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暗黒騎士2

私の名前はサクラ、両親は普通の市民だったので姓は無い、9から冒険者を始めた、理由としては両親が無差別殺人犯に殺され他に身寄りが無かったので仕方なくそうした。

始めの方はEランクの薬草採取などを食いつないでいたが1つのPTから声が掛かりメンバーに加わった。

やっと少し楽が出来ると思ったがそこで初めて人に裏切られた。

そこで私は何人もの男にレイプされた、何度も何度も犯された。

そしていつしか無表情になりその快感でしか表情を変えることが出来なくなっていた。

11の時そのPTに捨てられ性奴隷としていくつかのPTを転々とした、どの男も最初は優しくしてるが最後は私を物として扱った。


この遠征に参加した時のPTもそうだった、毎晩のように犯された、それでも子供は出来なかった、でもそれが逆に男たちの気を煽っていたのを気付いていた。

きっと最初の男達に壊されたのだ、一生子供の産めない体にされた。


遠征隊が森に着き、私達を含む5つのPTが見回りに向かった、その内1つのPTには女性1人が混ざっており自分と同類なのかとも思ったが、どうやら彼女はそのPTのリーダーのようだった。

巡回と称し森の開けたところで暴行された、男に犯され今まで傍観していた女性に腕を切られた、”もう死にたい”心のどこかでそう思った、そこに幸か不幸かスケルトンの集団が現れ救援弾を上げリーダーが上げ抗戦するが1人また1人悲鳴を上げ死んでいった。

