友&愛~『俺とお前』~第10話
愈々3人目の刺客(?)とも言うべき店長さんの登場です!1人目小田愛子ちゃんという、めっちゃカワイイんだけど日によってお天気娘的傾向アリ、2人目有働貢先生という、この人をメインに小説書いたら多分物語1本書けるくらい面白い存在!そう言った正に個性派揃いの面々に加えて彼の特徴と言えば…至って健康、品行方正、真面目で誰にでも優しい普通のお兄さんってところでしょうか?よって、これと言ったエピソードが無いのが残念というか、申し訳ありません!でも実話に基づいてホントいろいろとお世話して頂いた方なので友情出演させて頂きました。店長、ギャラ無くてごめんなさい!では始めま~す!
第10話『店長との和やかな時間』の巻
ここの職場は、通常2人体制で店内業務が任されており、コンビニみたく24時間営業ではないのだけど、時差出勤に因る2交代制で営業がなされている。つまりその内訳はこう。前半組が早朝8時半に出勤し開館業務を行い、19時退社。そして後半組が遅れて11時出社の閉店の22時まで業務を担当することなる。だから前半組と後半組が揃う正午台から18時台までは4人体制でレジ打ち、品出し、トラック等で運ばれて来た補充品の検品、値札付け等に追われるわけだが、曜日によって忙しさの度合いが違い、特に商品補充で搬入の多い火曜日、水曜日、金曜などは検品しながら品出しを行い、同時にレジ打ちを余儀なくされる。
何はともあれ、客応対がメインの販売業では、お客様第一、お客様最優先で検品の途中だろうが、品出しの最中であろうが、お構いなしに全速力でレジまでダッシュさせられる。それは、つまり例え1分1秒たりともお客様を待たせてはいけないという接客業ならではの厳しい信念があるからで正に緊張感溢れる瞬間でもある。その上この店の敷地面積たるや、やたらと駄々広くて一番遠い所で出入り口のレジから奥の洗剤売り場まで優に20、30メートルあるから1日で少なくとも6~7往復すると考えてとてもじゃないが、へとへとに疲れてしまう。ま、ダイエットしたい店員には正に打って付け、十分な運動量になるであろうけど、当然の如く、個々の職場には1名を除いて太っているものは1人もいない。もう一度言いますよ!太っている狸のように白衣を着た置物を除いては…ハイ!なぜ、そういう言い方を申しますかというと、ここに紛れも無く全速力で走ることも無ければ、お世辞にも痩せていると言い難い、中年の某薬種商資格を持つ輩が1名存在するからござんす。その人がズバリ、誰かをここで公表しなくとも賢明な読者さん達なら既にお察し頂けたかと思う。そう、前話のスーパーヒロ―と言えばあの方、有働…?番組の途中ですが、次、進みますね!時間の節約と申しましょうか、時間が勿体ないので復習は各自ご自分でお暇なときにど―ぞ!(←「受験勉強ってか?」)
…とは言え、大売り出しセール期間中ともなれば、如何に憎めない彼とて当然、同僚や上司から叱り飛ばされる運命から逃れられず、「何やってんだよ!」「もっと緊張感持って動いて下さいよ、先生!」なんて日常茶飯事、別段珍しい光景ではなく、よくあること。ところが当の本人は至って冷静、いやこの場合それだと困るんだけど……そうだな?呑気と言うかノー天気な彼としては一向に応えないが故に、この店の管理責任者でもある杉田課長から余計に反感を買ったり、目の敵とされることもしばしば。それでも彼はマイペースを貫くかの如く我が道を行くものだからホント頭が下がる…という言い方はこの場合、途轍もなく変なんだけど、小心者の俺には到底、真似できない。全くを以て我らが手抜き先生…もとい狸先生様は、正に手強い相手と言わざるを得ない。恐れ入りました!脱帽!
