1年後
・・・・別に1年も引き籠ってた訳では無いぞ修行も鍛錬も部屋の中ではやっていたからな、あの後やっと使者が来ない宿屋を見つけることができ生活していた。
でも薬草依頼受けることが無くなったので1日中寝てることが多くなり、流石に鈍るので部屋にシールドを張り倒壊はしないよう配慮し、ずーーっと修行を続けて来た。
この宿屋は前いた城下町ではなく山間部に近い集落で若い夫婦がやっていたところに泊まっている
1年・・・正確には10か月と20日くらいだが中々快適だ。
前払いで金貨を渡してある村自体は特に名産とかもなくのどかでいいとこだと思う
さて、ごはんも食べたし久しぶりに外に出るか・・薄っすら埃が乗った鞄と剣を持ち部屋に鍵を閉め階段降りて受付に預ける今日は奥さんの方が受付をやっていた。
軽く会釈し外に出て朝日・・・そんな早くもないか、田舎の村だからだろうけど家も服も人も質素に暮らしている子供も元気に挨拶してくるものでこっちが挙動不審になる・・・。
一応俺は調合士の見習いとして旅をしているとなっているらしいほぼ籠ってるから知らない奴も居るだろうけどな、大きな町とかであれば治療士か医者がいるので調合士(薬剤士)の需要はあまりない治療士に至っては金払えば速攻で傷が治るのだから何週間もかけて苦い薬を飲む意味が分からないだろう
まあ少し散歩しながら古びた小屋に着く、前の調合士が住んでいたところらしい器具や書物が揃っている
たまに図書館にくる様な感覚でここで暇をつぶし安いポーションを作り雑貨屋に売っている。
安いポーションって言っても中級+1位でしばらく制作してなかったので勘が戻るまでこの程度の物しか安定して作れないのだがな・・・。
俺がこの村に来たのは妖精を・・・閉じ込めた後依頼を破棄して荷物を纏め一応ギルドに届けを出し西の検問所を通過し3日ほど歩いた川の近くで男が倒れていたのを見つけた、半日ほどで手当てをしポーションを飲ませそこらに転がせときその近くで野宿する羽目になり、一応けが人をそのままほっとく訳にもいかなかったので1日無駄にした感はあったがそのまま寝て翌日そいつが目覚めるのを待った。
傷は深く魔物にでもやられたのだろう結構な出血もしていた、川まで来たのは良いが力尽きたと・・・でそこに運悪く俺が来たと・・・そういう訳だろう。
朝日が辺りを照らし水筒で水を汲みそいつの顔に掛ける、鼻に入ったんだろう目をガッと開き鼻を抑え悶絶する・・・しばらく経ち痛みが治まってきたのか周りを見渡し俺が立っていることに気が付いたのだろう、一通りの礼を言われた後近くに村があるから来てくれないかと言われ、付いていき少しゴタゴタがあった後1年弱寝て生活していたのだ。
最初訪れた時は今の様な活気は無く空気がどんよりしていて廃村のようにも見えたが男が1つの家に入った時明りが全家に付き住人が走り出て来た男に向かって、だが男はさっきとは違い暗い顔のままそれを見つめ立ち尽していた。
話を聞くとこの村では最近老人と女性が原因不明の病にかかり次々命を落としていた 長老含め一部の若者で解決策を見出した結果この村で狩りの腕が一番上手いこの男含め数人が難病い効くとされる山の主の肝を取って来るよう決まり、2週間前出立したが山の主に食い殺されたとして次の手を思案していたところに俺を連れて帰ってきた・・・ということらしい。
あの傷はその主にやられたものだったようでまたそこで頭を下げられたが、一人の老人が俺の方を見て男に説明を求め話を聞いた老人は「この者なら病を断つことが出来るやもしれんということだな?」と勝手に解釈し男に渡したポーションをもっと寄こせといきり立ち、それに乗っかり若い衆も周りを取り囲み恐喝紛いの叫びを挙げる
・・・事を頼む態度じゃないだろう?と思うが時間が立つにつれ怒号は大きくなるばかり、連れてきた男もオロオロするばかりで止めようともしない。
いい加減出ようかとも思ったが現状村の中にも真新しい複数の墓石が立っている所を見てため息を吐き鞄から中級4本と上級2本を取り出しそれを長老に渡すだが「こんだけか!!足りんわ!!」と若い男達にそれを渡し受け取った奴は自分の家に走り去って行った。
老人・・・多分長老だろう態度デカイし、グチグチグチ愚痴
「使えん!全く最近の若い者は使えん、たったこれだけしか持ち合わせがないとは何しに来たんじゃ屑が!」・・・・。
その長老が愚痴る勢いに乗って残った若い奴等の怒号も大きくなり、こっちは頭抱えて泣きそうになるがだんだん表情が硬く無表情になっていく
礼に呼ばれただけでそっちが勝手に期待したんだろう、一人旅に何でそんな大量にポーションを持ち運ばなくてはならない?とても不愉快だ・・・ちょっと薬の知識がある程度の一般人だとも思わないのか!!