リーダーと私だけ残りそいつは私の足を斬り、捨て駒し拠点に逃げ出した。

”殺してやる次会ったら絶対に殺してやる”スケルトンから逃げ惑いそう胸に刻み込む。

何分逃げ惑ったか、数分かもっとか・・・息が上がり貧血で目の前が暗くなる。


「死にたくなかったら俺の方に走れ!」


だけど声が聞こえ男が立っていた、その後ろにその仲間が居たがその男を置いて逃げ出した。

この男を利用してここから脱しようと男の方に走るが、このままではそこにたどり着くまでにスケルトンに追いつかれてしまう。

「伏せろ!」

その声で反射で地面に倒れ頭上で3回風切り音が鳴り背後で骨がばらける音と2回の爆発音が聞こえた。

後ろを振り返ると数体分の骨が散乱しており2か所に穴が出来ていた。


「早く来い!まだまだ来るぞ!」


足を引きずりながら立ち上がり男のもとに走るそして肩に担がれるが全方方位をに囲まれる。

人1人担いでの逃走は無理だと判断し降りようとするがしっかり掴まれ空に飛び上がった。

子供の頃一度は夢見た光景が目の前に浮かぶ、夢じゃないことを真下に騒めく骨の集団が教えてくれた。

それから長く目も開けてられないスピードで拠点の方に近づき骨と戦っている男達にあの瓶を投げた。

その近くにいくつか新しい死体とリーダーの死体があり少し残念に思った、生きる理由が無くなった。


・・・一体何が入っている瓶なのだろう?骨はさっきと同じくばらけて動かなくなった。

男は初老位の冒険者たちに緑色の小瓶を飲ませ私にもくれた。

凄い・・・体中の傷が消え子供の時の様な肌に戻った。

冒険者の一人が上級ポーションという言葉を口にし愕然とした、この男は私が体を売ってもその十数倍はする値段の薬を飲ませたのだ。

この男は何をしたいのだろう?私を見る視線も今までの男達と違うまるで違い、興味が無いと言っているようだった。

冒険者のリーダーが生き残りが居る村に案内してくれるらしい森を進むが私の出番は無かった、次元が違う。


村が見えてきたがそこでも戦闘が起こっているようだった、冒険者たちが参戦しすぐ片付いたが。

彼が生き残りたちにポーションを配った、本当に何者なのだろう?金貨数枚分の上級ポーションを人に分け与えることが出来る者など大貴族か超一流の調合士くらいだ。

村を制圧しガンドと呼ばれた冒険者にPT代表者として話し合う羽目になったが1人の馬鹿を除き「撤退する」の一言だけだった。

ガンドは彼だけを残し私達は外に追い出された。

窓辺で盗み聞きするとガンドは仲間の敵討ちの協力を彼に頼んだが断られて笑っていた。

彼が家から出て来たので気の陰に隠れる、そして唯一女性のPTリーダーに話しかけられていた。

それを見て一瞬だけ羨ましく思った。

それから少し経ち話し合いというよりも言い争いに近い声が聞こえて来た。

女性の方が泣きながら走り去って行き、彼は燃えている家を殴り崩壊させた。

その後ずっと後をつけ馬小屋に入ったところで覚悟を決め寝息を立てている傍で眠った。


生まれて初めて私は誰かに抱かれたい・・・この人ならもしかしたら、と淡い期待を込めて。

朝、足に違和感を感じ目覚めると少し離れた場所に彼が縮こまってた。

意を決し服に手を掛けるが彼は頭を抱えブツブツ呟いてた。


「・・・こっちに来るな!礼などいらない、金・言葉も要らない、そんなモノのためが目的で助けた訳では無い!」


いきなり大きな声で怒鳴られ体が目当てでないと言われるが信じられない。

でも彼の目に恐怖と後悔の念が見えた。

体で返せないならどうすればいい?私にできることはこれだけだった、毎回晩穴という場所を穴を犯される、男なんて全部信じられない。

油断させといて後ろから襲うんだ、この人はそうゆうプレイが好きなのだと、思った。今までもそういう男は居た・・・・が

彼は荷物と剣をを持ってそのままどこに行ってしまった、本当に何もしないの?

あっちの方向には廃城があったはずだけど何しに彼は・・・

昨日の話を思い出すまさか死にに行くんでは?

それは困る・・まだ、言えてない、助けに行かないと!


そして彼女は行動を起こしたが。











森を歩き城の方に向かう数体の骨が飛び掛かってきたが問題なく突破する、廃城に近づくにつれその数は多くなる、牽制のために2つ瓶を投げ1つを自身に振り掛けた。

そして昨日見た数百の骨共に特攻する。



違う場所で剣音が聞こえガンドさん達と昨日仲間の敵を討つと言っていた男のPTが一緒に戦っていた。

後ろから瓶を投げ6体纏めて無力化する、数が減り戦い易くなったのか殲滅し俺の方に向かって来る。


「来てくれてありがとう、これで全員揃ったな、目指すは目の前の城内だが」

警戒体制のまま礼を言われ言葉を区切る、視線の先にはさっきの倍一部服を着たゾンビも混ざっている。

「私が斬り込む!続いてくれ!」

大剣を担ぎ炎を纏わせる走り進んで行く、仲間もそれぞれ風・雷・土、傷の男も大斧を振り上げ続く、俺も剣を抜き置いて行かれない様に城の中に入ると、勝手に扉が閉まり松明の明かりがついていき中央階段の踊り場に黒い人型の鎧が飾って・・・いや動きゆっくりと階段を降りてくる。



松明だけでは薄暗かったがその姿ははっきりわかった。


「まさか暗黒騎士ダークナイト!!」


誰かが叫ぶ、多分ガンドさんの仲間の声だろう

「下賤な人間どもよ、ようこそ我が城へ、まずはよくここまでたどり着けましたことを褒めて差し上げましよう」


澄んではいるがどこか憎しみを含んだ声でそう出迎える暗黒騎士鉄仮面を被っており性別は分からないがたぶん男だろう。


「貴様のせいでバイラは・・・」

修羅の顔で暗黒騎士を睨み斬りかかるガンドだが、

「バイラ?ああ、あの女ですか・・最近手に入れた上物でして・・・」

余裕でガンドの大剣を躱し何か心当たりがあるような素振りをし手を2回叩く、床からいくつかの死体が浮きあがって立ち上がる、その一人を見たガンドが声を挙げる。


「バイラ!待っていろ!今助けてやる!」

大振りに大剣を振り回し敵にかすらせるが


「私ワタクシの愛しい部下に無断で触る・・・それは死を意味します」

暗黒騎士が右手を上げると、呼び起こされたバイラと他の呼ばれた魔法使いの・・・体が詠唱を開始し魔法球を形成していき、1つだけ小屋位の火の玉を作り上げガンドさん達の方向に向かって落ちていくが。