ま、それはそれで良いとして今日の俺のパートナーは、この店の店長こと、水間雄介さんだ。店長と言えば、この俺が入社した時点から付きっきりで面倒見て下さったり、指導して頂いているから一番彼と絡むというか、2人体制で組むことが多い。余談だけど初対面の彼の印象と来たら最悪で「何だ、コイツ?気障っぽい挨拶しやがって!変な奴!」って思ってたんだけど、何回か一緒に仕事をするうちに彼への評価は激変して人柄の良さとか優しさが伝わって来て年齢的にも1つ年上ってこともあって、すっかり打ち解けて今では何でも話せる間柄になった。実を言うとその彼が一風変わってて気障っていうか、気取って見えたのも実は、生まれの違い、そう!育った環境に因ることに起因した、単なる俺の一方的な勘違いだったのである。
水間店長は、❝東京生まれの東京育ち❞で、とある事情からこちらに越して来た境遇の持ち主で深い理由は知らない。勿論その件について、この俺が知る必要もなければ、また訊く必要も無いと思うし、他人には他人に知られたくない事情も多々あるわけで…。
前半組の杉田課長と小田ちゃんが帰った、その日の夜、大分客足も減った店内で俺と店長は、かなり暇を持て余し、2人して世間話に花が咲くことに…。勤務中なんだけどね!たまには息抜きも大事かと…!
「そう言えば、のがみさん!入社してもう3ヶ月が経つんじゃない?…ってことは愈々今月から月1回行われる、わが社の『勉強会』参加メンバーになるわけだ。ホント早いもんだねぇ!大変だとは思うけど頑張って来てね!」
「ハァ…『勉強会』ですか?ふ~ん、ところでそれって一体何の勉強するんですか?薬の種類だとか、その効用云々ってヤツ?」
「う~ん、そうだな?それだけじゃなくてさ、客応対の仕方だとか、会員カード倍増のセールストークとかも含めてね!そう言えば、それに関するFAX来てたと思うんだけど…のがみさん、読んでないの?ダメだよ、ちゃんと読まなくっちゃ!」
「あ、すみません、店長!まぁ、でも何か面白そうですね!他店舗の新人さん達やベテランが一堂に会するわけでしょ?…ということは、つまり中にはカワイイ子ちゃんなんかも来たりして“一目会ったその日から恋の花咲くことも無きにしも非ず”、花咲ジジイ的運命の(←「意味分かりませんが…」)大恋愛もあるってことですよね?(´∀`*)ウフフ、こりゃたまりませんなぁ!」
「ハハハハハ!そんな余裕があれば大したもんだよ!何せ『勉強会』に出たい!って社員、殆ど居ないからね、どこの店舗でもさ!かく言う僕もその1人なんだけど…だってこの日に本社からコワ~イ人物が来るからね!」
「え?コワ~イ人物って、もしかして社長のこと…?」
…って俺が言うが早いか、突然ぞろぞろと大勢の客が入店して来るもんだから、2人とも大慌て、即、真顔に戻って一斉に営業スマイル。
「いらっしゃいませ—――――――ッ!」
野郎2人に因る野太い低音&高音の奏でる二重ハーモニーが広々とした店の空間に心地良く木霊していた。 (つづく)
私、のがみつかさは、事実過去にコンビニやらスーパーそしてドラッグストア勤務経験が有るのでレジ打ちし乍いろんなお客さんを見て来ました!良い人も居れば、「ホント腹立つ、なんやねん?」って思わす似非関西弁が出て来そうなお客さんもいっぱい居ました!自分自身接客が好きというより大の苦手で品出しの方が性に合ってるって思っています!で、レジ打ち慣れなくて途中よく「あれ?」とか「ん?」って声出すと客はすぐ不信感に陥って笑顔が消えます!下手すりゃ怒り出す客もいる訳で…!「もう慣れてる人と交代して!」言われるのが一番辛かったです!でもそんな経験を積むことでベテランへと成長していくわけですから失敗は正に成功への素ですね!絶対逃げちゃいけない!それと❝聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥❞と申しまして先輩方に多少嫌がられても身に付くまでは、猛アタック、アタック、アタック!ですよ!…とは言え、のがみの場合、5回聞いたら「いい加減覚えろ、そのくらい!」って怒られました!これぞ❝仏の顔も三度なり❞でしょうか?また「1回で覚えろ!」って無茶言う先輩には閉口しましたが…ハハハ!できるわけ無いッつ―の!俺は神様じゃねぇんだから…!でもその先輩、新人時代よく先輩方に聞いていました!って…どゆこと?