まだゴチャゴチャ怒鳴りつけている奴らを一睨みし四股を踏む様に足を上げ踏み下ろす、耳元で銅鑼を思いっきり打ち鳴らしたような爆音と俺を中心とした地面の陥没と隆起が起こり、いきなりの現象に俺以外の人間は腰が抜け修羅の顔になっているであろう俺を見てわなわなと震えている。
「さっきから人を馬鹿にしゃがって、病で全滅するより先に皆殺しにしてやろうかァ!!?」
底から沸々と湧いて来た怒りを爆発させ殺気を当てる、長老は泡を吹きその他も白目向いて泡を食ている
後ろからさっき家に走って行った男の何人かが笑みを浮かべ「長老様ー!あの薬のおかげで妻が目覚めました!」「娘が・・・」「父が・・・」と涙ぐみ走って来るが地に転がっている状況を見て愕然とする
怒りが冷め殺気を収め「気が変わった、病人を一か所に集めろ?一気に治療する」
聞こえる声で話しさっきまで身内の回復に喜んでいた野郎がまた真剣な目に戻り違う家に向かって走り出す、1人気を取り戻した長老が喚き暴れているが他の奴の下敷きになり身動きは取れないようだ。
「悪魔め!!早く退かんか!そいつを村から追い出すのじゃ!!」
30分もしないうちに十数人の病人は広場に運び出され一か所に置かれた、少し離れたところで肩で息している数人の男が見守る。
まず井戸から桶で汲んできた水に気を溶け込ませ気水を作りまんべんなく掛け気の通りを良くする。
それから1人ひとりを寝かせた状態で額と胸に手を翳し弱めに気を籠める、要は外から気を流し本来の自己治癒を最大まで引き上げ病に耐えれる状態にし、後は外から強めの気を流しあらかたの病原菌を殺菌していく。
1人終わるのに10分は掛かり、処置が終わっても定期的に気水を飲ませないと完治はしないということを1人目が終わった時に話し、そこで寝ている奴を起こし水筒かなんかに気水を入れ「安静にさせとけ」と言い2人目に移る。
年が若ければまだ自己治癒が大して落ちていないので込める気も少なくて済むのだが、高齢になるにしたがってコントロールはムズイわ時間が掛かるはで6人目が終わった時には立ちくらみを起こしてまうほど疲弊し自分でも「マジかよ・・」と零してしまった。
少し休憩を挟み再開するがコントロールが安定せず自分で自分をイラつきだしていた。
それを見ていた村人が「もしあれっでしたら明日でも・・・」とまだ終わっていないであろう身内の人治療した終わった病人の顔を見てそう勧めてくるが、残りの親族であろう村人は「何やっている!家の娘はまだ何だぞ!!休んでないでさっさとしろ!!」などとまたさっき気絶していた状態から目覚めた夫か子か親かが怒鳴り散らしてくるがそれを聞いて
「申し訳ありませんが明日にしましょうやる気失せました今日はこの人までです」
と一度手を挙げヒラヒラさせまだ終わってない目の前の女性の治療を進めた。
それが終わると同時に多分次に治療受ける順番だった病人の親が胸倉掴みかかり
「まだ娘が終わってないだろうが!休むことは許さんさっさと治療させろ!」
と持ち上げ突き飛ばされ尻餅を付く、突き飛ばした野郎を見上げ立ち上がり
「今日は終わりです、私の体力が持ちませんまた明日お集まりください」
気水を作り残りの病人に飲ませ家に帰らせようとするが左頬が強く打たれまた倒れる
「ふざけるな!!本来ならばこんな下民よりの貴族である私を優先させるのが当然であろうが!それをことごとく無視し挙句に明日来いだと!?無礼にも程があるとは思わないのか!ただの調合士風情が調子に乗りおって!!」