あと少しで直撃というところで青白い光線が降り注ぐ魔法球を打ち抜き空中で爆発した。

もちろん打ったのは俺だが


「おや、珍しい魔法を使う方がいらっしゃいますね?・・・邪魔ですね」


腰の細剣を抜いた暗黒騎士の姿が霞み目の前に現れる。

慌てて剣で防御するが衝撃に耐えきれなかったようで根元から折れてしまい壁に激突する。

「ッチ、後ろががら空きだぜ暗黒騎士様よ!」

大斧を相手の頭上の振り下ろし叫ぶ男だが・・・手と首が宙に浮き重い音が重なるようにして地面に転がりその体にを両断する。そこに居た者は誰一人その剣技が見えなかった。

完全に戦意喪失し武器を離す者がほとんどで、ガンドただ1人だけ立ち向かっているがまるで歯が立たない。


「本当に愚かですね人間は、短い命をさらに自分で短くし足掻くのですから、大体・・・」


”大体”と暗黒騎士が続けようとした時、鞄から最後の瓶をやつ向かって投げ仮面に命中させると


「本当に邪魔ですね貴方!よくも私ワタクシの特別オーダーメイド鎧フルアーマーを台無しにしてくださいましたね、楽に死ねるとは思わないことです!」


黒兜は劣化し上鎧も所々白く変色しており、兜を脱ぎ捨て褐色肌で銀色の長い髪を肩に沿わせ耳の先が尖っており美形の男が顔を晒された。

「ダークエルフ・・・」

「これはこれは、若い割によくご存じですね」


むしろ褐色肌で耳が尖がっていて美形だとそれ以外思いつかないのだが。




「そう私ワタクシこそ魔王軍3番隊隊長、名は遠い過去に消え去り今は不死身アンデット暗黒騎士ダークナイトと名乗っております、400年前の大戦で憎き人類を虐殺させていただきました」


魔王軍・・・しかも隊長格でダークエルフ・・・


「おや?外に貴方方のお仲間が来ているようですね?でも今にも死んじゃいそうですがね?」

楽しそうに扉の向こうを見つけるダークエルフ、

「おや?見た目がいいメスが2匹いますね、活きの良いうちに僕にしておかなければ!」

・・・・おいそれは誰のことだ?視線を扉に向けエルフの言っていた意味を理解したくなかったが、

「あらあら、素晴らしい玩具ですね丁度こういう”モノ”が欲しかったんですよ」

マリーと斥候の奴が全裸で磔にされ、生きているのか死んでいるのか分からない状態にあった。



・・・何で来たんだよ・・・邪魔になるって言っただろ!




