで下さ―い!今週もウイルスに負けず、1週間頑張っていきましょう!“雨垂れ、石を穿つ!”です!

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