責任
雑魚どもを一度に相手することになったが思っていたよりこいつらできる、1人1人なら問題なく対処できるのだが3人来ると数発貰ってしまう、すでに服もズタズタで満身創痍流石俺の打った中での最高作品たち名刀ナマクラとは出来が違う、こんな時に自惚れしていてもあれなのでいい加減本気出すか。
「やっぱり5人は無理だよお兄さん、早く降参して壊されて?」
「オラオラオラまだ終わらしねぇよもっと殺り合おうや!!」
面白くなくなったのか目に見えて攻撃速度が落ちた双剣使い、目に見えて手数が増えている大剣使いと斧・槍使いが3方から斬撃を浴びせようとしている、大槌使いは床に武器を付けたまま薄目を開けじっと見物しているそして
「不味いな奴らが押されてきている一旦下がれとルイに伝えろ」
と下がってきた双剣の女に言うが
「はぁ~?ガディンあんたもう年なんじゃないどう見てもこっちが優勢じゃない!寝言は寝てから言いなさい!!」
自分より何倍も年を重ねている男に向かいそんなことを言い再び
「あーあつまんないのなんか面白い事起きないかな?」
と呟いているがちょっと初老の男の言葉が気に掛かるようでいつでも戦闘に復帰できるように体を温めている
そのような会話がされているとはつゆ知らずルイと言う名の大剣使いは違和感を感じでいた
(おかしい・・・もう致死量超えるダメージは与えているはずなのに倒れるどころか動きが速くなっている、横目でガイとカオリの方を見るが肩で息しており太刀筋がブレてきている。おかしいなぜこいつはまだ動けるのだ!!ここは一度ガディンとフルに交代させるべきか・・・?)
「おいおいどうした!どうした!さっきまでの威勢はどこ行った!!ああん?まさかもう疲れたとか言わねえよな?やっとエンジン掛かってきたところなのによぉ!!だから5人で掛かって来いって言ったんだよ雑魚共が!」
目の前の男の言っていることが読み込めない、・・・まさかハッタリでなく本気で俺達に勝てると?そう言っているのか!?化け物だ・・・こいつは本物の化け物だ!
「ガディン!フル!加戦しろ!!一気に片を付けるぞ!?」
「今更させるかよ!」
全力で回避しようとしたが無理だと悟り剣で受け止めようとしたが、バキンという音と共にカオリを巻き込みテーブルの山に衝突しすることで何とか衝撃は和らいだが、カオリの腹にテーブルの脚が突き抜けていてぐったりしていた。
慌てて剣を探すがもう無かった。
あったのは中ほどから折られ粉々になった残骸だけ、俺の夢が!!!
この世で最強のパーティとなり奴隷を従え帝国を作るという夢が・・・何もかも無駄になった。
たった一人の人間によってまだ金属音が聞こえる仲間が居る方向を見るが立っているのはガディンとフルだけだったどちらもこの短時間で傷だらけで挑んでいたが大槌が砕かれ力なく膝をつくガディン、フルだけは最後まで抵抗したが吐血を吐き落ちた
化け物がこちらを見て笑い歩いてくる「く、来るな!!化け物が!!」と手近に合った破片や木片を投げるが避けようともせず薄笑いを浮かべ目の前に立ちはだかる、もう声も出せない「武器は破壊した、死にたくなければさっさと消えろ」無表情でそう言い残し俺に背を向け部屋を出ようとしたが「何故だ!どうやってその力を手に入れた?言え!!そして俺のも寄こせぇ!!!」
疑問が怒声に代わり無防備な背中に向け折れた剣を突き刺そうとしたが、「愚かな・・・」とだけ聞こえ手が顔の前にスッと見え突き刺さる前にその男の頭を消し飛ばす、肉が焦げる臭いがその部屋に立ち込めた
さて・・・大量殺戮してしまったなそして男の上半身を消し飛ばした後、俺は何も呟かずガチャゴチャになった会場を2人の女を探しに出た、カリンの方はリイが俺の鞄に入れといたポーションをちゃんと飲ましていれば回復しているはずだがと立ち止まり気を探すがダメだ人が多すぎる、人が多いのと感じるよりも同じような気の大きさが何十もあり全部を探っている余裕が無いだけなのだが
まず会場を出て調理場に向かう、メイドに服を見られるが気にしない・・・そこには兵士と怪我人と貴族の休憩所として使っていたが2人の姿は見えない、鞄だけ取ってさっさと出ようとするが兵士に話しかけられる
「おいアンタ酷い怪我じゃねえか!何で部下はこういう重症者を先に連れて来ねぇだ!」