マリーと・・・片方はどうでもいいがせっかく助けたのに目の前で殺されるのは困る。


嘗め回すように2人の裸体をじっくり眺め感嘆を漏らす暗黒エルフ

「いいですね・・・見れば見るだけ気に入りました!」

その言葉に物凄く不機嫌になる者が1人

「おい、屑野郎・・・あまり調子に乗るなよ」

壁から起き上がり掴んでいた刃の折れた剣の柄を捨て、戦闘態勢に入る


「ああそういえば居ましたね、貴方達は死んでもいいですよ」


目の前の2人を眺めていたダークエルフは興が冷めたと言わんばかりに邪気を身に纏い、

左手から黒影が放たれ、ここに居るガンドさん達に襲い掛かろうとするが、気砲を打ち出しすべて打ち消しエルフに掠らせる。

自慢の顔を傷付けられたのが相当癪に障ったのか


「貴様ぁ!!人間風情目が万死に値する!!」


細剣を構え貫こうと突撃してくるが刺さる前に避け、その顔面の右拳を叩き込み彫刻やゾンビ巻き込み壁に衝突した。


すぐさま振り返り2人に気を注ぎ邪気を消し飛ばす、そして外に徘徊している骨を2つの気弾で消滅させ

「俺が足止めします、ガンドさんこいつ等をよろしくお願いします」

鞄を預けるそして頭を下げが敵が接近したのを感じ背後に回し蹴りを叩き込み再度床に伏さす。



死んだ者以外は外に運び出され森に消えていく。

それを確認し再び起き上がった暗黒騎士の方に体を向ける。


「よくも、本当によくもやってくれましたね。貴方!!」

鎧はへこみ傷だらけで顔にも血痕と痣が残っていたがそれが瞬く間に修復されていく。

「おっと、私ワタクシとしたことが、自分が不死身であることを忘れていたとはとんだ失態を!魔王様に知られたらお叱りを受けてしまいますので、貴方はここで処分します」


さっきまでとは違い背筋が凍るような殺気がダークエルフから発せられ変身した。それは美形のダークエルフとは真逆の醜さで足が6本に増え目も増え肌が黒くなり蜘蛛の様な姿になり途中胴の鎧が弾け飛んだ。


「本気になった私ワタクシの姿はとても醜いですので、絶対殺す相手にしか見せることはありません。ここ数百年では貴方が初めてですよ!!」

向こうが本気になったので3倍で対抗する、赤いオーラが俺を中心に渦が巻きその姿を見ると蜘蛛男は動揺する。

「なんですか!?その異様なオーラは!まるでバラス様そっく・・・、いけません人間と魔王様を比較するなど!」


何やら言っているが出来ればここで此奴を殺していきたい、が多分俺と此奴では探る限りほぼ互角だ。

再生能力が無いだけ不利であるかもしれない、が時間稼ぎが出来れば最悪良い


「行くぞ蜘蛛男!!」

「ギィィイイイア!!」


初撃に左手で気砲を打ち込み手の1本に掠らせると、金切り声をあげ前2本の足を振り上げ俺の体を切り裂こうと振り下ろすが、そんな大振り当たるかよ!左右にステップし避け回し蹴りを赤い粒がたくさん付いているとことに打ち込み吹っ飛ばす。

「ギィザアァ!」

貴様と言ったのだろう、緑の液体をぶちまけながら後退する蜘蛛男、だがその傷はすぐ再生され赤い粒は光を取り戻し今度は口から液体を飛ばしそれを避けると床がの石畳みが音を立てて溶けた。

「チッ!溶解液か!?」

その予想は多分当たっていただろう、次々と吐き出されるそれを避けまくり大柱の後ろき隠れるも、鋭い前足の爪のより破壊されそれを少し背中にくらっただけなのに大きく吹っ飛ばされた。

骨までは到達していないだろうが治療に回せられる気は無い。


物陰に隠れ気弾を連発させるため力を溜める、が俺の姿を見失った蜘蛛は手当たり次第に瓦礫を破壊していくのでまともに力を溜めることが出来ない。・・ようやく放出できるまで力を溜め蜘蛛が入り口の方で俺に背を向けているのを好機とみて、両腕に気を巡らせ張り手を連続で繰り出すような動作で小さな気弾を打ち出し、全弾命中!と砂煙が舞う場所をじっと見つめるが居ない!


「キキャタァァ!」

掛かった!じゃねえよ大人しく死んでろよ。・・・俺とこの蜘蛛男はどっちの方が醜いのだろう?


どうでもいいことが頭に浮かび、そしていつの間にか回り込まれ、振り向いたらもうそこには赤い粒が複数見えた。

「くそ野郎がぁぁぁ!」

グチャリ・・・何かが体を貫通するのが分かり上下に揺れ傷が広がる、痛みよりも怒りが上回り叫んだあと喉奥から熱い物が上がり、意識を手放しかけるが強制的に両手を前に伸ばし残り全部をその超近距離で乱射した。

今度こそいくらか被弾したようで刺さった足が引き後退する、支えが無くなり床に伏すがかろうじて立ち上がる。この場に一般人が居たら俺の現状を見て気絶するだろう、血だまりに立って腹部から向こうの景色が見え、巨大な蜘蛛が蠢いているのだから。