さっきから偉そうにしていたのは貴族だからか、話にもならん。
大して痛くもない頬を抑え向き直り
「貴族なら自分の言動に気を付けるんだな、今のでもう無視してテッカに帰ろうかと思った」
と思ったことを口に出し思いから退かしていた鞄と剣を持ち宿屋と書いてある少し立派な家に入り、さっき長老からポーションを渡され妻がどうのこうの言ってた若い男が受付に立っており、少し驚いた顔で接客をし階段上り一番奥の部屋のカギを渡された。
部屋に行こうと階段を一段上がろうとしたところ下の一番近い部屋から「お客さん・・」と女性の声と顔が見え受付の男が慌てて寄り添うように傍で支え
「安静にしてないとだめだ!店のことは僕が何とかするからさぁベットで横になって・・・」
・・・・さっさと渡された鍵の部屋に入り服も着替えずそのまま眠りについた
翌朝早くに扉を激しく叩く音が聞こえ目を覚ます、窓から入る光はまだなく日もまだ出てなかった
「いつまで寝ているつもりだ!!早くしないか!下民風情が貴族を待たすなど余程の礼儀知らずだな!」
昨日のうるさい貴族が来ているようだがあと2時間くらい寝させろや・・・。と毛布を被るが騒音は鳴りやまない
「やめてください、他のお客様がまだお休みになられているのです今しばらくお静かに・・グフ」
最後まで言い終わる前にうめき声が漏れ
「貴様一体誰に向かってそんな口を利いているのだ?宿屋の主人風情が口を慎め!」
何度も鈍い音が聞こえその度にうめき声が聞こえ不愉快な気分になる。
もう少し寝ていたいだけなのに俺のせいで暴力を耐え忍んでいるみたいじゃないか・・・。
薄暗い室内で鞄と剣を見つけ担ぐが部屋の外で女性の声が聞こえその後悲鳴と罵声が聞こえた、急いで扉を開け廊下に出ると階段の手前で昨日見た貴族が下に視線を向け嘲笑っており近づいて見ると昨日見た病人の奥さんが階段の正面?後ろ?の壁にもたれ掛かり頭から血を流しぐったりしていた。
主人が揺さぶり呼びかけをしているがピクリともしない、俺の方に気が付いた腐れ貴族が何か言っているようだが無視し階段を下り夫婦に近寄る、主人を数歩下がらせ頭を揺らさない様に寝かせる
「そんな女のことよりも早く娘の病気を治せ!言葉が分からないのか?サルが!」
と言いたいだけ罵倒を掛け俺の服を掴むが振り払う、さらに機嫌を損ねまた罵声を浴びせられるが目の前の女性に気を集中させ治癒力を高めさせる。
無視されたのがそんなに気に食わなかったのか、貴族の野郎が女性を挟んで俺の反対側に立ち足を上げお腹に乗せている手の上に踏み込んできた、それを見た主人は「アンタァ!!」と顔真っ赤にし掴みかかるが体格差で受付の台まで投げ飛ばされてしまう。
無心になりスッと立ち上がるそして主人と女性にシールドを掛け目の前の屑に一撃叩き込む、丁度受付に持たれたままの主人とぶつかりそうになるが見えない壁に衝突し一瞬浮いた状態になり、すぐさま近寄り左の裏拳を脇腹に打ち込み扉をぶち破り木片が飛び散り店の目の前に立っている木に吹っ飛び衝突しどっさりと地に伏せるが無理やり立たせ後頭部を掴み木の表面に何度も打ち付ける、鼻の骨が折れる・前歯が折れる・顎かどっかが砕ける音が聞こえ剣を抜き首に押し付け
