誰が勇者だ・・・?
誰が勇者だ・・・?
俺は夢を見ているんだろうか?それとも死後の世界にでもいるんだろうか?
あの時逃げ切れず後ろから刺され高らかな笑い声と痛みでシャットアウトされた意識。
でも今は思い出すこともでき考えることもできる、誰に刺された?あの女だ。
誰が肩を掴んだ?デブの手下だろう、なぜこんなことになった?
分からない何も悪くなかったはずだ俺は悪くないあのデブが全部悪い!いや少し違うかそれより前に誰かが・・・アイツ等か俺をこの世界に召喚しやがった王族どもと自分らには力が有り俺のことをあざ笑い見下した2人の日本人・・・それより前にあの正体不明の白い人あの夢からすべてが変わった。
誰が勇者だ!?この世界に召喚され少しあれが言っていたことが真実だったらいいなと願ってしまったのが愚かだったんだ!
取り柄の無い奴でも頑張っていれば少しは報われると思ってしまったのがダメだったのだ!!
力のない者はどれだけ努力しても優れた奴には及ばない分かっていたはずなのに、勇者という言葉に惑わされ今までの教訓を無意識に考えないようにしていた。
そのおかげで元の世界の意識のままの行動を起こしてしまいこうして狭間を彷徨っている
別にこのままあの世に行ってもいいんだけどさぁ。
俺を見くびった奴らを地獄に突き落とさないと気が済まない・・・
そこで再び意識が落ちた
ギルドで殺傷事件が起き人間一人が重体になったが、レギスが町の調査から帰ってくるまで隅に物のように放置されていたが、その空気の異質さに気が付いたレギスの処置により一命は取り留めた
俺はよく知っているベットの上で目が覚めた。こういうときは、知らない天井だ、とか言う方が多いだろうがよく知っている半年間毎日ここで寝起きしていたのだから。
扉からよく知った人が2人入ってくるのが見えた。親方とレギスさんだった。
親方は今にも泣きそうな顔でレギスさんは身内の葬式でも行ってきたのかって思うほど暗い顔で、まだ体に力が入らず指も動かせない口も開けない。
レギスさんが何度も何度も親方に土下座し頭を床に打ち付けている音が聞こえる
別にそんなことしなくてもいいのに・・・再び目を閉じた。
あれから何時間?何日経ったのか見当もつかないが外は暗い、夜のようだ。ふと
暗いから気付かなかったが横に親方が椅子に座って俺の右手をでかい手でしっかり包み寝ていた
・・・見習いなのにすっげー心配を掛けてしまった。前はピクリともしなかった体が痛みを伴うが普通に動かせる、風邪で3日寝込んだ時のような感覚だな今の場合は3日じゃすまなそうだが。