表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月影のエレメンター~五神祭編Ⅱ~  作者: ハイエナ=エレメント
第一章・迷宮
3/83

論証の迷宮(2)・第三話

稲垣翔祐いながきしょうすけ

 元剣道部で、全国大会にも行ける実力を持ち、その腕は魔境に来てからさらに磨きがかかり、弾丸を刀で切れるようにまでなる。

 山滉穎やまこうえい達とよくつるみ、専攻を木村捷きむらさとし滉穎こうえいと共に電気にしたことで、金属とセットならば扱えるようになった。

 工省専属の職人が作りだした隕鉄刀(銘無し)を愛用しており、イオパニックの一件から神格化することを認められた。元武人の日本人精霊と契約し、隕鉄刀は電気属性を得た。一時的解放の能力は反応速度の上昇《電滅でんめつ》である。




松尾冬輝まつおとうき

 比較的温厚な性格の持ち主。

 専攻は水(氷)、物理を選択し、冷気を利用した攻撃を得意とする。与えられた神格武器は、六花と墨竹の双剣。前者は「冷気」を、後者は「闇」を得意とするが、現段階では後者の使用が上手にできない状況である。六花の一時的解放では、《紅蓮地獄ぐれんじごく》を顕現することができる。

 洞窟の中に入って、五百メートル進んだ所にその七人の姿はあった。

 一人は日本刀を帯刀しているが、残りの者達は短剣を腰に提げているだけであり、全員の服装はばらばらだが機動力を重視した格好に統一されている。リーダーらしき男は先頭に立ち、周囲を警戒しながら後ろの六人を率いている。時折出現するトラップをその男と仲間達は、解除または受け流しながら進んでいる。




「いやあ、やま佑聖ゆうせいのお陰ですげぇ楽に探索できるな」

 後ろの松明を持った、リーダーよりも十センチメートル低い男が独り言なのか、そう呟く。

「でも警戒はおこたるなよ。ここの罠、かなり悪趣味のものが多いからな。迷宮の名前や迷宮の中を見る限り、ここを造った神はサイコパスか悪戯好きの疑いがあるな」

 リーダー、山滉穎やまこうえいは今までのトラップの内容を思い出し、その感想を述べる。

やまも似たようなものだと思うけど」

「ご冗談を。僕ならもっと良心的な・・・・・・そうだね~、死なない程度に抑えるよ。死なない程度に、ね」

「何で繰り返すんだよ。顔怖いぞ」

 笑みを浮かべる滉穎こうえいに対し、彼等は身の危険を微かに感じた。




 迷宮の試練内容について説明をしよう。

 迷宮で試されるのは、意志の強さ、感情を抑制する力、知恵、心技体等である。一般的には心技体が多く、危険性は低いものから高いものまで存在する。論証の迷宮は、主に知恵の分野に当てはまる。

 知恵はエレメンターにとって、心像を強固にする、つまり使用できる属性を多くすることができる基礎的で最重要な分野である。それは、属性が強さに反映されやすいマナタイプや、奥義である属性解放、下位互換である一時的解放を扱う技タイプにおいて当然重要視される。

 その知恵を司る迷宮には、マナタイプや技タイプが使用する物が宝として出現することが多い。滉穎こうえい達は、その宝を使って、戦力強化を図るつもりだ。神格武器が与えられた彼等ではあるが、それはあくまでも技タイプ用。マナタイプが使うには心許ない所があるのだ。




 彼等は、緊張感が微塵も感じられない会話を続け、最奥に辿り着いた。

「何て言うか、意外とあっけなく終わったな」

 滉穎こうえいと匹敵する身長と、ルックスの良い身体を持つ小栗臥龍おぐりがりょうが口を開く。

「何言ってんだ。ここからが本番さ。さあ頭脳が試されるぞ」

声を弾ませて滉穎こうえいは答える。

「それも、やま達がやってくれるんだろ。今回は活躍する場面がなかったな」

「じゃあ、交替するか?」

「い、いや、遠慮する。先生、よろしくお願いします」

「よろしい。んじゃ、解きますか」

 そう言って、滉穎こうえいは黒く新しい石板に綴られた文字を読む。

 しかし、その石版は一目瞭然で違和感を感じられるものだった。松明が並べられ、ところどころに亀裂が入った迷宮内部とは明らかに年季が違ったからだ。


「まずい」

「どうした? 分からないのか」

「これフランス語だ。ラテン語は学んだのに、何故フランス語なんだ!!」

 叫びながら、膝を地面に付き、明らかな落胆を見せる。

「そりゃ、ここはフレア帝国なんだから、欧米の言語が使われるだろ」

「余計な改修しやがって。誰かフランス語学んだか?」

 その質問に対し、後方にいた二人が手を挙げる。

「僕と希望のぞみが」

「そうか!! 助かったぜ。危ない危ない。ありがとな」

 二人は石板の近くに行くと、そのフランス語を翻訳し始める。

・タイプ=ゴッド

 極、勇者、完、全てのタイプ、型を扱えるエレメンターの中で最強と認められた者に与えられる。1人で国を破壊させる力を持ち、「聖」、「無」の力を与えられるが、五神に認められる必要がある。タイプ=デビルに匹敵し、人類を統率する役割を持つ。教皇、法皇の職に就くのが暗黙の了解となる。

 現在は二人、クロウ=ダームスリハッシ=ペルニマイト教皇と、グレイ=アクチノバーク=ペルニマイト教皇候補。




・ディメンションイート(無次元の執行)―無

 タイプ=ゴッドになった時に与えられる。範囲魔法、攻撃魔法等、広い範囲で使える。対象を下位世界に送り込むことで物質の情報そのものを三次元から消去する究極魔法。




・浄化魔法―聖

 タイプ=ゴッドになった際に与えられる聖魔法を自己強化魔法または範囲魔法、攻撃魔法、付与魔法等で使用する。負の感情で魔力の操作力を増幅させる魔物や魔王、悪魔に致命的なダメージを与えることができる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ○名前が難しい。設定の中で、他作品に較べ、変数が多いので、物語にのめり込むためには世界観か名前かどこかしら固定する必要があると思う。 私は小説を書いたことがないのに高圧的、辛辣で申し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