「身の程知らずはどっちだろうな?昨日から好き勝手言ってくれたが俺は別にこの村がどうなっても知ったこっちゃないだよ!たまには偽善でもしようかと思ったのに一々邪魔しゃがる、そんなに殺されたいのかアンタ?お前の娘は一番最後だ手遅れで息絶えようが知るか、もともと俺には関係ないことだったしな」
剣を鞘に戻し屑を地面に押し付け女将さんを蹴った足をへし折る、痛みをこらえる声が漏れるがそのままそこに放置し店の中に戻り主人に扉を弁償することと謝罪をし、俺の所持しているポーションの中で最も効果が高い濃い緑色の液体が入った1本の試験管を取り出し蓋を掛け飲ませる。
これはとても苦いけれども昨日住民に渡した物の10倍近い効力を持っている、ただ効力が強すぎるので弱っている病人には逆に毒になるだろうと思って渡さなかった最後の1本だこれなら問題なく治せる怪我なはずだが、傷は消え息も緩やかなのを繰り返していたので1日休めば全快すると伝え気分が悪いまま広場に向かい夕方に村人の病人の治療が終わり日が暮れた
昨日薬を飲ませた病人で比較的軽い症状だった者はもう完治していて他の病人の看病や礼を言いに来ていた者居たが、俺のことを良く思っていない長老と一部の若い衆は身内の病人が治ったにもかかわらず再度治療を要求してきたり言いがかりを付け印象を悪くしようとする者も居た。
達が悪いのに至っては俺が病を広げ高い治療代を請求するつもりだったなどと言って来たが
「別に何言ってもいいがまだ病人が残っていることを忘れるなよ」
と忠告しどうせ終わったらまた言いがかり掛けてくる事が目に見えていたので
げんなりした
暗くなり宿屋の前に着くと屑貴族が居ないことに気が付いたが別に気に掛けることでもないので鍵を受け取り寝た
その次の日も広場に行ったが文句を言いに来る奴以外は見当たらず昼前には宿屋に戻った。
店の前に高そうな馬車が止まっており入り口の両脇に兵士が立っており気にせず中に入ろうとしたのだが、剣を交差させ「今は誰の出入りもまかりならん!お引き取り願おう」とピカピカの鎧を着た兵士が偉そうに威張っているのを見て片手で1本ずつ剣を握りそのまま根元で砕き、簡易の扉を開け中に入ると10人程の私兵だろうか、外のもそうか?が剣か槍を持ち1つのテーブルを囲む様に警戒しているそしてそこに俺が入ってきたことにより一気に注目を集めるが面倒なので壁側を伝い受付に向かい主人に鍵を貰おうとしたが、
「旦那あちらのご婦人が呼んでおりました・・・です」
小声で耳打ちされたがまだ旦那と言われる年じゃない・・・。
ひとまず私兵の集団の方に歩き隠れて姿の見えない方に「俺に何の用だ?」と尋ねる、カラフルというか私兵なのに着飾った服を着てるな・・・とか思いながら返答を待っていると手前にに居た私兵に「アルバート様に何という無礼な言葉を・・・!」などと抜かし首を狙い剣を振り下ろされたが、見た目重視のナマクラの細身剣だったのでパキンと貧弱な音を立て折れ床に刺さり唖然とした表情になる
「前を開けて!貴方達は黙っていなさい」
強気な若い女の声が聞こえ私兵が左右に分かれた、中央テーブルの席に座っていた婦人?の顔が見える、そこそこ顔は整っており服も高級そうなものを羽織っているが・・・婦人?あれ?俺より年下じゃないのか?とも思ったがこっちだと15か16で成人だったな、成人するのが早い分寿命は短いようだが?まあどうでもいいか
アルバート様と呼ばれた少女、家名か名前か分からないけどな、
