戦闘開始
冒険者達ではもう前線は保てず、埃と死臭が立ち込め始め士気も低下していた。
目の前には変わらず魔物が押し寄せてくる一部では城下に逃げむ奴も居たが軍兵が「敵前逃亡は重罪だ」とか何とか言って何人もの首を飛ばした。
前に出ても死に後ろに下がっても殺される、戦っている者にはもう希望は無かった。
虚ろな目で剣も構えず魔物に向かっていくもの叫び声をあげ特攻して行く者も居たがもう静かになった。
そして再びひ弱そうな男と少女が敵に入って行こうとする、もう助けに入ろうとする体力もないそして目の前に牙が見えた時には死んでいった友や家族の顔が浮かんだ、自分もそっちに行くと目を閉じたが痛みはやってこない。
不思議に思い瞼を上げるが目の前に迫っていた敵は切り伏せられて傍には槍とナイフを持った少女達が立っていた。
不思議なことに目の前の敵どころか自分とその子たち以外立っている者は無かった
「間に合ってよかったっです」
「お疲れさまでした。ここからは私たちに任せてください」
少女2人が話しかけてくれたが状況が読み込めなかった
「まさか・・・君たちがこいつ等を倒したのか!?」
自分ら数百の力を持ってしても押し寄せる軍勢を押し止めることも出来なかったのに、数秒で切り伏せるこの子たちは何者なのだろうか?
そしてその手に持っている武器は何なんだろうか?伝説の勇者様が来て下さのだろうか?湧き出た疑問をぶつけたいところだったが、意識が遠のき寝息を立てて眠った
眠った戦士を担ぎ走りながら
「この人もしかして私たちを勇者様と勘違いしたのかな?」
「そうなんじゃない?目がキラキラしていたし」
照れくさいような笑みを浮かばせ
「ただの非戦闘員だったなんて信じるかな?」
「無理なんじゃない?あの人達は勇者って言われても信じられるけどさあww」
誰にも聞き取れない速度で避難所に急いだ
作戦という大したものではない、司令官に一番押されているまず場所を聞き俺以外はそこに分散して向かう、れば殲滅し負傷者を救助する。
救助が最優先だが、それには女2人に任せるほかの野郎どもはとにかく押されているところに行き暴れてもらえばそれでいい
作戦のさの字もないがそれくらい出来る装備を渡した。
鉄剣-2は正規品クラスだ、それを大きく上回り1つ1つで聖剣にも匹敵し光の鎧まで使ったんだから走る全身凶器みたいなもんだ。
その分消費は激しいがボスだけ叩けばいい、にしても数が多いので・・・気波でふっ飛ばし道を作った。
片目にはため息を吐かれたが
気にせず進む、ゴブリン・オーク・飛竜・スケルトン・ゾンビ、いろいろ出てくるが一太刀で切り伏せ前に進むただその繰り返しボス位骨のある奴出てくれよ?