と愚痴り「大丈夫だ気にするな」というのも聞かずに手を引っ張り即席のベットに座らせようとする、親切にしてくれるのは嬉しいがまだやることが残ってるので片手で手を引っ張る兵士を軽く放りそのベットに投げる
そして近くにあった水差しの水を一気飲みし空になったそれを元のとこに置きもう1つ別のテーブルにあった水差しを持ち上げ両手で持ち気を込める、それを近くで寝てる兵士の負傷者の口に注ぐそして喉を鳴らし気水を飲んだ数秒後バッと体を起こし順繰りに見て確かめてベットから降り、力が余ってしかたないのだろうか怪我人を乗せたままベットを持ち上げ不規則に並べられていたのを整頓させ、空いたスペースに新たな仮ベットを設置させていた僅か5分程で・・その異常ともいえる光景を見ていた兵士が俺の右手に持っていた水差しに視線を集中させた
「ちょっと込めすぎたか?なら」
兵士の働きぶりを見て濃度を高くしすぎたと思い少し離れたとこにある水差しを取ろうとその方向に目を移したとこ最初俺に話しかけて来た兵士がさっと動き水差しを持って来てくれた、それを受け取り空になった入れ物に水を半分入れそこに気水を注ぎ薄めるそれと同じのをもう1つ作り近くの兵士2人に1つずつ渡し「これを5分以内に重傷の奴から順に一口飲ませろ」と耳打ちした
それからの2人の動きは機敏に奥のベットへ走り去り実行した、それを見届け庭の方に2人の気を探り当て部屋から出ようとしたが知ってる顔が見えたので足を止めた
前何人もの女性騎士を侍らせ示談交渉を持ちかけて来た男「ライバン・・・?」つい声に出してしまった・・その声に顔が引きつりすぐさま護衛の女騎士が前に出でて守る態勢をとる、後方で兵を先導していたちょっと位の高そうな兵士がライバンの前に跪き
「ライバン様わざわざ御身でのお見回りその広き御心使いに感服の意を表します、今この御仁が調合してくださった水のおかげで負傷者皆回復に向かっており、そこにライバン様がお見えになられたところでした。このお方に我らに代わり何かお声を掛けて下さらないでしょうか?」
とよく噛まずにこんな長いセリフ言える兵士に感心してしまった、お声?別に要らねえよいいからさっさと退けよ!ここはそこしか出入り口無いんだよ?
イライラして靴のつま先をカツカツと音を鳴らし腕を組む、こいつ等退かして行ってもいいんだそれだとがこの場だけ見ている者にあまり良い印象を持って貰えなさそうだからちょっと不機嫌ですよーって感じを出している
女騎士を下がらせ俺の前で片膝を着き「この度の・・ご尽力誠に感謝いたします」と頭を垂れ掠れた声でそう言った、前後から驚嘆の声が上がり一部の女騎士には「そのような下民になにをしているのっですか!」とまた俺に斬りかかって来る者もいたが他の女騎士と後ろに居た兵士が慌てて止めに入った
そういえばコイツに聞いとかなければいけないことがあったんだった・・・。
「おい・・・ライバン答えろ、ガッリツはお前の部下だったのか?」
近衛隊長の肩書も持つこの男にドスの利いた声でそう尋ねる、滝の様に汗が流れている顔を上げ「いえ、奴とはこれまで面識がなく・・ここ半年で勝手に黒騎士団などと立ち上げ名乗りだし私の権限無しで勝手なことを・・・」と歯切れ悪く答えた。
もしかしたら自分の指揮していた部隊に居たかもしれない男が勝手の騎士団を作りこの俺の武器を奪い、依頼人のカリンを殺そうとしたんだから焦っただろうな?そしてあの時俺の姿を見て恐怖しただろうな?
あの障壁破った時こいつもあの場に居たのだから・・・そしてその後出て来た傭兵が持っていた武器を見て目を見開きガッリツの方に駆け寄ろうとしていたのだから・・。
そうか手下じゃなかったかのかてっきりグルだと思ってたのだが
「ならいい、殺すのはやめておこう」と頭を床に付けている男に言い横を通り過ぎ中庭に向かった
廊下ではメイドや兵士が駆け回り何かしているのだろうが別に考え無くてもいいか、さっきから2人の気が動いて無いのだがどうなってる?
丁度中庭に面している廊下に入り窓から様子を見ようとしたがそこにはリイが血を流しているカリンを担いだまま黒騎士に囲まりている状況だった・・・何で中庭なんかに居るんだ?逃げろと言ったのに!