だが蜘蛛男にもかなりのダメージを与えたはずだ、本体の部分からとめどなく緑の体液が溢れ赤い粒も1つを残し黒くなっている。立ち上がろうと足を立てるが肝心の本体を支える関節を繋いでいる腱が俺の攻撃で寸断され数本力なく垂れ伸びている。



蜘蛛男は焦っていた、傷が回復しない・・・なぜだ!数百年の時を掛け神ですら恐れる怪物の細胞を自身に取り込み形成されたこの身が人間などに傷つけられるとは!・・・だがこちらに分が悪いのも事実、今のところは一旦引きましょう。

蜘蛛男からダークエルフに姿を変え細剣を杖にして何とか立っている。


「人間!今回は貴様の勝ちだ!・・・だが次会った時はその体切り刻んで私ワタクシに吸収されるのです、ループ!」



蜘蛛男が消えた、そしてその魔力に操られていたスケルトンとゾンビは形を保てなくなり崩れる、

廃城が揺れ崩れ落ちそうだ、がその前に一人の女性の遺体に近寄り体を浄化すると1人でに立ち上がり


「若きものよ邪気の呪縛が解かれたことに感謝するとともに伝言を頼みたい。」


無機質な音声がその体がから発生し最後の魔法が施行された


「ガンドの奴にこのペンダントを渡してほしい、あいつが私にくれたものだ死んだ私が持っているよりいいだろう」

さっきとは違い人の声で発され、首に掛けられていた銀のペンダントが外れ俺の手の上に収まる


「それと”私も愛していた”と伝えてほしい、言えば分かるだろう」

一呼吸おいて

「それでは強き戦士の若者に神のご加護のあらんことを、飛翔!」


女性の足元で魔法陣が光り強い衝撃で体が宙に浮き外に、森の木々の上に弾き飛ばされ廃城は崩壊した。



空中で態勢を立て直すことは出来ず、ペンダントだけを握りながらガンドさん達の集団に見つけもらいバイラさんの最後を伝えペンダントと伝言を渡した。それか終わると目を閉じた。血を流しすぎた少し眠ろう。











蜘蛛男・・・暗黒騎士の城から逃げ延びたガンド達と後から応援に来た7名は気絶した2人の少女を担ぎながら森を走っていた。時々後ろから爆発音や建物が崩壊する大きな音が聞こえた来た時、数人が立ち止まりその方向をじっと見つめ空から何か落ちてくるものがあったのを、ガンドに伝えその姿がはっきり見えるようになると、足止めをすると言った青年の体が落ちてくるところであった。


「だれか!?風魔法を使える者は居ないか!水でも土でもいい!」

ガンドの仲間が真ん前に立つが、それ以外誰も魔法を使えないようだ。

「ウィンドウェイブ!・・・ウィンドウェイブ!ダメだ魔力切れだ・・・」


一度目の魔法で飛行速度は緩やかになったがそれでもあの高さから人間が人面に衝突すれば骨折程度では済まない。

彼が地面に叩きつけられるであろう位置に全力で移動し草原に出た、そして数人で陣を組みそこに着地させる、そうすれば衝撃も和らぐだろう・・・もう死んでいなければの話だが。


彼の姿が見えてくるとその状態も分かり一部の者から悲鳴が上がる、一瞬だけだが腹部から空が見えた。

無事・・息のある状態で着地させると治療する、彼の残した鞄に入っている小瓶を取り出し傷口に振り掛け残りを口に入れる、そして綺麗な布で傷口を塞ぎ眠った。


途中彼は何か呟き手を挙げ私にバイラの持っていたペンダントと渡した。




生存者17人の内、重症者1人軽傷者4人でトケカガミに帰還しガンドさんは指揮官の責任を取り冒険者を辞職し、その後ギルドで第一遠征隊及び第二遠征隊の戦死者を弔うため


ギルドが火葬を行いその灰は草原の風に舞った。


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