たった8人の特攻隊が参戦しだしてから戦況が一変した。
”一騎当千”この言葉に相応しい活躍を見せているのが幼さを残す少女たちと一見ひょろっとした青年たちであった。
彼彼女らは不思議な光を纏い伝説の聖剣とも甲乙付け難い武器を振り、見ている間に殲滅と救出を繰り返している光景は天使と戦神が降臨した光景と語り継がれても何ら不思議ではない。
特に大槌を振り回し血しぶきと変えている大男と火柱を上げ魔物を焼き殺している大剣使いにはもう声も漏れない、だが彼の姿が見えない、名刀武器と言われるであろう7本の武器と光の鎧を施したどこにでも居そうな青年が見当たらない。
私が心配しても何も変わらないだろうが英雄である彼には生きておいてほしい、そう思った。
時間の経過とともに敵の数は減って行っているんだがボスが相変わらず見当たらない。
逃げたかとも思ったが統制がまだ取れているしまだ隠れているのか?と違和感を感じたほうに手を伸ばし気弾を打ったが外れたな、足を止め雑魚を咆哮で吹っ飛ばす。
そうするといかにも悪魔ですっていう風貌をした奴が転がっている。
<悪魔>
精霊が悪の心を持ち実体化した姿 牙羽角尾が生えていて大体黒い
戦闘力は大して高くないが精神術に長けている種族
戦闘力800
そいつが起き上がり俺を睨み付けているようだが鼻で笑う
「オマエ、ユウシャカ?愚カニモ、魔王様ニハンギャクヲモクロム人間ノ!」
こいつ話せるのか・・・
「キサマラ人間ハ我ラノ下僕デアルノニモカカワラズ反逆ヲ企テタ!故ニ魔王様ハワタシニ人間ヲゼツメツサセロトオッシャッタ家畜ノ分際デ刃向カウモノハ皆殺シダ!!」
そうか、そりゃあ雑魚のくせに刃向かって来ればムカつくよな・・・。分からんでもないが俺からすればどっちもどっちだ!どいつもこいつも何様だ?軍兵もだが魔王の家来かなんか知らんが俺に喧嘩売るとはいい度胸だな!あ?
右足を踏みしめ地響きを起こすそれと同時に最大威力の咆哮を発動近くに居た雑魚や木々地面も巻き上がり空高く吹っ飛んだ
「ヒィ!バケモノ!!魔王様オタスケヲ!!!」
背を向け飛んで逃げようとしたんだろうが逃がすかよ
「消えて無くなれぇ!!」
叫び声と同時に気波をだし悪魔を消し飛ばした。
それと同時に自陣付近に居た雑魚の隊列と戦闘方法が乱れているのが見えた。
遠くで竜巻と光の柱が走ったあと魔物どもが弱体化し大した時間も要らず殲滅できた。
雑魚ボスを倒し雑魚が炭と血池になっている光景をみて苦笑した
最終防衛地点に7人とも五体満足で生存しているのを見てホッとした、大見栄張って死人が出たらどうしょうかと思ってはいた。
だが喜びを分かち合っているとこ悪いが「武器を返してもらおうか?」と5人に返却を求めるが、さっきまでの感覚が忘れなれないのかしっかり握って離さなかった。
それを大男が説得し1つ1つ慎重に手入れをし渡してくれた。
事の重大さが分かっていない5人に片目が説明したがしぶしぶといった表情であきらめてくれた。
ただの素人が一騎当千の戦士にも成り代わる武器や身体強化を一人の人間が出来てしまったら、それだけで他国にとっては大きな恐怖と成りかねないのだから。
ここで空気の読めない軍兵達が俺を取り囲み
「貴様が持っていた武器を差し出せ!お前のような下民が持っているよりも高貴な身分にある私が持っている方が喜ばしいであろう?さぁさっさと出せ!!・・お前たちこの者を引っ立てい私に逆らった愚か者がどういうことになるか今一度知らしめろ!!!」
またろくでもない事言って自我を通そうとする。
高貴?知るか俺の剣だお前らなどに渡さん!馬鹿じゃなかろうかこんだけの力の差を見せつけめられらのにも関わらず権力でどうにかできると思っているこのか大馬鹿者は!そいつに向かい鼻で笑った。
顔が真っ赤になっていくしびれを切らし腰に下げていた剣を抜き首めがけて振り下ろされたが、パキン という音を立てて剣先は折れ弾き飛んで行った
目を見開き折れた剣と俺の首を見比べ次第に青ざめていく。
今頃力の差が分かったみたいだがもう遅い、こいつみたいな口だけで実力もないやつがスゲーぇイラつくんだよ。
剣を投げ捨て城門に入ろうと走るが、前方へと素早く回り込み首を跳ねるとそれを見ていた部下を口封じのために消し飛ばす。
殺気を抑え今見ていたであろう周りの者に口の前に人差し指を立ててニッコリ笑う
そこには乾いた笑いが起きただけだった。