窓から奴らのど真ん中に狙いをつけ気弾を投げ狙ったとこに着弾し、周囲の黒騎士もろとも吹き飛ばすそれを確認し奴らが俺の方見た時窓から飛び降りる。
大体3階位の高さだったが今は大した問題でもない大きな音を立て着地し注目を集める。
両手を合わせ合掌した状態で手の平に気を溜め、ゆっくり前に開き両手から扇状に放たれた気功波が奴らのほとんどを消し去った。
残党が残っているが構わずリイに近づく・・・俺のボロ服を見て「大丈夫?」と聞いてきたが「気にするな」とだけ返し芝に寝かせるように指示したがリイは残党を見て怪訝な顔をしている。
「そんなに心配なら前渡した剣で殺して来ればいいさ」と冗談を言ったつもりだったのだが腰に下げていた剣を走り抜き生き残っていた4人の喉仏を切り裂き同時にうめき声と血しぶきを上げ死んだ。
迷いなく人を殺したリイを見てなんか申し訳ない気持ちになった鉄剣には軽量化しか付いていないはずだから長剣ではそんな機敏に動けないだろうと思って軽い気持ちで言ったが、噴水の様に上がった血に服を濡らし子供らしい笑みを浮かべまだ微かに動いているモノを何度も呪怨の様な声でサクッサクと肉を断つ音が聞こえ、気治療しながら顔は引き攣っていた
数分後
治療が終わりぐったりしていたカリンの体に力が戻るが血を流しすぎたのでしばらく貧血だろうがな
そして振り向き未だ人肉を切り刻んでる少女に「おい」と呼びかけるが反応は無く近づいて肩を叩く、ビクッと震わせ振り向くと少女はなぜか泣いていた
「全部貴方が悪いんです!貴方が悪い貴方が悪い・・・」と何度もそれを繰り返し最後に「でもその貴方はなぜそんなにボロボロになってでも私達を守ってくれたのでしょうか?」と付け加えた。
それに「ついでだ」と答え鞄からポーションを取り出し蓋を開け渡す、人1人担いで走ったんだ少しくらい疲れてるだろうと思って渡したのだが色がアレなので試験管を見上げながら「なるほど毒薬ですか・・これを飲ませて私の体を弄ぼうとするのですね」と真顔で答えられたので「違う、ただのポーションだ」
と答えるも受け取ろうとしないから口を付けない様に半分ほど飲むと切り傷が塞がっていき10秒もしないうちに外傷はすべて消え見えなくなった。
それを見せつけた後また前に差し出すとそれを受け取り一気に飲んだすると「不味いです苦いです」と嫌味を言うも自分の体を見つめ俺を見上げ笑い「今なら貴方も殺せそうです」などと冗談を言った・・・冗談だよな?それに「そうか」とだけ答えた
我儘お嬢様が呻きを上げながら起き上がりさっと少女が傍に駆け寄るそれ見てから俺の方も見た。
「あれ・・・リイも死んじゃったの?・・・貴方も死んだの?」
死後の世界とでも思っているのかボーっとした顔でそう呟くが
「お嬢様しっかりしてください!お嬢様は生きておられますそして私達も生きています!彼のおかげで・・・」
と体を揺さぶりながらそう叫び抱きしめる、まだ状況が頭に入ってこないのかボーっとしているがしばらくすると涙を浮かべ少女の無い胸で泣こうとするがそれを止め
「泣くのは後回しだ今はお前の父親のいる場所に案内しろ話がある」と話す、我儘はフグみたいに頬膨らませ少女も鉄剣をチラつかせるが、右手に気弾を作り空に撃ち花火の様に爆裂音と眩い光を発生させるそしてそれを2人の前に向け同じ様に気弾を見えるように作るがそれを見て慌てて立ち上がり中庭の端に逃げる女とそれに付いていく御付きその顔は青白かった
「元気だな?じゃさっさと案内しろ」とだけ言い手を下げた
我儘お嬢様先導で道案内してもらってる後ろで少女が抜き身の剣を持って周囲を警戒している、中庭を壁伝いに歩き石で造られた詰所の前に着いた。
「お父様はここの地下に・・・」と我儘は言うが鋼鉄の扉で塞がれており鍵が無ければ入れなそうだが少女が前に出て鉄剣を右斜め上に振り上げ左下に勢いよく振り斬りった、斬った扉の左側を押し隙間が出来るそこからまず細身の2人が入り最後に俺が通り一応閉めとく、中は格子から光は入って来るが薄暗く机に置いてあったランプを付け奥に地下への階段が見えた今度は少女が先頭で下っていき2部屋ある牢獄の中を順に巡ってその人物を探す。