「私兵が失礼をいたしました、どうぞお座りください」
詫びを言った後私兵の一人に椅子を引く様に指示しそいつは渋々従い俺が座った後、元の位置で直立に戻り静寂が辺りを満たす
「で、どっかのお嬢様が俺に何の用ですかね?さっさと寝たいんだが・・・?」
静寂に耐えかねた俺がさきに用件を聞くが大体察しは付く、誰かを治療してほしいんだろう?昨日の屑貴族の様にとか思っていると
「実は、私の母が謎の病に伏してしまいまして治療士や医師に診せたのですが施す術がない、とのことで途方に暮れていましたのですが、ここサンガ村で病を完治させた治療士が居ると聞き知りましたので今日御顔を拝見させていただきました次第でございます」
と、まあこんな感じなこと言われ「あっそ・・・で何?」と受け流されたことに目を見開かれたがすぐに表情を戻し
「いえ・・・貴方様のお力添えいただきたいと思っている次第で・・・あの・・お気に障ることでも言ってしまったでしょうか?」
ずっと黙ってる俺を見ながらそう尋ねてくるが、こいつ俺を慈善団体かなんかと勘違いしてないか?
「人に事を頼むときに何か払わなければいけないだろう?」
と言ってみるがキョトンとした顔で見返される・・・これだから貴族の相手は嫌なんだ、こっちが冒険者または平民だからと思って”ただ働きが当たり前”っていう風に教えられているのか知らないが、仕事する方から見たら嘗めてんのか?と
不満が募りいつか爆発する、遜ってお願いすれば誰でも快く受けてもらえるとでも思ってるのか?
「悪いが話にならん、お帰り願おう」
席を立ち受付に鍵取りに向かおうとするが背後で剣を抜く音が聞こえ振り向く、さっき椅子を引けと指示された私兵が飾りではない長剣を振り上げ結構な剣速で斬りかかって来ていた。
短い悲鳴が聞こえるが、さっきと違い目の前で人が叩き切られようとしているのだからもう少し反応が欲しいとこだが「おい」短いそれだけの言葉を殺気に乗せて放っただけなのに石像の様に固まり、冷や汗を流しながら焦点は定まってなく目だけ忙しなく動かしていた。
そこに居た誰もが意味が分からないといった結論になり、1つだけ確かなのは目の前の男が何かしたであろうことだけ
目の前でピクリともしない私兵を見るがもう意識が途絶え途絶えで立ってるだけで精一杯な風に見えたので、全力の殺気を抑えそれと同時に長剣を落としそいつも床に伏し気絶した
「え?え?え?」と貴族のお嬢様とその私兵は状況が分からないまま戸惑うばかり「弱い、弱すぎる」と独り言を言ったのは誰の耳にも届いていないだろう
主人から鍵を受け取った後まだアタフタしている奴らを見て
「面倒だな・・・」と思いはしたが居座られると営業妨害になるし頭痛がするが貴族の前に立ちふさがり鞄から1本の上級ポーションを取り出し
「これをその病人に飲ませろ、そしてここにもう来るな迷惑だ!」
軽い殺気を飛ばし顔をブンブンと上下に振り慌てて出て行き前に止めてあった馬車の音が遠ざかっていく
最初からこうすればよかったのかもしれないが、金も払わない奴に優しくするほど良い人じゃないもんで無いのでな、振り向き主人に謝罪をしようとしたが受付台の下でしゃがみ込んで震えていたのを見て殺気抑えるの忘れてた・・・と思いすぐに殺気を切って謝罪を込めて金貨を握らせ、それから面倒事はなるべくかかわらない様に部屋に引き籠り
今に至る