牢獄だけのことはあり何人も投獄され少女と明りが見えたことによって必死に無実を訴えかけてくる女、右半身は無いがこっちを見る眼だけは強き怨念が籠ってる男、耳も目も利かないのか光にも足音にも反応しない初老の男女、全身埃まみれで女に飢えてる男の視線、出してくれたら幾らでも金を払うと叫び続ける中年、そして最後にこれまでの人たちとは違い身なりの良い50位のおっさんが小窓から見えた。
場所的には一番奥の要人を投獄できる頑丈な扉がある個室に近い独房だった。
「お父様!カリンです!お助けに参りました!今開けます」とよく響く声で扉の向こうの父に呼び扉と叩き一歩下がり、リイにさっきのように扉を叩き切るように頼むそしてリイが「ガルイ様少し扉から離れていてください」と大声で言い中からうめき声が聞こえさっきと同じ様に剣を動かすが傷は付くのだが中々硬い、聞き障りな金属音と投獄者の叫びがうるさいせいか地上が騒がしい、何回斬っても壊れる様子が無いようなので「どけ」とリイの肩を掴み後ろに下げるそして片手で取っ手を掴み手前に引く、壁に亀裂か入り扉が軋むドッゴン!という音と同時に扉が外れ壁に立てかけるカリンが中に入りそのおっさんの肩を担いで姿を見せる。
服装は上等なものだが長期間だったためか髭や髪が結構伸びて居いてちょっと近づきなくない風だった。
そのおっさんはドサッと通路で座り込み「水を・・・」と呻ってる。
鞄からポーションさっきと同じやつを2本取り出しカリンに渡しそれを1本ずつ口元に注ぐ2本目を注ぎ終わったときおっさんの体がガタガタと震え出した、それを見て必死に震えを抑えようとするカリンと俺の方をずっと睨むリイだったが1分ほど経つと震えが収まり薄っすら目を開けた、そしてどこかの兵士と同じ反応を見せ体を小刻みにカタカタといわせながらカリンと抱きしめ順にリイにもハグし俺に変な視線を送ってきた
「カリン・・・リイ本当にありがとう、もう少しで飢え死にするとこだった・・・後でいろいろ聞かせてくれてくれれば助かる・・・で、そちらの彼はどんな関係だね?カリン・・・それにさっきの液体は?」
おっさんは俺の方を値踏みするように見てその後カリンに問いかけた
「え・・・あ、彼は・・・その・・・えと・・・リイこういう時ってどう言えばいいの?」
返す言葉が分からないのかリイの方に助けを求めるがその前に俺が代わりに応える
「その娘に貴方を牢から出すための手伝いを依頼されたので有り金全部で引き受けた冒険者です、貴方に飲ませたポーションは俺が調合した試作品です、さてそんなことはどうでもいいですそこの2人の護衛は任せましたよ、しばらくはブースト状態になるでしょうから問題ないだろうから」
扉を元に戻し騒がしい足音がする階段の方に視線を向ける後ろで「ブースト?なんだねそれは?」と話しかけられるが・・・白騎士が何人も降りてくるのを見て口を閉じた
「貴様等そこで何をしているここは騎士団関係者以外立ち入り禁止だということ知らなかったとは言わせないぞ?お前らそいつらを捕らえろ!!」呼びかけと号令がかかり狭い通路で騎士が並んで走ってきた。
「あれ・・カリン陛下の許可は承ったんだよな?」とまた後ろで声がしたが無視する
殺さない様に鎧に衝撃を与え、ボウリングのように先頭の騎士が弾き飛ばされそのまま後続してきた騎士も巻き込み入り口付近までドミノの様に重なり倒れる、それを飛び越え外に出る
中庭だから建物のに囲まれてどこからでも綺麗に見えるように造園されている、のであってまあ早い話上は色々なマント色の魔法使いに囲まれていて前には残りの兵士たちが剣を構えこっちを見据えている
「そういえば脱獄の手助けは重罪だったけ?」と今更なことを後ろに居たリイに聞くが頷かれる
やっと事の重大さを理解しどうしようかと思っていたところに
「貴様等は包囲されている大人しく投降し処罰を受けるというのであれば手荒な真似はしないがそのまま抵抗するのであれば容赦しない!!」
と高いところから声が聞こえ、ため息を吐いた
どうすっかな